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本日の名場面

野々村チェアマンからのメッセージ「一緒にクラブの成長を助けてほしい」

 

4月20日、J2第11節の金沢戦に、今春新たに就任した野々村芳和チェアマンが来場し、試合前に地元報道陣の取材に応じた。

もとはJリーガーで、解説者で、クラブの社長でもあった。スカパー!などのサッカー番組への出演も多く、そのサバサバとした、だが愛情深いお馴染みのキャラクターはJリーグのトップに就任しても変わっていないようで、会見場でも非常に砕けた親しみやすい雰囲気を作ってくれていた。

 

解説中にウルッと来たJ1昇格プレーオフ決勝

チェアマンとトリニータとの関わりは深い。当時スカパー!を視聴した人の記憶にははっきりと刻まれていると思うが、2012年J1昇格プレーオフ決勝の解説を、現在は松本を率いる名波浩監督とともに務めたことがあった。2009年に発覚した深刻な経営難を乗り越えながら大分がJ1昇格を果たしたとき、解説中に涙声になっていたが、今回の来訪で、自身でもそれを振り返った。
 
「たくさん解説させてもらったけれど、解説しているときに感動したことはなかなかなくて、喋れないくらいになった記憶が残っている。あのとき林くんがゴールしたんだよね。ウルッと来ちゃった」
 
それ以前にもスカパー!解説で大分に来たとき、当時は芝のコンディションがなかなか改善されず選手の怪我が相次いでいたことを受け、「俺が解説の中で言ってやるよ」と、ドームの芝の改善が進むよう後押ししてくれたこともある。つねにプレーヤーズファーストなスタンスだった。
 

ウィルがロッカールームに殴り込んできた思い出

現役時代の思い出としては、2000年に札幌に移籍して、大分市営陸上競技場で対戦したとき、前半にウィルと喧嘩になり、ハーフタイムにウィルがロッカールームにすごい剣幕で殴り込んできたのをみんなで止めてくれたというエピソードが語られた。
 
札幌の社長時代は来場してもなかなか試合をゆっくり見ることは出来なかったが、2020年J1第32節にドームで対戦したとき、90+4分にドウグラス・オリヴェイラが絶好機をポストに阻まれ、1-1で終わった試合の舞台裏は記憶に鮮やかだという。「ロッカーですごく落ち込んでいたから、僕が『大丈夫だよ』と励ましたら、ドゥドゥはあまり日本語が喋れないのに『ダイジョブジャナイヨー!』って」と物真似もまじえて大笑いしながら明かしてくれた。

 

新チェアマンからトリサポへのメッセージ

2012年に何試合か大分でスカパー!解説を担当する中で「サポーターとクラブの関係がすごくいいなと思ったゲームがあった」という。
 
「僕にとってもサポーターとクラブの関係がよくなると昇格するんだっていうことを感じることが出来たシーズンだった。そこがすごく印象的だった。近年はJ3まで落ちて上がっていくという、クラブとして大変な時期もあったけど、もう一回上に行ったりできるのは、全国のクラブが『俺たちもやれるんじゃないか』と思えるような結果を大分さんが出してくれていると思う。そこはすごいなと」
 
そんな野々村チェアマンから、会見の最後に、トリニータのサポーターに向けてメッセージをいただいた。
 
「僕はサポーター、特にいつも近くにいてくれるサポーターは、もうクラブの人だと思っている。それは札幌の社長をやっていたときから。クラブをどう成長させるかというのは、サポーターと一緒にやっていくのがサッカークラブだと思う。大きなクラブとそうじゃないクラブとの差はまだまだあったとしても、その差はホームゲームでのサポーターの空気づくりで絶対に埋まると思っている。クラブは成長するために努力を続けると思うけれど、大変なときにこそサポーターが勝たせてくれる、それが出来るクラブが成長していくと思う。一緒になってクラブの成長を助けていってほしいと思います」

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