強さんスペシャルインタビュー「僕はそこに立てなかった人間だけど、その人たちと一緒に闘えている」
藤本憲明がことあるごとに口にする「クソッタレが原動力」。藤本のプロデュースによるファン感謝デーオリジナルTシャツにも記されたのは、強さんの楽曲のタイトルだ。ご自身もずっとスポーツを続けている強さんの作品は、多くのアスリートたちの熱烈な支持を得ている。伊佐耕平はその曲を「頑張ってる人にしか響かない」と言い切った。
トリニータの選手たちとも親交のあるそんな強さんが、8月10日、明治安田生命J1第22節・ヴィッセル神戸戦に来場。決戦前のスタジアムで『クソッタレが原動力』を歌ってくれる。
8月2日、京都でのライブ直前の貴重な時間に、心奮い立たせる楽曲が生まれてくる背景を聞いた。
トリニータに広まるきっかけは福森直也選手
——今回は神戸戦に来ていただけるそうでありがとうございます。翌日には「TSUYO’S CAFE」の大分編もあるんですね。大分にいらっしゃるのは初めてですか?(※TSUYO’S CAFE…全国各地のカフェやバーなどで行われる全員着席・少人数開催のトーク&ギターアコースティックライブ)
以前、クラブイベントで行ったことがあるんですけど、それ以来なので10年近くぶりになると思います。
——…まさか、白いジープでいらっしゃるんですか?(※「TSUYO’S CAFE」ではJEEP OSAKAとのタイアップ企画で自らジープ・ラングラーを運転して各地を巡っている。楽曲『白いジープに乗って』参照)
いやいやいや、さすがにその日は飛行機です(笑)。スタッフもいっぱいいるので。空港までがジープです(笑)。
——強さんはトリニータの選手たちの間でも大人気なんですが、きっかけは福森直也選手(※7月31日、清水エスパルスへ完全移籍)だったそうですね。つながりがあったんですか。
福森は三人兄弟なんですけど、いちばん上の兄がボクシングをしていて、僕もフィットネスでボクシングジムに通っていたんです。その兄の結婚式で会ったり、兄が直也くんを僕のライブに連れてきてくれたり、そんな縁もありまして。数年前から僕の曲を広めてくれてるというか、直也くんのインスタなんかに僕の曲がたまに上がってたりしてたんですよ。
スポーツの苦しさや達成感が説得力につながっている
——そこからまずは伊佐耕平選手、そして藤本憲明選手と次々にハマっていったようですね。他にもアスリートの方々に愛されていますが、やはりご自身が野球をなさっていたことも関係しているんでしょうか。(※強さんは平安高校[現・龍谷平安高校]時代、野球部副キャプテンとして甲子園出場も経験している)
たぶんそれもあるし、いまもずっとスポーツをしてたりもあるし。その子らに響くように同じ体験をするというか。スポーツを通じて自分と向き合ってるんです。その結果かなと。
甲子園は僕が足を引っ張って負けちゃったんです。最後の一個前のアウトになった。副キャプテンとして試合に出させていただいていて、代打で出て、デッドボール。盗塁。その盗塁のあとに僕のミスで飛び出してしまい、刺されて負けた。高校野球に関しては苦い思い出ばかりですね。
——ご自身がそういう経験をしているからこそ、人の痛みがわかりますね。
そうなのかなと自分でも思います。ずっとレギュラーでスポットライトを浴びていた人間ではないので。
——スポーツの苦しさとか達成感とかを身をもって知っているからこその。
もしかしたらそういうものが、僕の言葉の説得力につながっているのかもしれないですね。何も成し得ていないよりはしていたほうがいいのかなと思います。
——歌詞も胸に響くんですけど、それを届ける歌声に深みがあってやさしいですよね。
そこは多分、自分でも気持ちを入れているところだと思います。声の表情であったり、同じ楽曲の中でも敢えてヘタクソな部分を入れてみたり。キレイに音を取ることなんて、現代はパソコンでいくらでも出来るんですけど、それを「なんでこの部分、音ハズしてんのやろ」っていうところを、多分、無意識に察知してもらってるのかもしれないです。
アスリートと一緒に闘うことで夢を与えることが出来る
——楽曲はいつもどういうとき、どういうふうに生まれてくるんですか。
ああ、それは確かにアスリートに近いかもしれないですね。しんどいことをしてるときに初めて「あ、実はこういう感情だったんだ」とか。僕もスタジオで何かを考えるタイプじゃなくて、外で、フットサルとか野球をしたり、ランニングしたりしてるときに、歌詞が出てきたりするので。そのためにスポーツをしている部分もありますね。
——体を動かすのも音楽のために。
もちろんすべてが音楽のために、です。
——音楽の世界に身を置いて、日々を重ねながら変化していったものはありますか。
そうですねえ…最初はやっぱり「モテたい」という気持ちからはじまってると思うんですよね、音楽やってる人は大抵。そこからアスリートとかと出会って、その子らが夢を与えているのを見て、スポーツっていいなって思ったんですよね。子供たちがいちばん最初に憧れるのは、スポーツ選手。野球選手やサッカー選手。僕はそこに立てなかった人間なんだけど、その人たちと一緒に闘えているということで、また子供たちに夢を与えることが出来ているのかなと思ってます。
“クソッタレが原動力”そのままを伝えにいきたい
——いつもトリニータの選手たちとはどんなおつきあいをされているんですか。
よくゴハン行ったりとか。シーズン中なのでお酒は飲めないですけど。オフシーズンにはフットサルしたりとか、結構アクティブですね。仲良くしてもらってます。
——大分でのライブで、大分の人たちに何を伝えたいですか。
トリニータの子らに『クソッタレが原動力』が響いたのだったら、その曲のとおり、そのままを伝えにいきたいと思います。前田凌佑なんかはヴィッセルの頃から知ってるんですけど、ヴィッセルで花開かなかったのがトリニータに行って活躍してるのを見ても、やっぱり“クソッタレが原動力”になってるのかなと思って。ノリ(藤本憲明)もずっとJFLとかJ3とかでプレーしてたのが、“クソッタレが原動力”って言いながら、いまやJ1の得点王を争うくらいのところに立ってる。だからやっぱりその“クソッタレが原動力”を伝えにいきたいですね。
——トリニータというチーム自体が、J1のビッグクラブと戦いながら残留を目指している最中ですし。
ねえ。だからそれが、サポーターのみなさんに響いて、合唱になればいいですね。翌日のライブではいろんな曲を歌いますけど、スタジアムでは『クソッタレが原動力』を歌いますので、みんなで歌えるように準備しておいてほしいです。
今回は大分の街を堪能したい
——翌日のライブ会場は、トリニータの試合のパブリック・ビューイングも開催している『day by beach』なんですよね。
そうです。選手のみんなは試合翌日でケアなんかもあるかもしれないけど、来れたら来てもらいたいです。
——前回、大分にいらしたときの街の印象は残っていますか。
あのときは夜中のイベントだったので、夜入りで…。選手たちから「ここ行ったほうがいいですよ」とかオススメの店とかをいっぱい聞いてるので、堪能したいと思います。
——ライブ前のお忙しい時間をいただきありがとうございました。これで記事を進めます。
伊佐くんのことにほぼ触れてないですけど、大丈夫ですか(笑)。ふたりでゴハン行ったりもする仲なんですけど。
——伊佐選手は「トリテンTV」でメッセージをくれてますので逆にそちらで流したいと思います(笑)。
お願いします(笑)。
8月11日は「TSUYO’S CAFE」大分編!
神戸戦翌日の8月11日には、大分市『day by beach』で「TSUYO’S CAFE」大分編も実施。
詳細はこちら
スタジアムで歌ってくれる『クソッタレが原動力』はこちらからも聴けます。
https://www.amazon.co.jp/dp/B07GDCP7PH/ref=pm_ws_tlw_trk9
https://recochoku.jp/song/S1007263298/
みんなで歌ってヴィッセル神戸に勝利しましょう!
強さんプロフィール
2008年『全ては唄の中で』でCDデビュー。以来、インディーズ、メジャー含め数々のコンピレーションアルバムにも積極的に参加し、楽曲の完成度の高さのみならず、ライブパフォーマンスが高く評価され、ジャンルの枠にとらわれる事なく、今や全国のクラブやフェス、TVやラジオ等のメディアにも数多く出演し確実にその名を轟かしている。
2015年より様々なお店で着席型のアコースティックライブ「ツヨズカフェ」を全国で開催中。歌心溢れるメロディアスなフローや、刻んだリズムで一気に観衆の心を煽り、かと思えばバラードやミディアムテンポをソウルフルに歌い上げる、そこがこの男の真骨頂である。
2018年8月22日、6th ALBUM「Revolving Runturn」発売
【楽曲情報】
「カーテンコール」「スーパースター」阪神タイガース 西岡 剛選手 打席登場曲
「やんちゃ坊主」西武ライオンズ浅村栄人選手 打席登場曲
「グランドスラム」阪神タイガース陽川尚将選手 打席登場曲
「スーパースター皇治ver」K-1皇治選手入場曲
Official HP:http://tsuyoshi-7.net/
(インタビュー・構成・執筆:ひぐらしひなつ)