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試合レポート

相手を大きく上回る数のシュートを放つも2-1で敗戦。明確な課題を残す最終節に

 

終わってみればシュート数は大分が11で仙台は4。だが、スコアは2-1で仙台の勝利だった。ある程度の内容はものに出来ても勝ちきれない課題を残し、今季が終了した。

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チャンス量産も先制点は仙台に

勝てば、あるいは引き分け以上でJ1昇格プレーオフ圏内フィニッシュの可能性がある仙台と、前々節の結果をもってJ2残留を決め、そのプレッシャーから解放されて今季初の3連勝を狙う大分。仙台サポーターがスタンドの大部分を黄色く染めたユアテックスタジアム仙台の満点のアウェイ感の中、試合は互いにやや堅実めにスタートした。
 
立ち上がりからチャンスを多く築いたのは大分。7分には自ら倒されて得たFKを野村直輝が直接狙って枠の上。8分には野村のクロスに池田廉が詰めたが打ちきれず、こぼれ球を弓場将輝が右足でシュートしたが右に逸れた。12分には攻め上がった保田堅心が倒されて得たFKを野村が蹴り、林彰洋にパンチングでクリアされたところにデルランが足を振り枠上へ。
 
13分には郷家友太のシュートをムン・キョンゴンが正面でキャッチ。だが、16分、保田のクサビが相手を直撃したところから相手のターンとなり、鎌田大夢のサイドチェンジを真瀬拓海が折り返すと、その対応にあたったデルランがクリアしきれずオウンゴールに。大分ペースながら仙台のほぼ最初のビッグチャンスで先制点を奪われた。

 

後半立ち上がりに喫した2失点目

先制して勢いづいた仙台は19分に相良竜之介のミドルシュートが枠の左。29分には中島元彦がFKで直接狙い、枠は捉えていたがムンがキャッチして防いだ。
 
31分には屋敷優成がセカンドボールを納めてシュートにまで持ち込むが枠の左。39分には茂平のクロスがクリアされ、41分には保田の右CKからの流れで野村が狙ったがこれも枠外。前半アディショナルタイムにも攻め込んで分厚い攻撃を見せた大分だが、中を固めた相手にことごとく阻まれ、最後のペレイラのミドルシュートも枠上へ。
 
片野坂知宏監督は野村を渡邉新太に代え、渡邉の1トップに屋敷が右シャドー、池田が左シャドーという配置で後半をスタートした。開始早々に弓場がゴールを狙うが枠の右。49分、吉田真那斗のロングスローから安藤智哉の左足シュートは相手にブロックされ、ボールは密集にこぼれるがゴールに押し込むことは出来ない。
 
50分、弓場が郷家にボールを奪われ、相良に運ばれて最後は郷家に流し込まれて2失点目を喫する。

 

4-2-3-1での追撃態勢

2点を追う状況になったことで、片野坂監督は57分にデルランと弓場をベンチに下げ、薩川淳貴と長沢駿を投入してシステムを4-2-3-1へと変更する。最終ラインは右から吉田、ペレイラ、安藤、茂。ダブルボランチは保田と池田、右SHに屋敷、左SHに薩川で、トップ下が長沢という並び。奇しくも開幕戦で採用したのと似たかたちで戦うことになった。
 
59分、吉田のクロスに合わせた長沢のヘディングシュートは枠の上。64分、ペレイラがスペースに送ったボールを収めた渡邉がすかさず狙ったがサイドネットを揺らすにとどまる。73分にはエロンの折り返しを安藤がスライディングで掻き出してことなきを得た。
 
76分には屋敷に代わって町田也真人がピッチへ。78分には森山佳郎監督も相良をオナイウ情滋、鎌田を松井蓮之に2枚替えし、オナイウが右SH、郷家が左SHの配置となった。

 

90+3分、薩川FK弾で1点を返すも…

82分には保田に代わって小酒井新大がピッチへ。小酒井は早速、好守を見せる。85分には仙台が、エロンに代えて中山仁斗。87分、中島が直接狙ったFKはサイドネットに。
 
仙台のカウンターを防ぎながら2点を追う大分だが、チャンスの芽は生まれてもいまひとつ迫力に欠ける。90分には長沢がターゲットとなりボールを落とすが、小出悠太に掻き出された。
 
アディショナルタイムは4分。仙台が90;2分に郷家と中島を石尾陸登とマテウス・モラエスに代えて守備を固め、このまま2-0で終了かと思われた90+3分。相手陣右サイドから放った薩川の左足FKが、ファーポストぎりぎりで見事に巻いてそのままゴールへと吸い込まれ、1点を返す。薩川のJ2初ゴールだったが、反撃はここまででタイムアップ。山形が千葉を4-0で下したため、仙台が6位に滑り込み、プレーオフ進出を決めた。

 

今季の経験を今後に繋げたい

前半6本、後半5本のシュートを放ちながら得点は薩川のFK弾のみ。対する相手は前半2本、後半2本のシュートで2得点を挙げた。片野坂監督は試合後に「『いいゲーム』はしたかもしれないが、勝ち切るところの力強さ、徹底さ、そういうものは、やはり仙台さんのほうが上だった」と無念そうに話した。
 
今季はなかなか戦術的な積み上げが出来なかったぶん、組織的な部分では難しさがあったと思うが、この試合中にはボランチの足元が相手2トップに狙われ、弓場や保田がロストする場面が目立った。指揮官は2人の伸びしろにも言及しつつ、判断やプレーのスピードと精度の向上が必要だと課題を挙げる。
 
プレシーズンの期待が大きかっただけに不完全燃焼感はどうしても否めないが、今季の経験を無駄にせず、来季へと繋げて個々の成長を得たいところ。チームは大分に帰って解団式を行う。

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