対策され上回れず苦しんだ試合。リードしてゴール前を固める千葉を破れず
相手に対策された中で臨機応変に動けず、苦しみながらミスから失点。リードして守備を固める相手から得点を奪えずに試合は終わった。
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野村がマンマークで封じられて苦しくなる
大分は3-4-2-1。出場停止の野嶽惇也に代わって左WBに宇津元伸弥が入った以外は、前節の岡山戦と同じメンバーでのスタートとなる。千葉は前節の仙台戦から2人を入れ替え、基本形は4-4-2。ただ、今節の千葉の大分対策は、前半の大分を混乱に陥れた。
大分の攻撃の要である野村直輝を、ボランチの1枚・品田愛斗がマンマーク。野村がケアされたことで、大分は攻撃の形を上手く作れなくなる。野村は品田を引き連れて低い位置に落ちてみたりするのだが、それによって変化するスペースを、大分の選手たちは上手く使うことが出来ない。選手間の距離も遠くなり、伊佐耕平は相手に競り勝てるのだがセカンドボールは相手に拾われるという場面も続いた。
千葉は立ち上がりからアグレッシブに大分ゴールへと迫った。2分には小森飛絢にゴール前で起点を作られ、田中和樹にシュートされるが吉田真那斗がブロック。9分には小森にシュートを許したが、これはポストを直撃し、そのこぼれ球からの岡庭愁人のシュートは枠を捉えきれず。
ミスから失点、こちらは好機を仕留めきれず
22分には髙橋大悟の相手陣でのインターセプトからスピードに乗って持ち上がりクロスを送るも、品田に掻き出されてカウンターを受ける。田中のクロスに飛び込んだ小森はオフサイド判定となった。24分には吉田が高い位置でボールを奪って伊佐に当て、最後は野村がシュート。だが、横っ跳びの鈴木椋大に触れられて枠を外された。
千葉の強度の高いプレスと迫力満点のカウンターに対して慎重になるのか、布陣の重心が低くなる。全体に動きが少ない中で、香川勇気がボールを持ち出そうと試みたりもするのだが、相手もなかなかそれにつられてくれない。
39分、ミスから失点。香川のバックパスをワンタッチで前に送ろうとしたムン・キョンゴンのクサビが正面の小森に渡り、そのまま左足を振り抜かれた。
千葉のブロックの外側でボールを回していた44分、保田が個人技で仕掛け吉田とのパス交換で抜け出してクロス。飛び込んだ伊佐はわずかに触れず、ファーに走り込んだ宇津元も間に合わない。前半アディショナルタイムにも野村のクロスに髙橋が飛び込んだが、わずかに合わずシュートには至らなかった。
修正した後半、点差を広げられる
片野坂知宏監督は後半、守備の立ち位置を修正してチームにアグレッシブさを求める。リードした千葉が攻め急がず構えてカウンターを狙う守備へと切り替えたことで、大分がボールを握る時間が増えた。だが、クロスは精度を欠いて狙いを大きく外れる。56分には野村がシュートを試みるが品田にブロックされた。
もどかしい時間が続く63分、大分が先に動き、髙橋に代えて鮎川峻をピッチへと送り込む。鮎川が左シャドーに入り、野村は右に移った。
反撃の勢いを出したい65分、だが、2失点目を喫する。ハーフウェイライン付近からの小川大貴の大きなサイドチェンジを受けた岡庭にクロスを供給され、ゴール正面で合わせた小森のヘディングシュートにネットを揺らされた。
4バックでの追撃も最後は力任せに
宇津元が足を攣らせた70分、大分は2枚替え。宇津元と伊佐をベンチに下げて池田廉とキム・ヒョンウを送り込み、システムを4-4-2に変更した。キムと池田が2トップで縦関係を組み、左に鮎川、右に野村の形となる。池田が流動性を生み、キムが背後を狙って駆け引きしはじめる。
76分には千葉も2枚替え。エドゥアルドを田口泰士、風間宏矢を横山暁之に代えて布陣の鮮度を保つ。80分には保田の右CKが鈴木に掻き出されたところを中川寛斗がシュートして相手にブロックされ、そのこぼれ球を狙った野村のシュートも相手に阻まれた。
84分には中川を弓場将輝、吉田を松尾勇佑に代えて追撃する大分。千葉は同時に小川を山越康平に代え、89分には岡庭と小森を杉山直宏と呉屋大翔に代える。残り時間が少なくなるにつれて大分の攻撃も力任せとなり、闇雲にシュートを打っては守備を固める千葉に正面で当てるシーンが続いた。スコアを動かすことは出来ず、試合は0-2のまま終了する。
組織としての戦い方を整理したい
終わってみればシュートは相手の7本より多い9本を記録していたが、1点が遠い試合だった。間伸びして連動性が見られず、相手のプレスに直接的に阻まれるばかりで、スペースを使うことが出来ていなかった。クロスやシュートの精度不足も残念なレベルに終止する。
試合後にはゴール裏のサポーターから厳しい叱咤の声が飛んだ。熊本が藤枝に敗れたため順位こそ16位をキープしたが、降格圏である18位・栃木とは勝点6差。次節は好調の山形と。千葉との共通点もある相手なので、今節の課題を急ぎ修正しなくてはならない。