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試合レポート

勝点2を取りこぼした感。最終盤に立て続けの失点で追いつかれて終了

 

早々に先制すると、いい時間帯に追加点をものにし、これで優位に進めることが出来ると思っていた試合。80分以降に2失点を喫した原因の根本はどこにあったのか。

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またもCKからの長沢弾で先制

同じ5勝5分4敗の勝点20同士でぶつかり合った今節。ハイプレスとショートカウンターでゴールを目指し、巧みにポゼッションする点でも似通ったチーム同士のマッチアップだったが、結果は2-2のドロー。勝点1を分けあったが、内実は「最後に2点差を追いついた愛媛」と「2点のリードを守りきれなかった大分」という図式で明暗の分かれるものとなった。
 
前半は完全に大分のゲーム。ダブルボランチとトップ下がゲームメイクの核を担う愛媛に対し、積極的なプレッシングによってその3枚を遮断することで相手に仕事をさせず、ほとんどの時間を攻撃で過ごした。6分、野嶽惇也のクロスで得た左CKを宇津元伸弥が蹴り、ファーで茂平が折り返して野村直輝が狙ったが枠上へ。9分には野村のクサビを受けた渡邉新太が右足で狙ったが徳重健太に阻まれた。
 
だが、12分に左CKから先制点。宇津元のキックを徳重が掻き出したところを逃さず長沢駿が右足一閃。またもGKのクリアボールをダイレクトに打ち込んで、自身の今季5点目を挙げた。

 

互いに決定機を仕留め切れず1-0で折り返す

愛媛は特に野村と茂への対応に手を焼いており、守備の間隙が多くなって、サイドに多く起点を作る大分に主導権を明け渡した。愛媛のチャンスは少なく、カウンターからが主たる形。31分には藤原優大のクサビをインターセプトした茂木駿佑が素早く持ち上がって山口竜弥に預け、そのクロスに茂木が右足で合わせたが枠の上。茂木は39分にはミドルシュートを狙って濵田太郎に掻き出される。41分には谷本駿介が左サイドを突破し曽根田穣が折り返して茂木がシュートしたが、これも枠を捉えきれなかった。
 
一方で、大分の決定機逸も多かった。25分には相手を押し込んだところから野村が茂のスルーパスに抜け出して折り返し、渡邉が潰れた後ろで宇津元が合わせたが、弾道は枠の上へ。29分には茂のロングスローの流れから藤原が右足を振ったが浮いてしまう。33分には宇津元の右CKにファーで安藤智哉が合わせて枠の上。43分には宇津元のFKを長沢が落として小酒井新大がループで狙うがこれも枠上に逸れた。
 
愛媛は前半アディショナルタイムが尽きる直前、後ろからのフィードを収めた松田力が左に展開して山口が持ち上がりシュートするが右に外れて、前半は圧倒的な大分ペースの中、1-0で終了した。

 

野村の追加点でいい流れになったはずが…

愛媛は谷本を菊地俊介に代えて後半をスタート。ビハインドになったことで前への意識を強め、47分にはペナルティーエリアに進入した曽根田が松田に合わせる速いグラウンダークロス。詰められる前に茂が体を投げ出してクリアした。51分には茂木のクロスを藤原が弾き返したこぼれ球を逆サイドからパク・ゴヌがもう一度クロス。味方には合わなかったが、愛媛は大分がボールサイドに寄ったところで逆への展開からチャンスを築くようになった。
 
愛媛が盛り返しつつある空気感の漂っていた54分、大分が2点目を挙げる。小酒井のタックルからボールを奪うと長沢がこれを収め、しっかりとタメを作ってから野村に託すと、野村は右足でしっかりとゴールネットを揺らした。
 
これで戦況はぐっと楽になったと思われた。58分にはパク・ゴヌのクロスから松田にヘディングシュートされるが枠の左。だが、シュートには至らずも、追撃する愛媛は積極性を増し、クロスやスルーパスを狙い続ける。

 

PK判定から大きく流れが変わった

ここからは采配合戦も白熱した。68分、石丸清隆監督が茂木を窪田稜に代えると70分には片野坂知宏監督が長沢を伊佐耕平にチェンジ。愛媛が75分に石浦大雅と曽根田を浜下瑛とベン・ダンカンに代え、ベン・ダンカンが頂点、松田がやや下がり気味の形になると、77分には大分が野村と小酒井を中川寛斗と保田堅心に代えた。
 
その間にも互いに好機は築く。一進一退の戦況で試合は終盤へと突入したが、そこから大きな展開が訪れた。80分、俵元希主審がエリア内で大分のファウルを取り、ペナルティーマークを指す。愛媛の左サイドから攻め込まれ、中川が粘り強く対応した中でも強引に上げられた山口のクロスをめぐるゴール前の攻防で、ベン・ダンカンが転倒していた。彼の前後にいた藤原と野嶽のどちらかのプレーがファウルだったという。そのPKをベン・ダンカンが蹴り、濵田もコースは読んでいたのだが、1点を返されてしまった。
 
勢いづく愛媛はさらに攻勢を強め、83分、浜下のクロスが逆サイドに流れたところを窪田が拾ってクロス。低く速い弾道にニアで森下怜哉に飛び込まれ、土壇場で同点弾を奪われた。

 

チームとしての意図が見えづらくなった後半

85分、宇津元を木本真翔に、渡邉を梅崎司に代えて勝点3を取りにいく大分。木本が個人技での仕掛けから好機を築くが、最後に精度を欠いた。89分には愛媛がパク・ゴヌを尾崎優成に代えて勝点1狙いの守備固め。アディショナルタイムに入ったあと、中川もクロスを送るが伊佐には収まらず、ベン・ダンカンのシュートは濵田がキャッチした。結局、2-2のままタイムアップ。大分にとっては4分間に2失点して勝点2を失ったようなゲームとなった。
 
こちらがリードしたぶん相手が前にパワーをかけてくることは自明だが、そこでしのいで逃げ切ることが、この試合では出来なかった。愛媛のほうが選手交代が奏功したこともあるし、前半からアグレッシブに走ったことと後半に逆サイドに展開されることが多くなったことでの疲労によるスライドの遅れなどもあったかもしれない。ただ、その相手の変化に対してこちらがどう対応するか、そしてどう攻撃の形を作っていくかが後半はなかなか見えなくなってきたことが、モヤモヤした感触として残った。そもそも前半の決定機のうち、もうひとつでも決まっていればという無念さもある。PK判定を境にした両軍の勢いの差がどういうところから生まれたものだったかも含め、コーチ陣による振り返りとフィードバックがなされるだろう。
 
連戦を2勝1分で終え、勢いづきたいところで勝ち切れずに終わってしまったが、ここで折れることなく勢いを取り戻していくことが肝要だ。

カタさんにとって初めてのヘッドコーチだった吉村光示・現愛媛強化部長と

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