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試合レポート

失点の課題もありつつ3-5-2の強みを出して3試合ぶり勝利

 

5連戦の5試合目でアウェイに乗り込んできた群馬に押し込まれる時間帯もありながら、追撃を振り切って3試合ぶりの勝利。勝点を40に伸ばした。

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右サイドを起点に好機を量産した立ち上がり

前節・岡山戦から、先発は負傷した長沢駿(※17日に右半膜様筋肉離れとの公式リリースあり)を渡邉新太に変更したのみ。ベンチメンバーは3人が入れ替わり、前節はメンバー外だったエドゥアルド・ネット、増山朝陽、伊佐耕平が入った。一時続出していた負傷者が復帰してきたことでポジション争いが激化しているようだ。フォーメーションは前節に続く3-5-2となる。
 
一方、天皇杯を含む5連戦の5試合目でアウェイに乗り込んできた群馬は、前節・町田戦から先発4人を入れ替え。加藤潤也や高木彰人の立ち位置がどこになるかが読みづらかったが、基本の立ち位置は4-4-2だったのか5-4-1だったのか。左サイドの天笠泰輝がスライドして前に出たり5バックを形成したりという可変システムで大分対策を施してきた。
 
立ち上がりは大分のペース。特に右サイドで中川寛斗とのコンビネーションから井上健太が供給するクロスで複数の決定機を築く。6分には一時的に左サイドにいた井上のクロスに呉屋大翔が頭で合わせ枠の上。8分にも井上の速いクロスに呉屋が飛び込んだが相手が先に触ってクリアした。10分にも井上のクロスが渡邉の足元に入ったが、シュートは打てず。15分には弓場将輝の右CKのこぼれ球を井上がダイレクトボレーで狙ったが、枠を捉えていた弾道は櫛引政敏のファインセーブに掻き出された。

 

固める群馬を粘り強く攻略して誘ったオウンゴール

立て続けの好機を仕留めきれずにいるうちに群馬が対応。群馬はボールを奪うとシンプルに前線に送り、孤立した前線にはなかなか収まらずにいたが、頭上を越えるボールで大分の守備を裏返し、それによってファウルを誘ったりもして好機を築く。
 
17分には風間宏希のFKに高橋勇利也が合わせ枠の右。19分には北川柊斗のポストプレーから加藤がつないで天笠がクロスを送り、坂圭祐がクリアした。20分には風間のパスを受けた北川がシュートチャンスを迎えたが坂がブロック。22分にはセカンドボールを拾った加藤の突破からスルーパスを受けた天笠がクロスを送り、合わずにファーに流れた。34分には風間のFKを畑尾大翔に頭で合わせられたが高木駿がキャッチして事なきを得る。38分には再び風間のFKで、左右からクロスを送るが、精度を欠いて決定機には至らず。
 
流れは完全に群馬に傾いていたが、大分も焦れずに当初の狙いだったサイド攻撃を繰り返していく。その粘り強さから先制点が生まれた。藤本一輝、弓場、三竿雄斗の左サイドでの崩しから藤本が送ったクロスへの川上優樹の処理がオウンゴールとなる。ラッキーなかたちではあったが、流れが群馬に傾いていた中で、大分にとっては絶好の、群馬にとっては痛恨のアクシデント。試合は1-0で折り返した。

 

後半開始早々、藤本のゴラッソで追加点

ビハインドになった群馬は、天笠に代えて小島雅也。逆サイドに振られた際のスライドの遅れが気になっていたようで、システムを可変でなく固定の5-4-1に変更して後半をスタートした。
 
だが、48分、大分に2点目が生まれる。右サイドのスペースでボールを受けた渡邉が粘ってエリア内まで持ち込み、中にボールを送って呉屋がスルーしたところから中川がシュート。これは櫛引にパンチングクリアされたが、そのこぼれ球を藤本が拾うと、上がってきた三竿へのパスも匂わせた上で、切り返して相手を剥がし右足を振り抜いた。
 
群馬は53分、加藤と城和隼颯を山根永遠と深堀隼平に交代。5バックの並びを右から小島、川上、畑尾、高橋、山根とし、深堀は左シャドーに入る。59分には小島がボールを持っていた藤本にタックルし、こぼれたボールを高木彰が拾って出したところを北川がシュートするが高木駿に阻まれた。63分には風間のFKを小島が折り返し畑尾がフリックして高橋が飛び込むが、シュートは打てずにこれも高木駿に処理される。
 
群馬に複数の好機を築かれ守備陣が集中して対応する中、67分には井上のクロスから呉屋がヘディングシュートを放ったが、櫛引のファインセーブに掻き出された。

 

前節の記憶が頭をよぎる終盤に

群馬は70分、北川を岩上祐三に交代。岩上がボランチに入ると深堀が1トップ、高木彰が左シャドーに移り、風間が右シャドーに上がった。大分は75分に井上を増山朝陽に、呉屋を伊佐耕平にチェンジ。77分には群馬が足をつらせた川上を奥村晃司に代えた。
 
カードを切り合いながら主導権を争う終盤。増山や伊佐も途中投入された自らの役割を理解したプレーを徹底していたが、82分、群馬に1点を返される。上夷克典の浮き球パスがカットされたところからボールをつながれ、高木彰のスルーパスに抜け出した深堀への対応が後追いになってしまった。
 
勢いづく群馬を前に、前節・岡山戦の苦い記憶が蘇る。なんとしても追いつかれてはならないという展開になってきた。それでもしっかりとボールを動かしながら84分、藤本のクロスに伊佐が飛び込む決定機を築くが、残念ながら得点には至らない。
 
85分には風間のクロスを細貝萌がバックヘッドでそらし高木彰がヘディングシュートするが枠の左。群馬の渾身の追撃に遭い、大分は87分、渡邉を野村直輝に代えた。89分にはまたも風間のクロスから高木彰にヘディングシュートを許すが枠の左。
 
大分は90+3分に藤本と中川を小出悠太とエドゥアルド・ネットに交代して時間も使いつつ逃げ切りを図る。小出が右WBに入り、増山が左に回った。増山のキープなどでアディショナルタイム4分を使い切り、3試合ぶりの白星。決して盤石な戦いとまでは言えなかったが、悪い流れを断ち切るべく決死で向かってくる難敵を下し、勝点を40へと伸ばした。

伊佐くんとネットも戦線復帰!