TORITENトリテン

試合レポート

積極果敢にゴールを目指しサイドから先制。アグレッシブさを貫いて+3

 

内容が上向いてきた手応えに、今節は結果がともなった。追加点が取れなかった課題は残るも、最後は守護神と最終ラインが蓋をする集中した守備で無失点。残留圏の16位との差を5へと縮めた。

試合情報はこちら

 

立ち上がりから果敢に攻めて好機量産

直前の試合で徳島が鳥栖に3-0で圧勝し、前日の試合で横浜FMに敗れた湘南を抜いて16位に浮上。清水は福岡に、横浜FCは鹿島に勝利して、直接対決の柏と仙台はドロー。下位チームが軒並み勝点を積んだ今節、暫定最下位に転落した状況で最後にキックオフする大分の選手がプレッシャーを感じてしまうのではないかとも思われたが、その懸念は杞憂に終わった。
 
立ち上がりから積極的に前線にボールを送ると、たちまちペースを握る。伊佐耕平がスペースへと走り、増山朝陽が前進する。4-4-2の相手に対して3-4-2-1の大分は、サイドの高い位置で数的優位を作りチャンスを築いた。そうかと思えば後方からロングフィードで相手の背後を狙う。
 
8分にいきなりビッグチャンス。増山のクロスに町田也真人の足がわずかに合わなかった後ろから、伊佐がダイビングヘッド。キム・ジンヒョンの見事な反応により防がれてしまったが、クロスからゴール前に2枚が入る形には期待が高まった。10分には伊佐への下田北斗のフィード。西尾隆矢の対応に遭ったが、大分の攻勢が続いた。

 

香川の高速クロスから町田の今季6点目

だが、C大阪も徐々に流れを引き寄せる。18分、左サイドから攻め込むと最後は小池裕太のクロス。加藤陸次樹は合わせきれず、進藤亮佑のスライディングも間に合わなかったが、8分の大分と似た形になった。20分には坂元達裕のシュートを高木駿が横っ跳びでファインセーブする。
 
28分には増山のクロスを起点とした攻撃で、こぼれ球を渡邉新太がボレーしてジンヒョンに防がれる。互いに決定機を築き合う中で、31分には乾貴士のシュートがクロスバーを叩く大ピンチもあった。
 
そして、ネットを揺らしたのは大分。34分、左サイドの連係から抜け出した香川勇気が駆け上がり、高速クロスを供給。わずかに相手の足をかすったが、飛び込んできた町田がピンポイントで押し込んで電光石火で先制に成功した。
 
36分には進藤のクロスからアダム・タガートが頭を振り枠の左。渡邉は39分にもゴールを狙ったが、これもジンヒョンに掻き出された。前半アディショナルタイムには小出悠太のクロスから香川がシュート。クリアされたところに羽田健人も詰めたが枠は捉えきれず、ともに決定機の多くなった試合は1-0で折り返す。

 

交代策もハマり相手に流れを明け渡さない

C大阪は後半、アダム・タガートを山田寛人にチェンジ。51分には加藤の反転シュートを高木が防いだ。最近好調の高木はこの日もファインセーブを連発してチームを盛り立てる。55分には小出がしつこい守備から攻撃へと転じ、止めようとした乾のファウルを誘ってチャンスを得た。61分にはスローインの流れから渡邉がシュート。またもジンヒョンにキャッチされたが、最近は前線からの守備で存在感を発揮していた渡邉が、この試合では4本のシュートを放って攻撃でも本領を発揮する。
 
67分、片野坂知宏監督は増山を井上健太に、伊佐を呉屋大翔に交代。井上はいきなりスピードを生かして駆け上がり、クロスの場面を作った。呉屋も前線で激しく戦い、相手守備陣を引きつける。
 
75分には小菊監督が、足を痛めた小池をチアゴに代えるとともに、乾を大久保嘉人に、藤田直之を奥埜博亮に交代。同時に片野坂監督も町田をベンチに下げ長沢駿を投入した。長沢はそのまま右シャドーに入る。前節の左シャドーに続いてまたも1.5列目での出場となったが、コンパクトな5-4-1のブロックの2列目から献身的に守備に走り、相手に流れを渡さなかった。

 

守護神・高木の安定感。無失点でホーム連勝

C大阪はシンプルにゴール前にボールを送る回数を増やしたが、79分の山田のクロスには高木が右足1本で対応。80分には坂元を西川潤に代えて追撃の強度を維持するが、高木の安定したセービングの前にチャンスを実らせることが出来ない。88分の山田のスルーパスからの大久保のシュートも、高木が右手で掻き出した。89分には西川のシュートが枠の左へと逸れる。
 
90+1分には奥埜のロングパスに加藤が触り、ボールは高木の背後へとこぼれたが、カバーに飛び込んだのは三竿雄斗。守備陣は最後の最後まで集中を切らさない。90+2分には、渡邉に代えて刀根亮輔。刀根が右CBに入り、小出と井上を1列ずつ上げて守備を固める態勢を取った。
 
C大阪は前線にパワーをかけてゴール前に放り込み続けるが、ことごとく高木にキャッチされる。4分のアディショナルタイムが尽き、大分は第28節・湘南戦に続くホーム連勝を飾る。勝点は3を加えて24となり、16位の徳島まで5差。順位は18位へと浮上した。
 
1週のブランクを経て次節は勝点1差で19位の仙台と、その次は徳島との直接対決が続く。ひりひりした残留争いを、強い気持ちで戦い抜きたい。