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試合レポート

終始先手を取って主導権を握り6試合ぶり白星。藤本の先制弾と小林の2戦連続弾も

 

3-4-2-1同士のミラーゲームにおいて、つねにポジショニングで先手を取り、距離感よくボールを動かして主導権を渡さなかった。西川周作の好セーブをかいくぐっての2-0勝利。6戦ぶりの白星でシーズン前半戦を締めくくった。

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まさかの岩田先発。シャドーは後藤でスタート

 
ACL・アウェイ蔚山戦から中3日。浦和は一旦、本拠地へと帰国して木曜にクールダウン、金・土曜日に非公開練習を行い、蔚山戦からスタメン7人を入れ替えて昭和電工ドーム大分に乗り込んできた。
 
浦和がどの戦力を起用するかによって、こちらも対応が変わってくる。今節はオナイウ阿道が出場できない中で、片野坂知宏監督もいろいろな準備を施して迎えたキックオフ。また、試合前々日の昼頃にブラジルから帰国したばかりの岩田智輝が、早々に先発に名を連ねた。
 
立ち上がりにはボールを受けた後藤優介を長澤和輝が潰すなど個の局面での強さを見せた浦和だったが、ACLの疲労や慣れない戦力の組み合わせなどが影響したのか、まもなく流れは大分へと傾く。先手を取ってポジショニングする大分が距離感よくボールを動かし、前半からチャンスを量産した。
 
7分、自ら運んで中で切り返した後藤のシュートがポストに弾かれる。15分、松本怜をオーバーラップした岩田の速いグラウンダークロスに藤本憲明がヒールで合わせるが、さすがの西川周作がさわって軌道を逸らした。35分にはGKとDFの間を通す松本のグラウンダークロスがビッグチャンスを生むが、ここも残念そこは西川な対応で、わずかに藤本を先回り。
 
浦和は37分に西川のフィードを起点に右からクロスでチャンスを築くが、高木駿がパンチングクリア。39分にもマルティノスがクロスを送るが、ファーで一度はカブった岩田が即座にセルフカバーして杉本健勇のシュートを阻んだ。
 

多くの好機から藤本と小林。小塚は2アシスト

 
0-0で折り返した後半立ち上がりに先制点が生まれる。51分、長谷川雄志からのパスを受けた小塚和季がターンして相手を剥がし自分の時間を確保すると、前線を見極めて絶妙のタイミングで浮き球のスルーパスを供給。マウリシオを出し抜いて抜け出した藤本は、ワンタッチシュートがミートせずこぼれたところを拾い直すと、飛び出してきた西川を落ち着いてかわしゴールへと流し込んだ。
 
54分にも小塚の浮き球スルーパスを拾った後藤が持ち込んでシュート。大分アカデミーの大先輩・西川を強襲してこぼれたところへ高山薫が走り込み、その勢いのままにシュートするが橋岡大樹にブロックされて得点ならず。61分にも後藤が抜け出して長距離カウンター態勢に入るが、並走する藤本に出すかどうするか、エリア内に入ったところで槙野智章に叩き潰された。
 
浦和は52分にマルティノスを武藤雄樹に交代。64分には鈴木大輔をベンチに下げて橋岡を最終ラインに下げ、宇賀神友弥を右WBに送り込んで攻勢を強める。大分は65分に後藤に代えて小林成豪。浦和はさらに68分、アンドリュー・ナバウトに代えて興梠慎三を投入してきた。
 
72分、足を痛めた岩田に代えて庄司朋乃也が右CBに。直後に庄司が素晴らしい仕事を遂げる。激しいインターセプトがスペースにこぼれ、前がかりになっていた浦和ボランチの背後で小林がこれを拾うと、自ら持ち上がり、両側から相手が寄せてくる中でここしかないというタイミングでのシュート。ペナルティーアークの弧のあたりから放った豪快な弾道は、飛びつく西川の指先をかすめてネットを揺らした。
 

いい距離感の維持が個々の特長を引き出す

 
80分には三竿雄斗に代えて島川俊郎を投入し、最終ラインの右に島川を、左に庄司を配置。終盤になると浦和はシンプルな放り込みが増え、大分は鈴木義宜を中心に体を張って跳ね返す。クロスやハイボールには高木がアグレッシブに対応した。
 
5分のアディショナルタイムぎりぎりまで激しい攻防が続いたが、スコアは2-0のままで終了。大分は6試合ぶりの白星を、無失点でつかんだ。
 
つねにいい距離感を保ち続けたことが、主導権掌握の最大の要因だった。距離感よくサポートし合うことができれば、小塚のファンタジスタぶりをはじめ出場した選手たちの特長が最も生きる展開に持ち込める。これを他の対戦相手に対しても表現できるかどうかが、今後の力量の問われるポイントだ。
 
次は中2日での天皇杯2回戦・鳥取戦。さらに中2日で第18節A横浜FM戦が控えている。連戦をどういう選手起用で乗り切るのか。いまはまだあまり試合に絡んでいないメンバーの強いアピールが待たれる。