GWのホーム連戦は九州ダービー2連発。その初戦に4年ぶりの鳥栖を迎える

変則的6連戦の3戦目と4戦目はどちらもホームで九州ダービー。まずは第12節、4シーズンぶりのマッチアップとなる鳥栖との一戦だ。
ボールを持つ時間が少しずつ増えている
前々節・千葉戦の屈辱感を払拭するような、前節・磐田戦の3-0快勝。ともにアウェイで特徴的な相手への対策を施して臨んだ試合だったが、磐田戦ではよりアグレッシブに相手を封じようとすることで複数の好機を築き、その最初の決定機を野村直輝が仕留めると、濵田太郎のファインセーブとあいまって試合の流れを引き寄せた。
少しずつボールを持つ時間も増えており、「以前のようにずっと守備をしているという感覚が最近はない」と榊原彗悟は言う。野村や野嶽惇也、伊佐耕平ら経験豊富なメンバーがリードしながら進める試合の中で、宇津元伸弥が成長し、デルランがフィット感を高めてきた。ここからさらに選手層に厚みを持たせながら、チームとしての成熟を進めていきたいところだ。
前節から中3日での今節、そして次節までも中3日のホーム連戦。そのあとは中2日と中4日でのアウェイ連戦という変則的なスケジュールだ。これまで出場機会の少なかった選手たちにも、しっかり準備しておいてもらいたい。
3バックで攻守に統制の取れた鳥栖
今季は14シーズンぶりにJ2で戦うことになった鳥栖。新たに小菊昭雄監督を招いてのスタートは開幕から3連敗と最初は苦しんだが、その後は4バックから3バックへと基本システムを変更して調子を上げ、現在5勝2分4敗の勝点17で5位に浮上している。現在は4戦無敗と好調だ。
要所に能力の高い戦力を配置して攻守にしっかりとオーガナイズされたチームは、ポゼッション志向をベースにしつつ、非保持に切り替わればハイプレスで相手に圧をかける。千葉と同じくいろいろなことが出来る印象だ。前節はホームで山形と対戦するとCKのこぼれ球から先制し、PKで追加点を加えて2点を先行。後半は3バックに変更した相手にペースを明け渡すが、1失点に抑えて逃げ切りに成功した。
大分にとっては第9節・大宮戦以来の3バックシステムの相手。少しずつ戦い方の幅を広げている中で、今節はどのような駆け引きが見られるか。2021年J1以来の対戦を、楽しみにしたい。
試合に向けての監督・選手コメント
■片野坂知宏監督
鳥栖は3バックに変更したが、小菊監督がC大阪の頃から4バックでやっていたのと同じように守備も整理されているし、攻撃に関しても狙いどころがあってボールの繋ぎも上手いチーム。昨季まで川合監督がやっていたのも含め鳥栖はボールを繋ぐチームカラーで、それが継続されている。守備はメリハリをつけて隙を作らず、手堅くオーガナイズしている。昨季までJ1にいたチームなのでタレントもいるし、徹底して勝ちに来ると思う。
われわれも3日しかない準備期間の中でどれだけ対鳥栖戦術を落とし込めるかというところだが、まずは磐田戦を戦ったメンバーの回復と、鳥栖に対してどういう戦い方をすることが勝点3につながるかをしっかり分析した中で、合わせてやれるようにしたい。連戦だが、まずは目の前の鳥栖戦に勝つことだけを考える。
■MF 10 野村直輝
ファンやサポーターの方々にとってもこの2試合は九州ダービーでとても大切なものと位置付けていると思う。クラブとしても絶対に負けてはいけない戦い。ただ、ピッチ内の話であれば、ただ勝つだけではなく結果以上の内容を積み上げていかないと昨季と同じようなことになってしまうと思う。自分が今季大分に残ってやると決めた意味をよりよいものにするためにも、もっと積み上げていかなくてはならないし、そういったゲームに出来るよう、内容と結果ともに進歩を感じられるゲームにしたい。