TORITENトリテン

今節の見どころ

前節・前々節の課題克服へ。山口の矢印を折りゴールへ迫れ

 

前々節の仙台戦に続き前節の水戸戦も、ウィークポイントを突かれストロングポイントを消されて、4-4-2の相手に苦戦。今節も同じフォーメーションで圧の強い山口との戦い。課題克服の力が試される。

 

紅白戦ではゴールを目指す前進方法を共有

巧みに立ち位置を取る相手に翻弄されて自在にスペースを使われた前々節の仙台戦。続く前節の水戸戦もボールを動かされて押し込まれ、何もさせてもらえなかった。前節は守備の粘り強さこそ取り戻し無失点で勝点1を得たものの、攻撃機会はほとんど作れずシュート2本に終わっている。今節アウェイで挑む山口も、仙台・水戸と同じく4-4-2システムを採用する強度の高いチーム。攻守に醸す前への矢印は、戦術徹底の度合から言って最強クラスだ。
 
そんな相手だからこそ、ここ2試合で出た課題克服の力が試される今節。チームは今週、その改善策の浸透を図った。意識を共有できている守備は継続しつつ、もっとボールを握って自分たちの時間を作り、ゴールへと迫る回数を増やしたい。ゲーム形式では出口に向けてボールの動かし方を確認し、全体練習終了後にはFW陣が左右からのクロスにヘディングで合わせる練習を行なってゴールへの勢いをつけた。
 

新戦力がスタイルの強度を増している山口

志垣良監督2シーズン目の山口は昨オフ、大幅な戦力の入れ替えを行った。佐藤謙介や山瀬功治らJリーグを盛り上げた名プレーヤーたちが引退し、吉岡雅和が秋田へ、前貴之が千葉へ、新保海鈴が横浜FCへなど
13名を放出。逆に京都から宮吉拓実、福岡から亀川諒史、FC東京から岡庭愁人、山形から有田稜と横山塁、町田から奥山洋平などの実力派を中心に、4人のルーキーを含む17人が加入した。正守護神もオランダ2部・ローダFCから新加入したニック・マルスマンだ。
 
早速その新戦力たちが多く並ぶ布陣で、昨季積み上げた志垣監督の強靭なスタイルを体現。ここまで1勝1分2敗と負け越してはいるが、2-2で分けた長崎や1-2で敗れた大宮と好調なチームに対しても激しい戦いを演じている。
 
2試合続けて圧の強いチームに苦戦した大分にとっては、課題克服の力が試される一戦。試合前日から降り続く雨が維新みらいふスタジアムのピッチコンディションにどう影響するかも気になりつつ、いかなる環境・状況にも柔軟かつタフに戦える準備をして臨みたい。
 

試合に向けての監督・選手コメント

■片野坂知宏監督
選手たちは水戸戦で出来なかったことにトライしたりともう一度共有しながらやってくれている。シュートが2本でチャンスも少なかったので、ビルドアップやチャンスメイクを含めシュートまで持っていきたいという課題がある。守備も、クリーンシートで終わりはしたが(濵田)太郎のセーブがあったからというのもあり、もう一度守備のフェーズも合わせられるようにしたい。
 
山口はハードワークするしアグレッシブ。前節の水戸と同様、われわれに激しくプレッシャーをかけてくるだろう。攻守両面で前への矢印が強い。特に攻撃は2トップとSHがモビリティーを生かしてセカンドボールを拾って前進してくる傾向があるので、中盤のバトルや頭を越えたあとの反応とかはすごく大事になる。相手の矢印を折ること、矢印を強くさせないことが大事。それは攻守両面での、早い準備と周りの関係。トレーニングで落とし込んだ中、選手の意識は悪くないと思う。
 
週末は雨らしいが、雨が降ると水溜りが出来やすいグラウンドだったと思うので、ピッチコンディションを気にしなくてはならない。山口さんはホームで自分たちの戦い方を徹底してくるチーム。それを受けずに上回れるようにしたい。
 
■MF 38 天笠泰輝
今日のゲームは結構整理してやれていたのではないかと僕は感じた。自分たちがやろうとしていることがまだまだ出来ていないので、これからも試合が続いていく中で、危機感を持ってやりたい。僕も含めていまはシュートが少ないので、ひとりひとりがシュートの意識を持ってどれだけ前に行けるかが問われる。
 
仙台戦と似たような課題が水戸戦でも出てしまった。1日でも早く課題をクリアしたいし、それ以上のものがないとよくならないと思っている。僕自身もそうだがもっとやるべきことがあるし、戦術をひとりひとりがもっと理解しなくてはならない。山口戦で僕が意識するのは、まずは守備。球際で負けず、僕が中盤で勝っていい攻撃に転じていけるようにしたい。
 
■DF 44 𠮷田真那斗
仙台戦から4バックの相手に対してあまり上手く戦えていない現状がある。そこに対して自分たちがどう対処するか。山口も前への矢印が強いが、その圧をどう逆手に取るか。取れる選手は揃っているので、コミュニケーションを取りながらプレーできれば、そんなに慌てることはないと思う。
 
相手が攻守に前への圧を強くしてくる中で、相手の土俵に乗らないことも、今節は大事になる。自分たちがボールを握る時間を作りたいというこれまでの試合の反省点もあるので、今節、上手くそこを生かすことが出来れば優位にゲームを動かすことが出来るし、自分たちのチャンスや得点に結びつけることが出来ると思う。昨季のアウェイでの対戦は、真夏でピッチコンディションがよくなかった。今節は雨のようだが、そのあたりにも柔軟に対応できるようにしておきたい。