今節も4バックの相手。前節の課題を克服してホーム2勝目を
今季初のアウェイゲームで今季初の4バックの相手との対戦が今季初黒星となった前節。ホームに帰ってきた今節は前節の課題を克服した姿を見せたい。
ゲームでは新たな戦力の組み合わせも
土曜開催の前節から日曜開催の今節へと、今週は準備期間が長いこともあり、チームはオフ明けから強度の高いトレーニングをこなした。ミーティングで前節の課題をフィードバックし、あらためて攻守それぞれに自分たちがどう戦うかを確認して共有。その体現に向けグラウンドでプレーする中で、敗戦からのリバウンドも完了している模様だ。
2日目の公開で行われたゲームは、4バックの相手を想定しながら細かくメンバーを入れ替えて行われた。これまでには見られなかった新たな組み合わせも試され、側から見ていても刺激的な内容だった。ポジション争いの活性化とともに、互いに影響を及ぼしあって、組織力を増幅させていきたい。
戦術のベースの上に選手起用で変化をつけていく戦い方がこれまでより際立っている印象の今季。トレーニング中には“控え組”に回っていた選手たちのプレーについて片野坂知宏監督が褒めたシーンもあり、対水戸を考慮して、どの戦力がチョイスされるのかが楽しみだ。
渡邉新太の駆け引きと両SHの仕掛けには要注意
ここまで1勝1分1敗と、勝点で並んでいる水戸。昨年5月から指揮を執る森直樹監督の戦術も浸透し、チームは堅守をベースとしたハードワーカー集団に仕上がっている。第1節はアウェイで磐田に2-3で敗れ、ホーム開幕の第2節は山形を1-0で下すと、前節もホームで愛媛に追いついて1-1で終わっている。
オーガナイズされた守備が最たる特長で、ここまでの失点はセットプレーが2点、PKが1点、クロスからが1点。新戦力の津久井匠海と山本隼大の両SHはともに180cmの長身で、単騎での仕掛けを得意としている。中央で駆け引きするのは昨季まで大分のキャプテンだった渡邉新太に草野侑己、また津久見市出身の安藤瑞季、久保征一郎とタレントが揃う。高校卒業から昨季まで大分で鍛錬した西川幸之介も、おそらく帯同してくるはずだ。
大分としては、4-4-2の相手に立ち位置だけで上回られた前節の課題がしっかりと修正できていることを示したい一戦だ。プレスがハマらなかった際の対応や選手間の距離など、確認すべきポイントもはっきりしている。隙のない水戸の守備を崩して3試合ぶりの得点を挙げ、勝点3を積みたい。
試合に向けての監督・選手コメント
■片野坂知宏監督
今節も4バックの相手。水戸さんも非常にアグレッシブで森監督の構築されたいいフットボールをしているので、ちょっと厄介な相手でもある。渡邉新太を含め勢いのある選手がいるので、後手に回らないようにしたい。前節は愛媛に引かれていてもチャンスを作っていた。個人の突破力もあるし崩す場面もあって、1-1のゲームだったが水戸の勝ちゲームのような印象が残った。われわれもホームでやる中で勝点を取りたいし、勝たなくてはならない。昨季もともに残留争いしたチーム同士だし、力の拮抗した相手に対してホームで3ポイントを挙げることは大事なので、しっかり準備していきたい。
仙台戦では点を取れなかったので得点することと、守備で2失点したのでその修正。水戸がやってくることを想定した中で、しっかりと仙台戦の課題を修正して勝点3を取れるゲームをしなくてはならない。
■MF 10 野村直輝
前節は相手に対策されてしまったが、ちゃんと分析してサッカーしてくる相手と対戦するとそうなってしまうのではないかということは、最初の2試合が終わった時点でチームメイトたちとも話していた。時間の問題だと思っていたので、早く課題が明確になってよかったと思っている。
いまのやり方で強度が出せるようになったところで、プラスアルファとして選手個々がもっと考えたり気を使えたり出来るようになっていけば、強い組織になれる。勢いだけでやらない、流れだけでやらないといったところが出来るように、ピッチに出ている選手たちと上手にコミュニケーションを取って伝えていきたい。
■DF 34 藤原優大
（渡邉新太について）ゴリゴリに見えて結構器用。相手をちゃんと見てサッカーをする。下りるところははっきり下りて嫌なポジションを取ってくるし、相手が前がかりになっていたら背後へといいランニングをしてくる。足元ばかりで前から行きやすいなと思っていたら背後に抜けられたりする。蹴られてラインがズルズル下がっているときにはいいところに立たれる。水戸戦のどこかで必ずキーになりうる選手。こちらが上回りたいし、点は取らせたくない。
デルランとペレイラのよさを自分が最大限に引き出せるようにしたい。自分の守備範囲が広がれば広がるほど、彼らの相手との距離も近くなって行きやすくなると思うので、それを仙台戦でも意識していたのだが、ボールにプレッシャーがかかっておらず球際で奪える場面が少なかったのが前節のいちばんの反省材料。相手が変えてきたのでこちらも準備してきたものを変えなくてはいけなかった。
■MF 38 天笠泰輝
最初の2試合は無失点で前節は2失点したが、あれは防げるものだった。これからの課題になったと思う。やはり失点するとなかなか勝てないので、次の試合は無失点で抑えたい。まずは守備からで、いい守備をいい攻撃へと繋げることがいちばんだと思う。守備の部分は積み上げてきていると思う。
今節も4バックの相手だが、守備のハメ方や味方同士の距離が悪くなったりするとどうしても90分の中で上手く行く時間帯が少なくなってしまう。まずは自分たちがどこで守備のスイッチを入れるか、どこで攻撃の起点を作るかというところを明確にしていくことで整理してやれるようになると思う。
