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今節の見どころ

今季初のアウェイ戦は昨季最終節に対戦した仙台と。初めてのスタジアムで勝利を目指す

 

昨季最終節にアウェイで挑み1-2で敗れた相手と、今季は初のアウェイゲームとなる第3節に対戦。ともに体制2シーズン目、手堅く戦っている両軍がぶつかり合う。

 

初めてのスタジアムで勝ちに行く

昨季最終節以来のアウェイ仙台戦で「つい先日感」が拭えなかったりもするのだが、今回はユアテックスタジアム仙台が芝の養生中ということで、キューアンドエースタジアムみやぎでの開催となる。大分がこのスタジアムで試合をするのは初めて。仙台市中心部から車で約40分という立地だけでなく、陸上トラックがあるなど構造的にも大きく異なる会場で、アウェイの環境や雰囲気がどうなるかが気になるところだ。
 
チームは開幕からのホーム2連戦で1勝1分。いずれも一体感のある組織的な戦いぶりによりクリーンシートで終えており、守備に関しては安定感がある。一方で攻撃面では試合運びを含めて改善すべき点も多い。引き続きトレーニングと実戦を重ねながら完成度を高めていくことになるが、課題について選手たちの矢印が同じ方向を指していることが、組織成熟への期待に繋がる。
 
日曜開催の前節から土曜開催の今節へは準備期間が短いこともあり、コーチ陣は効率的なトレーニングメニューを組んだ。メンバーもある程度固めている印象だったが、指揮官もポジション争いの活性化を望んでおり、今節、新たな戦力がメンバー入りするか否かも楽しみだ。週のスタート時点では負傷者が出ておらず、全員が揃って練習できていた。
 

攻撃のバリエーションが増えている仙台

昨季J2最終節に大分を下してJ1昇格プレーオフ参戦を決めた仙台。準決勝で長崎に4-0と大勝したが、決勝で岡山に0-2で敗れ、今季もJ2で戦うことになった。開幕戦はアウェイで鳥栖に1-0勝利。前節はやはりアウェイで徳島に0-1で敗れている。森山佳郎監督体制の2シーズン目ということもあり、戦術が浸透しているとともに、今季は戦力補強にも力を入れ、攻撃のバリエーションが増えている印象だ。ここまでの2試合では栃木から獲得した長身FWの宮崎鴻をターゲットにしつつ、スピードとコンビネーションが強みの、得意のサイド攻撃が際立った。浦和から新加入の武田英寿もゲームメイクで存在感を示している。
 
前節は徳島に対策されて前半は圧倒されたが、その後に選手交代で盛り返した。その流れもありつつ、アウェイ2連戦のあとの今節は今季初のホームゲームということもあり、森山監督がどのような戦い方を選んでくるかもポイントになる。同様に今季初のアウェイゲームに臨む片野坂監督も、これまでの2戦とは異なる4バックの相手に対し、どう仕掛けていくかを楽しみに見守りたい。
 

試合に向けての監督・選手コメント

■片野坂知宏監督
仙台さんとはシステム上のズレが生じるので、それをどちらが有効に主導権を持って進められるか。仙台さんは手堅いチームで、全員がしっかりオーガナイズされてサボらずにハードワークしてくるので、一瞬でも隙を作るとそういうところを突かれる。われわれもハードワークはもちろん切り替えや、相手の戦い方をちゃんと理解した中で対応しなくてはならない。
 
仙台さんにとっては今節は開幕戦なのでたくさんサポーターが来るだろうし期待もしているはず。アウェイの仙台戦はいつもアウェイ感があってやりづらさがある。そういう中でも自分たちが準備してきたものをしっかりと出したい。今回は陸上トラックがあるスタジアムなので、普段のユアテックスタジアム仙台とはまた全然違う雰囲気になると思うが、この2戦は選手がすごく集中して戦ってくれているので、仙台戦でも同様にそういうものを出せれば勝機はあるかと思う。
 
■FW 39 有働夢叶
前節はいわきがどういうサッカーをしてくるかがわかっていて、やり合いになると思っていた中で、(𠮷田)真那斗くんが競り勝ってくれると思っていたので、自分の特長である背後を狙うアクションを継続していた。個人的に決定機が2本くらいあった中で自分が決めきっていれば、前半からもうちょっとチームとしてボールを持つ時間を増やしていけたのになと思う。
 
僕個人は実はアウェイゲームも得意。大学時代からアウェイで得点することも多かった。ホームのサポーターの前で得点するのは最高だが、アウェイで相手チームのサポーターを沈黙させるのも快感。シュートに関しては、GKとの駆け引きでもいいところに蹴る自信がある。やはり足を振らないと何も起きないので、FWとして、そこに対する意識は高く持っている。またサポーターと一緒に喜びあいたい。
 
■MF16 茂平
前節のいわき戦では大西選手が脇に抜けてくるので面倒だったが、守備は冷静にマークの受け渡しや対応が出来たと思う。攻撃は右サイドが槍タイプなので自分のサイドは張り切りすぎないようにしようとバランスを意識して時間を作った。
 
仙台は昨季最終節も郷家選手と真瀬選手で嫌なロールをしていたので、デルランにしっかり指示を出したい。ここまで2試合の相手はシンプルだったので、デルランの長所がよく出ていた。仙台は4-4-2で人もボールも複雑に動いてくるので、しっかり連係を取ってやりたい。怖いのはやはりサイドで、相手SBが上がってきての対角のボールなどが警戒ポイントになる。