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今節の見どころ

狙うは開幕2連勝。いわきのハードワークに粘り強く対応しつつ落ち着いて仕留めたい

 

開幕からホーム2連戦の、今節は2戦目。前節の札幌とはまったく異なるスタイルのいわきを、クラサスドーム大分に迎える。

 

前節とは異なるスタイルの相手

前節はJ1からの降格組である札幌に対し、苦しい時間帯を粘り強く乗り切ると戦術的修正を施して流れを引き寄せ、セットプレーのこぼれ球から2得点。相手に追撃を許さず最後まで前への矢印を描き続けてクリーンシートで終え、今季最初の試合で好スタートを切った。
 
ホーム連戦となる今節にも、その勢いを繋げたいところ。迎える相手は、前節の札幌とは全く異なるスタイルのいわきだ。激しいプレッシング、怒涛のように繰り出す攻撃、積極的にゴールを狙う姿勢を最大の特長とする相手に対し、チームがどのように戦うのかが注目される。
 
前節はメンバー外だった選手たちもコンディションを上げており、片野坂知宏監督の選択肢の幅も拡大。「プレシーズンからいいパフォーマンスを続けていた選手もいるし、前節出場したメンバーもいいプレーをしていた」と話しつつ、今週のトレーニングではさまざまに組み合わせを変えながらゲームを行っていた。
 

前への意識をさらに高めているいわき

アグレッシブにハードワークする独自のスタイルを貫くいわきは、今季がJ2での3年目。田村雄三監督の戦術も浸透しつつ、サッカー界全体でプレー強度が高まっていることも受けてか、このプレシーズンには昨季まで以上にフィジカル強化に取り組んだという。
 
開幕の前節はホーム・ハワイアンスタジアムいわきに千葉を迎え、圧倒的に攻め続けながら0-2で敗れた。強風に晒された難しいゲームではあったが、風上に立った前半から決定機を逃し続けるうちにPK献上から先制を許し、後半も追撃しながら失点。18本のシュートむなしく無得点かつ4本の被シュートで2失点と、明確な課題が噴出した。
 
とは言っても、展開としてはほとんどの時間帯で千葉を圧倒し続けており、強度の高さや勢いは満点。谷村海那と熊田直紀の2トップに、昨季まではボランチを主戦場としていた大西悠介と新戦力の鵜木郁哉の2シャドーと、前線の面々も脅威的だ。千葉戦は攻撃時3-5-2、守備時4-4-2と可変していたが、3バックシステムの大分に対してどのような立ち位置を取るかも注目される。
 
大分に求められるのは前節同様、粘り強い対応。相手の勢いを受けることなく落ち着いてスペースを突いていきたい。天笠泰輝の冷静なゲームコントロールがカギを握る。昨季までいわきでプレーしていた有馬幸太郎の2戦連続ゴールにも期待したい。前節、攻撃を牽引したエースが恩返し弾を突き刺してくれるか。
 

試合に向けての監督・選手コメント

■片野坂知宏監督
いわきは開幕戦をホームで千葉に0-2で負けたが、内容的には負けるような試合ではなかった。やはりいわきは全員がハードワークし、みんなが献身性をもってチームの勝利のために走ってくるチーム。守備は人に強く、攻撃は前に前にと追い越してくる。個人のバトルを含めて受けに回らないようにしなくてはならない。札幌戦同様、個人のところで負けずチームとしても合わせて戦うことが大事になる。
 
いわきの守備は基本、人に強く出てくる。攻撃は前線に、去年はアリ(有馬幸太郎)がいたところに熊田くんがいて、谷村くんと迫力ある2トップを形成している。2列目、3列目がスピードがあって絡んでくるので、そこで後手に回ったり数的優位を作られたりすると危ないのでちゃんと対応しつつ、われわれらしく粘り強く戦いたい。札幌戦もピンチになってもみんなで体を張って防いだし、守備のところでも切らさずやっていた。攻撃も速いところと動かすところを判断しながらやってくれていた。いわき戦や今後に向けてもそれに尽きる。
 
■FW 9 有馬幸太郎
開幕戦は勝ててよかったし、自分もゴールを決めたので、チームとしても個人としてもいいスタートを切れた。ただ、内容を見ると、前半のカウンターで仕留められていたら展開も変わっていたと思うし、まだまだ改善の余地がある。自分としてももう1本決められるシーンがあったので、しっかり仕留めていきたい。
 
今節は古巣との対戦で楽しみ。負けたくない。相手はマンツーマン気味に前からハメてくるので、相手の強みとするフィジカルや1対1の局面の部分で負けてしまうと難しくなってくる。ハードワークは大前提。
 
田村監督は自分たちと相手の強みと弱みを照らし合わせ、上手く相手の嫌がるところを突いていく。千葉戦は圧倒的に攻めながら相手に少ないチャンスを決められて0-2で負けていたが、内容ややっていることはよかったと思うので、そこは継続しつつ、最後の質のところを意識して練習してくると思う。
 
■MF 38 天笠泰輝
今季のいわきは、いままでよりさらに前に強く速くなっているイメージ。そのスタイルがより際立っているので、そこを抑えつつ、相手の強みを逆手に取って、空いてくるスペースを突きながら、楽しんでプレーしたい。
 
いわきに対していわきと同じサッカーをしてはダメだと思う。札幌戦もそうだったが、もっとボールを落ち着かせてプレーしないと1年通して戦うのは厳しい。キヨさん(清武弘嗣)がピッチに入ってくるとやはりめちゃくちゃ安心感があり、僕自身も気が楽になった。札幌戦は僕たちも速く攻めないとスペースがすぐに埋まってしまうと思って速く攻めていたが、いわきは逆にスペースを与えてくれるスタイルなので、急がずに相手が前に出てきたところで攻略したい。セカンドボールからやらせなければ大丈夫なので、僕自身が中盤でいわきの選手より先にボールを拾い、体を当てていくことがカギになる。そこを意識して戦いたい。
 
ボールホルダーに対する守備が曖昧になると枚数をかけて攻撃され、マークにつけずにやられてしまうことになると思うので、僕らが引いたときにはクロスを上げる選手にどれだけプレッシャーをかけられるかが大事。それが出来れば逆にバックパスさせて、こちらがどんどん前に出て取ったときにカウンターという場面も出てくると思う。難しいが、試合に出ている選手が声をかけあってやりたい。