残留確定して臨むホーム最終戦。不甲斐なかった今季を勝利で締めくくりたい
前節の結果をもってJ2残留が確定。順位も愛媛と入れ替わり16位となった。なかなか波に乗れず残留争いの崖っぷちにまで追い込まれた今季。不甲斐なさを払拭するように、今季最後のホームを勝利で終えたい。
緩まず今季ホーム4勝目を
前節の秋田戦は、リスクを負わず手数をかけずに前線に配球するなど徹底した戦法の下、明確なタスクにより攻守に一体感の感じられる試合となった。本来は秋田が得意とする戦い方だったが、ベース部分でその相手を上回り、多くの時間帯で優勢に進めると、2-0で勝利。18位の栃木が清水に0-1で敗れたため、2試合を残して大分のJ2残留が確定した。
残留のために前々節の水戸戦から採用した、割り切った戦法もこれまで。今節はおそらく、本来チームが目指すスタイルに近いかたちで、対群馬戦術が落とし込まれたと思われる。
11月1日には西山哲平GMの退任が、続く2日にはレジェンド梅崎司の退団が、クラブから公式にリリースされた。2人をいいかたちで送り出すためにも、今節は会心の勝利をものにしたい。片野坂知宏監督は残留を決めたことによる気の緩みがないよう、選手たちにハッパをかけた。
新たな戦術を浸透中の群馬
第33節に大分が藤枝に勝利したことで、6試合を残して6シーズンぶりのJ3降格が決定した群馬。昨季の好調が嘘のように第11節以降は最下位を脱出できず、第15節からは大槻毅監督に代わり武藤覚監督体制へと切り替えたが、ここまで3勝9分24敗と、不本意な戦績となっている。
現在も7戦未勝利だが、チームは現在、相手によって可変するシステムを採用した新たな戦術を浸透中。前節は今季かぎりで現役引退する細貝萌を先発に据えて今季ホーム2勝目を期した。ポゼッションを得意とする徳島に対し、アグレッシブな守備を控えて4枚のブロックを構えるとカウンターチャンスを狙ったが、得点できず、CKとクロスから2失点して0-2で敗れている。
今節はその可変システムのキーマンでもある中塩大貴が出場停止。最終ラインの顔ぶれが不透明で、戦い方も予想しづらい。大分としては相手を見ながら攻守に繋がりを持って臨機応変にプレーする力が問われることになる。今季のチームのポテンシャルを最大限に引き出して戦いたい。
試合に向けての監督・選手コメント
■片野坂知宏監督
群馬さんは守備と攻撃で、われわれがどう出るかによって、守備も合わせてくるのかどうか。相手の振る舞いも見なくてはならない。秋田戦とは全く異なる戦い方になる。
残留は決まったが、今節に向けて選手の意欲をまた引き出さなくてはならない。これまでと変わらずに競争があることを前提にトレーニングでもプレーしてもらった。普段はあまりやらない組み合わせなども試した中で、選手たちがどのようにプレーするかを見極めた。
自分たちの良さを出し、相手の良さを出させずに、どれだけ主導権を持って展開できるか。残留争いのプレッシャーから解放されても、やはり勝ちにこだわる姿勢は損なってほしくない。ホーム最終戦で勝たなくてはならないので、どれだけアグレッシブにチャレンジしてくれるか、トライさせたい。
自分たちのフェーズを合わせつつ、チームとしての約束事を遂行しながら自分の長所を出して勝ちにこだわってもらいたい。
■FW 11 渡邉新太
今季はあまりチームとしての積み上げが出来ず、残留するのが精一杯というかたちになった。怪我人が多く出たこともあるが、選手にはもっとプロとしてのメンタリティーや立ち居振る舞いを求めたい。チームとしても若い選手が多く、経験値の高い選手が少なかったこともあったが、矢印を自分たちに向けるならば、練習に対する姿勢や、上手くなりたいという意識がもっとあるべきだったと思っている。残留は確定したが、残る2試合もチームとして、すべてにおいて基準を落とすことなくやっていきたい。