残留争い正念場。中断期間の成果を水戸戦の勝利へと結実させよ
残り4試合にしてJ3降格圏と勝点5差。ヒリヒリする生き残りレースが続く中、チームは中断期間の成果を、まずは今節の水戸戦にぶつける。
残留争いラストスパートへと集中を高める
手痛い3連敗ののちに目標をJ2残留へと明確に切り替え、第32節の横浜FC戦からは5-4-1のミドルブロックから好機を狙う戦法を採用したチーム。それが奏功してその試合では優勝争い中の横浜FCをシュート3本に抑え、連勝を5でストップして勝点1を掴んだ。
続く第33節の藤枝戦も、隙なく張り巡らせた守備網で相手の超攻撃的スタイルを粘り強く封じると、隙を突いてカウンターを仕掛け、相手の退場も誘って2-0で7試合ぶりに勝利。完封勝利は10試合ぶりだった。
その手応えを繋げたかった第34節・長崎戦。だが、柿落としを迎えたピーススタジアムの雰囲気に圧倒されたり、まだ根づいていない芝にプレー精度を削られたりして、本来のポテンシャルを発揮できず。それでも粘り強く耐えたかったところだが、イージーなミスの連発により1-4で敗れる結果となった。
前節、18位・栃木が勝点1を積むにとどまったため、J3降格圏との勝点差は5だ。この状況で迎えた2週間の中断期間に、片野坂知宏監督はあらためて残り4試合での戦い方を整理し、選手たちに落とし込んだ。今週からは週の2日目以降のトレーニングをすべて非公開とし、サッカーに集中。残留争いラストスパートへと態勢を整えている。
水戸はメンバーを入れ替えてくる可能性も
水戸は現在、10勝10分14敗の勝点40で15位。大分との前回対戦は第14節から指揮を執る森直樹監督(第14節は暫定監督)の3試合目で、1-1のドローだった。その後は勝ったり負けたりを繰り返しながら下位で燻っていたが、第27節から熊本・群馬・愛媛に3連勝して一気に浮上。その次の千葉戦では0-4で敗れ、続く栃木戦には2-3で競り勝って、第32節からは岡山に引き分け、鹿児島に負け、清水に引き分けと3戦白星から遠ざかっている。
オーガナイズされた守備とタレントの力を生かした攻撃でチームとしての積み上げを感じさせる水戸だが、この中断期間にはトレーニングマッチを通じてあらためて戦力を見極め、メンバーを入れ替えてくる可能性も考えられる。降格圏とは勝点9差でほぼ安全圏とは言えるものの、一試合でも早く残留を確定したいはずだ。
両チームの状況的に、結果にこだわる戦いが繰り広げられることは間違いない。隙なく守り、チャンスを仕留めきるほうが勝利を掴む世界。前節のようなミスはもったいない自滅に繋がるが、ミスを恐れて萎縮すればさらに勝点から遠ざかる。残留への執着心をあらわに、持てる力を精一杯ぶつけたい。
試合に向けての監督・選手コメント
■片野坂知宏監督
トレーニングに集中するために非公開の日を増やしたが、選手たちにも残り4試合がすごく大事だと伝えたかったのと、僕自身もトレーニングに集中したいというのもある。ここからの試合に向け、選手のメンタリティーを含めて集中させることが大事になる。
シーズンもここまで大詰めになっているし、いままでやってきたことと違うことはやらないほうがいいと思う。ただ、勝点を取るため得点を取るため守り切るためというふうに、90分の中で試合の状況は変わると思うので、その状況の中で戦い方を合わせていくのも大事。そのためのメンバーや戦術の変更を含めて、合わせてやるようにしたい。ピッチに立っている選手が迷わずに個人のパフォーマンスを出せたり近い選手とのユニットの関係を築いたりできるようにしていく。
水戸は守備ではよく合わせてプレスをかけてくるし、攻撃ではボールを持てる。前線の1トップ2シャドーにもタレントがいて、若い選手も出てきている。隙のないチームで献身的に全員でハードワークして粘り強く戦ってくるので、一瞬の隙を突かれないように、われわれも水戸に対してアグレッシブに戦えるようにしたい。長崎戦ではいい入りができず、自分たちから失点を招いたので、そういうことのないようにしたい。
■DF 2 香川勇気
中断期間にやるべきことがはっきりと提示があった中で、選手たちも理解して取り組んでいる。全員でハードワークすることが大事。カタさんも「肉弾戦」だと言っていた。今節、栃木が勝利したとしてもうちが勝てば勝点差は縮まらない。今節勝つか否かで状況はだいぶ変わってくるのではないか。
中断期間は前への意識を強めに向けたトレーニングが多かった。ここ数試合よりも前に向かう姿勢を強く意識した。前節は残念なかたちで敗れたが、残り4試合になっても勝点を取って残留するという目標は変わっていないので、次に向けてしっかり勝つことが鍵になる。
残留という明確な目標がある中で、栃木が勝ってもうちが勝てば問題ない。まずは今節の水戸戦で必ず勝点を取ることを目指したい。