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今節の見どころ

不本意だったホーム2連敗後、今節からはアウェイ2連戦。まずは徳島へ乗り込む

 

今節からはアウェイ2連戦。出場停止とそこからの復帰によりメンバー変更が必至となる中で、そのことによりもたらされる変化を見守りたい一戦だ。

 

ブラウンノアと青木が不在の徳島だが…

ホーム連戦を不本意にも2連敗で終え、今節からはアウェイ2連戦。やはり好調の相手との対戦が続く。その1戦目となる今節は、11勝6分12敗の勝点39で12位の徳島だ。
 
徳島は台風の影響で中止になった第29節・清水戦が18日に開催されるため、今節は中3日・中3日でのホーム3連戦の初戦となる。
 
シーズン序盤はなかなか勝点を詰めず低迷していた徳島だが、第8節から指揮を執る増田功作監督の下、徐々に戦術を浸透させ、第21節の水戸戦に勝利すると次の長崎戦は引き分けたが、その次から甲府、仙台、愛媛に3連勝。その後は好調の山形、岡山、横浜FCに負け、分け、負けと来て前節はアウェイで山口と対戦すると、立ち上がりからボールを握って相手を苦しめる展開に。28分に渡大生が豪快なミドルシュート先制点を挙げ、後半開始早々にもPKで追加点を奪ったが、57分に青木駿人が一発退場となってからは相手の流れに傾く。相手の猛追に1点を返されたが、その後は左右から送り込まれるクロスを跳ね返し、逃げ切って勝利している。
 
おそらく今節も徳島は、大分のビルドアップを阻みつつボールを動かして主導権を握ることだろう。青木に加えてブラウンノア賢信も出場停止で、攻守の要を欠いての臨戦となる中、布陣の構成が気になるところだ。
 

出場選手の変化によってもたらされるものは

一方でこちらは香川勇気が出場停止。代わって野嶽惇也とペレイラが出場停止明けで戻ってくる。前節、前半終盤に負傷交代を余儀なくされた伊佐耕平の出場は難しそうで、おそらく鮎川峻が前節途中から引き続き、1トップの位置に入ると思われる。
 
長い負傷からの復帰後、これまではシャドーやサイドで起用されてきた鮎川だが、実は最前線を本職とするプレーヤー。前節、アクシデントにより伊佐と交代してピッチに入ってからは、周囲とのコンビネーションを築きながら巧みに攻撃を牽引した。長沢駿と渡邉新太に続き伊佐までもが負傷離脱する中で、これまでの1トップメンバーとは異なるテイストを醸し出してくれそうだ。また、同じく復帰組で前節途中から出場した屋敷優成も、トレーニングマッチ・宮崎産業経営大学戦でハットトリック。今後への期待が高まる。
 
今節から古巣と2連戦となる野村直輝は、チームが上手くいかない中でも個人技でボールを収め攻撃を形作る役割を務めてきた。そのため相手からのマークが厳しくなり、特に前々節の千葉戦ではマンマークをつけられたことで、ボールを前進させられなくなってしまった。相手が野村のマークに集中した際に周囲がどのように動けるかが試される。
 
目標をJ2残留に切り替えたチームだが、残り試合数が少ないこともあって戦い方そのものを大きく転換することはなく、精度と強度の向上を目指し勝点を取りに行く。その中で、これまでいなかったタイプの鮎川が頂点を務めること、そして他の人選や配置によってももたらされるものが、チームをどう変化させていくかにも注目される。
 

試合に向けての監督・選手コメント

■片野坂知宏監督
 
戦績の責任は自分にあるので、まず監督としてこういう状況になっていることが非常に悔しい。ホームで2勝しか出来ていない現実は、あってはならないことだと思う。ここまで、わたし自身がやりたいフットボールにトライする中で90分のマネジメントで足りないことがあり、怪我人が多くなって、やりたいフットボールを実現することが難しくなった。
 
そういう中でメンバー変更や戦術変更を行ったが、なかなか上手くいかなかった。数字で見ると得点力が足りない。勝つためには得点しなくてはならない中、なんとかチャンスを作りたい。つねにトレーニングから戦術遂行やクオリティーを求めたが、なかなか結果に繋がらなかった。
 
これまでもそうだが、勝つサッカーをするために、選手とわたしを含めたスタッフが一丸となる。どれだけ泥臭くても、勝利に向けて選手には表現してもらいたいし、わたし自身も選手が躍動するように、前向きな気持ちでサッカーに向き合いプレーさせることが大事だと思っている。前節は10人になってからも決定機を複数回作っていたことはポジティブだと、選手には伝えた。
 
残留を目標に、目の前の試合、次は徳島戦で勝つ試合が出来るように準備していく。選手が迷いなく思い切ってプレーできることが大前提として大事になるので、やるべきことをわたし自身でもっと明確にし、選手が躍動しながらトライできるようにして、勝つゲームをしたい。
 
■MF 26 保田堅心
 
自分はこのクラブに育ててもらったし、いまプロとしてやっていけているのもこのクラブあってこそなので、もちろんJ1に昇格させたい。今季もまだ数字上は可能性がわずかに残っているが、現実的にはJ2残留へと目標が切り替わった中で、ひとつでも上の順位で終わりたい。大分はJ3に落ちるべきチームではない。
 
選手ミーティングでも話したが、「若い選手はこれからがあるから」とか「来季はどこでプレーするかわからないから」とかではなく、いまここにいる選手として力を尽くしたい。自分はユースから大分に在籍してきたぶん、思いは人一倍強いつもり。必ず、自分がひとつでも上の順位に導きたい。
 
(決定機で焦ってしまう場面が続いたが)思わず力が入ってしまっていた。ああなったらもう力は必要ないので、練習でも意識しているのだが、どうしても公式戦になると気持ちが前に前にと行ってしまう。チャンスを作ったらゴール前で冷静になって、決め切りたい。