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今節の見どころ

連敗は絶対ダメ。調子を上げている山形を迎え踏ん張りどころ

 

前節の千葉に続き今節も山形と、好調の相手が続く。両ゴール前を司るメンバーに怪我人が多発している中、今節はペレイラも不在と厳しい状況だが、もう下位に沈んだままでいるわけにはいかない。

 

野嶽&ペレイラ不在。どう戦うか

前節・千葉戦が内容的にも残念な敗戦となったことを受け、オフ明けにはキャプテン渡邉新太と最年長・梅崎司が主導して選手ミーティングを開くと、現在のチーム状況と残り試合の戦い方について、あらためて意思統一を図った。片野坂知宏監督からも勝つために必要なことや戦術的な提示が行われたという。
 
西山哲平GMは「選手たちにどこまで提示するかが難しいところだと思う」と指揮官の苦労を分析。「指示し過ぎればそれしか出来なくなるし、選手が自由に動けるようにと提示を控えめにすれば選手たちは指示を欲しがる」。負傷や出場停止によりメンバーが入れ替わり立ち替わりする中で、その匙加減にも頭を悩ませているようだ。
 
今節は前節に続き野嶽惇也が出場停止なのに加え、右CBとして広範囲の守備をカバーし攻撃にも積極参加してきたペレイラが累積警告により不在。CFと最終ラインに負傷者が多い中、その穴をどう埋めるかが注目ポイントとなる。
 
前節の千葉に続き今節対戦する山形も、4バックシステムでサイドの攻防が大きなカギを握る相手。前節噴出した課題を克服するために、トレーニングでもサイド攻撃とクロス対応がフォーカスされた。
 

レレと聖真の加入でクオリティー向上の山形

山形は前節、優勝争い中の横浜FCに逆転負けこそしたものの、その前までは徳島、長崎、藤枝に3連勝とめきめきと調子を上げ、前半戦の取りこぼしぶんを急ピッチで挽回中だ。
 
特に戦術的に変化したわけではないが、今夏の補強がハマり、特に頂点のディサロ燦シルヴァーノとトップ下・土居聖真が、めざましく攻撃のクオリティーを向上。周囲も化学変化を起こすようにフィニッシュの精度が高まっている。
 
前節は負傷でメンバー外だったディサロも今節は復帰予定。高橋潤哉も合流している模様で、攻撃陣は充実している。流動的に動いてゲームを組み立てる國分伸太郎、昨季レゾナックドーム大分で途中出場し殊勲の決勝弾を挙げた後藤優介の2人のアカデミーOBも活躍中だ。
 
現状の選手層や勢いで優る山形との戦いは、厳しくなることが予想されるが、これ以上残留争いに巻き込まれないためにも踏ん張りたいところ。選手たちには意地を見せてもらいたい。
 

試合に向けての監督・選手コメント

■片野坂知宏監督
 
山形にもまたサイドにスピードのある攻撃的な選手がいるし、ゴール前にもクオリティーの高い選手がいる。千葉戦でもクロスから失点に繋がっているし、ゴール前の対応を含め、よりしっかりと守れるようにしなくてはならない。攻撃の部分でも得点のひとつの手段としてサイド攻撃があるので、そのクオリティーを高められるよう刺激を入れてトレーニングした。中に入る選手やクロスを上げる位置も考えなくてはならない。ただシンプルに上げても難しさがあるので、どこまで運びどう得点に繋げるかは、出ている選手の関係の中でトライしてもらいたい。
 
今節は(野嶽)惇也もペレイラも出場停止。怪我人が多い中で誰をメンバーに選ぶのか、またスタッフと一緒に考えたい。攻撃では前にボールを入れていかないと怖さが出せないし、ゴール方向に向かわないと得点も出来ない。CFに怪我人が多く点を取るところでタレントがいないのがキツいが、2列目のメンバーは怪我から復帰してきているので、そういう選手をどう使うかがカギになる。
 
■DF 44 吉田真那斗
 
もう残り9試合しかない中で、やることは変わらないし、勝つこと以外は考えていない。次の試合に向けて切り替えてやっていくしかないと、自分の中で切り替えて今週のトレーニングをスタートした。
 
チームとして若干、後ろ体重になり過ぎている部分があると感じている。後ろで繋ぐのはいいのだが、繋ぐだけになってしまっている感じがするので、伊佐くんのところに入ったあとのサポートなど、上手くシャドーにつけられるようになれば、もっといい形で自分たちのサッカーが出来るはず。そこにつけるまでをどうするか。前節はあまり上手く行かなかったが、悲観し過ぎず思い切って前にチャレンジしていかなくてはならない。
 
どういう形で崩したいかというところの、近くのグループでの意図は合ってきている。あとはもっと大きなところでの繋がりが大事。近くばかりになってしまっているので、ひとつ大きくサイドチェンジしたりCBから思い切ってシャドーに縦パスをつけたりが出来れば、いい形で大悟くんも生きるし、(保田)堅心も前向きでボールを持てば推進力があっていい選手なので、1人で打開するというよりは前向きでサポートして崩しに行くことが出来れば、もっと攻撃に厚みが出てチャンスに繋がると思う。
 
■DF 25 安藤智哉
 
前節はもっと後ろから配球しなくてはならなかったし、もっと怖いところにボールを運ばなくてはならなかった。あとは2失点目の場面。何もトライできずに失点してしまったことで、ゲームを難しくしてしまった。もっと思い切ってチャレンジしていきたい。
 
ミーティングで選手個人個人が話をした。選手間でもっと高いレベルで要求しあっていかないと良くなっていかないし、闘うところを出さなくてはいかない。千葉戦後にサポーターから叱咤激励を受けたが、本当にそのとおりだと真摯に受け止めて、結果を出すしかない。ネガティブになり過ぎず、このミーティングをやってよかったと言えるように結果に繋げていく。
 
今節もまずは失点しないことが大事。失点すると難しいゲームになってしまう。強く要求していかないとこのままズルズル行ってしまう。もっと自分が責任を持って周囲に求めていく。目の前の1試合、目の前の相手に勝っていく。言うのは簡単だがそれをピッチで表現しないと勝てるゲームは1試合もない。