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今節の見どころ

前節の手応えを今節は勝利に。台風のなか九州入りした千葉を迎える

 

タイトな3連戦のラストに攻撃の課題克服への手応えを得た大分と、前節に6試合ぶりの白星を挙げた千葉。台風に掻き回された準備期間を経て、底力を出したい対戦へと向かう。

 

台風と睨み合いながら千葉は前倒しで移動

九州上陸前から「過去最強クラス」と警戒された台風10号。スピードが遅くルートも読みづらいことから、試合開催の可否を含め、さまざまな判断を強いられる1週間となった。J1では31日開催の4試合が、J2では1試合が中止に。アウェイ広島戦に向け試合の2日前に新幹線移動を試みたFC東京が車内で7時間の缶詰状態を強いられ、敵地入りが翌日にずれ込むなど、大きなアクシデントも発生した。
 
アウェイでの戦いは公式戦4試合ぶりとなる千葉も今節に向けて日程を前倒し。予定よりかなり早めの移動を敢行して九州入りしたことで、無事に試合が開催できる運びとなった。チームにとっては通常なら1泊2日で済むところを長期間の遠征となったが、関係者の素早い判断に感謝したい。
 
大分はオフ明けの28日には風雨の中で公開トレーニングを行ったが、29日と30日は公開および一部公開予定をいずれも非公開に。こちらも予定していたのとは異なる準備期間を過ごすことになった。
 
互いに台風に振り回された1週間ではあったが、こんな状況だからこそ、チームの底力が問われる。
 

前節の手応えを勝点3に結びつけたい

大分はリーグ前々節・アウェイ愛媛戦、天皇杯4回戦・京都戦、リーグ前節・アウェイ岡山戦と、それぞれ中2日でのタイトな3連戦を乗り越えたばかり。痛恨の逆転負けを喫した愛媛戦に続く天皇杯には先発9人を入れ替えて臨み、J1との地力の差を痛感する敗戦となったが、岡山戦ではミラーゲームで多くの時間を優勢に進め、複数の濃厚な決定機を築いて、ここ最近の攻撃の課題克服へと大きな手応えを得た感があった。
 
ただ、そんな前節も相手守護神のファインセーブなどリーグ2位の堅守に阻まれてスコアレスドロー。今節は前節の手応えを、なんとしても勝点3に結びつけたい。サイドの攻防がカギを握ることになる今節と次節は野嶽惇也が出場停止で、その穴をどう埋めるかが、まずは気になるところ。前節、脳震盪疑いで途中交代した中川寛斗の出場可否も、チームの戦い方を左右しそうだ。
 
千葉は第23節から清水・熊本・横浜FCに3連敗、第26節は岡山と0-0で連敗は止めたが、第27節にはいわきに敗れて5戦未勝利。タレントたちを揃え高い攻撃力を誇る千葉がその間は1点しか取れず、5試合で9失点と苦しんだが、メンバーを大幅に変更した前節はエース・小森飛絢が2得点で復活。4-2で仙台を下し、再浮上への手がかりを掴んでいる。
 
高い個の能力を誇る選手層も厚く、今節のメンバーも読みづらいが、大分としては相手のウィークポイントを的確に突いて得点を狙いたい。ホーム連戦の1戦目、目指すのは白星だ。
 

試合に向けての監督・選手コメント

■片野坂知宏監督
 
台風は30日の午前中に最接近するようだが、様子を見ながらトレーニングする予定にしている。雨と風の影響がどれだけあるか、ピッチコンディションがどうかを見て臨機応変に行いたい。(野嶽)惇也が2試合出場停止となり、その相手が千葉と山形というサイドの対応が大事になるチームなので、サイドの人材がいないのは痛い。強い4バックの相手が続くので、この2試合はわれわれがどう振る舞ってどう勝つゲームが出来るかを試されることになる。
 
千葉さんは前線にスピードがあるタレントがいるし、小森くんも調子を上げて、横山くんもいる。両ウィングも推進力とスピードがあり、そのへんに自由を与えて仕事をさせたくない。自分たちが守備で奪いどころを定めるのと、対応で後手に回らないことが大事。中盤もセカンドボールや球際を含め、しっかり対応したい。
 
■FW 29 宇津元伸弥
 
(今節は野嶽選手が出場停止だが)カタさん(片野坂知宏監督)が僕を起用してくれるのであれば、自分なりの特長を生かしながらしっかり千葉に対応したい。後ろが香川くんならコミュニケーションを取りやすいし、デルランならば裏抜けを狙いやすい。2人それぞれの特長に合わせながらプレーしたいと考えている。
 
上位のチームともそれほど勝点差が開いてはいないので、1試合勝てばちょっと上がる。そういう意味で、僕自身はあまり下を気にせず、上だけを見て試合に臨んで、ひとつでも順位を上げられるようにということだけを意識している。
 
■FW 21 鮎川峻
 
怪我から復帰した後、コンディションは上がっている。ほぼほぼ思いどおりに体が動くようになってきた。(ポジション争いも激しくなってきたが)シャドーにもそれぞれにタイプがある中で、自分はFWタイプだと思っているので、頂点の選手とより近くで関わりながら結果を残さなくてはならないと考えている。対戦相手はあまり関係なく自分の特長を多く出していきたい。
 
出場メンバーが試合ごとに変わっていく中で、自分たちはつねにアドリブでプレーしていかなくてはならない。そこは変わらずピッチの中で解決していかなくてはならない部分。中にはアドリブの得意でない選手もいるが、それぞれの特長をより生かしていくためにも、そういうところもプラスに転じていくことが大事になる。
 

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