中断前最後の試合は強豪・清水と。公式戦2連勝の勢いを繋げ
公式戦2連勝して迎える、前回対戦リベンジのチャンス。相手は多くのタレントを擁し3位につける清水だが、こちらも上り調子で勢いがある。
見える復調の兆し
6日、前節のいわき戦で10戦ぶりの勝利を遂げたチームは、10日の天皇杯3回戦・川崎F戦も3-1で快勝。公式戦2連勝で復調の兆しを見せている。
いわき戦は立ち上がりこそ巧みに前進したものの、徐々に相手の守備の修正やインテンシティーの高さによって苦しい展開を強いられるようになったが、押し込まれながらも無失点で進める粘り強い対応と狙いを表現しようとする挑戦の継続が、90+2分のキム・ヒョンウ初ゴールによる劇的勝利を生み出した。川崎F戦もテクニックの高い相手の攻撃に一体感のある守備で対応し、戦況を見て戦い方を変えながら61分の先制点で流れを引き寄せると63分に追加点、78分にPKによるダメ押し点。前年度天皇杯王者を撃破した。
前々節の甲府戦からシステムを3-5-2に変え、チームとしての狙いや選手個々のタスクを明確化したことがこの内容と結果に繋がっていると片野坂知宏監督は話す。ポジションとタスク、そこに配置した選手の特長が上手く噛み合い、グループでのコンビネーションや組織全体の共通意識が育っている様子が見えた。
いわき戦から先発8名を入れ替えた川崎F戦では茂平、野嶽惇也が負傷から復帰して先発。先制弾の松尾勇佑も2ヶ月ぶりの出場でラッキーボーイ健在ぶりを示した。鮎川峻の今季初フル出場、保田堅心やペレイラの新たなポジションでの好調、佐藤丈晟や松岡颯人、デルランのフィットなど、好材料を多く得ている。負傷者が徐々に戻ってきたことで、指揮官のゲームプランニングや采配にも自由度が生まれはじめた。
清水はアウェイ4連敗中
そういった上向きの流れを、今節は結果に繋げたいところ。迎える相手は3位・清水。まだチームが成熟していなかった第4節、アウェイでの前回対戦では終始相手に圧倒され、何もさせてもらえずに濵田太郎の守備力に頼りながらなんとか0-2で収まったという試合だった。そこからの成長を示すチャレンジの時が来ている。
開幕からホーム・アイスタで無類の強さを誇っていた清水だが、天皇杯3回戦・京都戦は1-3で逆転負けを喫してホーム無敗記録が12でストップ。ただ、リーグ戦ではホーム連戦の前々節・岡山戦、前節・千葉戦と連勝中だ。一方、アウェイでは第16節・横浜FC戦、第18節・山口戦、第20節・愛媛戦、第21節・秋田戦と4連敗中。今節こそはその不名誉な記録を断ち切りに来るだろう。
前節は累積警告により出場停止だった乾貴士は天皇杯にフル出場。移動負荷の高いアウェイでの今節までにどれだけ回復しているかが気になるところだ。こちらも攻撃の幅を広げる力を持つ鮎川が今季初のフル出場からの中3日とあり、攻撃を牽引するそれぞれのキーマンの活躍に注目が集まる。
中断期間に入る前の最後のゲームでもあり、ここまで1勝のみにとどまっているホームでの勝利が切望されてもいる今節。勝利していい流れを継続しながら中断期間を迎え、今後の巻き返しへと歩を進めたい。
試合に向けての監督・選手コメント
■片野坂知宏監督
アウェイ清水戦はなかなか自分たちのフットボールを表現できず、日本平の独特の雰囲気にのまれた立ち上がりの中で失点して難しいゲームになった。攻撃でもなかなかチャンスを作れなかった。なんとか前回対戦よりもいいゲームが出来るのではないかというところで、選手に伝えながら勝つゲームをしたい。
前半の入りがすごく大事になる。清水さんは試合の入りから勢いのあるチームなので、その勢いにのまれないように入りをしっかりしないと、また難しいゲームになるかもしれない。逆にいい入りが出来れば自分たちのゲームに持っていけるのではないか。
■FW 21 鮎川峻
前回対戦は怪我で帯同できなかったが、DAZNで見ていて、かなり圧倒されたと感じた。何も出来なかったと思う。清水は攻撃もすごいが守備も強く、ジェラくん(住吉ジェラニレショーン)のところで潰されて起点を作れなかったのが前回対戦の苦戦の理由のひとつなので、気になるポイント。ジェラくんが出てこなかったら大きいのかなと思う。こちらはここ2試合、ボールを持てていい形で前進できているので、それを続けたい。
■MF 26 保田堅心
いまはチームもすごく雰囲気よく清水戦に向かえている。清水はひとりひとりのレベルが非常に高く、前回対戦では差を感じて負けた記憶がある。いま自分たちが積み上げているものが今節、どこまで通用するか。リーグ戦ではホームで勝てていないのはわかっているが、焦ってもいけないので、あまり意識し過ぎず、サポーターの期待に応えたい。
最近はトレーニングでやっていることが試合でよく出せていると思うし、自分たちが主導権をしっかり握れるよう、試合の流れを見ながらゲームを作っていくことが大事。失点しても崩れず90分やり続ければ、結果を出せる自信もあるしチームとしても行けるぞという雰囲気がある。