3年前の準決勝以来のマッチアップ。川崎Fをレゾドに迎える
2021年天皇杯準決勝以来の川崎F戦。あのときは策がハマって粘った大分が勝ち上がったが、今回は全く異なるシチュエーションでの対戦だ。
アユ復調、茂ベンチ入りなど好材料
6日に行われたJ2第23節Aいわき戦で、実に10試合ぶりの白星を挙げたチーム。大卒ルーキーであるキム・ヒョンウの90+2分に挙げたプロ初ゴールが決勝弾となり、ハワイアンズスタジアムいわきまで駆けつけたトリニータのサポーターたちと劇的勝利の歓喜を分かち合った。
第22節の甲府戦からシステムとメンバーを変え、それにともなって戦い方も変化した中で、苦しい時間帯をしのぎながらチャレンジの意識を貫いたことが、紙一重の結果を引き寄せた試合だった。相手の決定機が決まっていれば負けていた可能性も大いにある展開だったが、こちらも惜しい決定機を逃しており、今後の課題もそこになる。
プレシーズン負傷から復帰した鮎川峻も徐々にプレー時間を伸ばしており、キムの決勝弾の見事なアシストを遂げた。また、一度復帰したあと再び離脱していた茂平も、いわき戦でベンチ入りを果たしている。ペレイラや安藤智哉の攻撃参加など、今後に繋がる要素も多々見られ、ここからの巻き返しを図りたいタイミングだ。
あの日の借りを返しに来る川崎F
週末に行われるJ2第24節H清水戦との間に開催される天皇杯3回戦・川崎F戦では、まずチームがこの試合をどう位置づけるかがポイントになる。リーグ前節のいわき戦がアウェイでのタフなゲームとなったこともあり、メンバーを入れ替える可能性が高いが、J1の強豪が相手とあり、まだ負傷者も多い中、11人+7人の編成が気になるところ。
川崎Fとの対戦は3年ぶりで、まさにあの忘れもしない2021年12月、第101回天皇杯準決勝以来。すでにJ2降格と片野坂知宏監督の退任が決まっていたこともあり、指揮官は川崎Fのストロングポイントを徹底的に消しつつワンチャンスを狙う戦法へと全振りした。下田北斗をトップ下に配置する、それまでとは全く異なるシステムでそれを遂行し、古巣戦で燃える守護神・高木駿もビッグセーブを連発して、延長前半まではスコアレスで粘る。113分に小塚和季のクロスから小林悠に先制点を奪われたが、万事休したと思われていた120+1分、下田のクロスに合わせたエンリケ・トレヴィザンの同点弾が生まれ、勝負はPK戦へ。それを制した大分が、決勝へと駒を進めた一戦だった。
今季、再び大分に戻ってきた片野坂監督が川崎Fにどのような戦術で挑むか。前回と異なり今回はシーズン半ばで、チーム戦術の浸透が急務となっている状況。采配の軸足をどこに置くかが興味深い。
川崎Fとしても前回対戦の借りを返したいはず。大分もそうだが川崎Fも今季はリーグ戦で苦戦しており、ここで勝利して少しでも勢いをつけたいところ。前回とは異なるシチュエーションでのマッチアップ。好ゲームに期待したい。