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今節の見どころ

感じはじめている手応えをさらに確かなものにしたい。チャンスを増やして得点増へ

 

同じ5勝5分4敗の勝点20で並ぶ愛媛とは、それぞれにシュート数の少なさ、枠内シュート率の低さという課題も似通っている。3シーズンぶりの“豊予海峡ダービー”で、その克服は見られるか。

 

少しずつ目指すスタイルを体現できるようになっている

タフだった変則的なGW連戦を2勝1分で乗り切ったチーム。前々節のアウェイ甲府戦から移動も含めて中2日の前節・長崎戦では先発6人を入れ替えて臨んだが、選手個々の特長を生かしながら甲府戦と同様の戦い方が出来ており、チームとしての戦い方の輪郭が徐々に見えてきた感触があった。配置される選手のストロングポイントがポジショニングやタスクと噛み合い、個の集合体としての組織がまとまってきた印象だ。
 
ハイプレスの連動と選手の距離感が改善されたことで、攻守両面で選手同士の繋がりが生まれ、片野坂知宏監督が始動時から提唱している「攻守シームレス」も少しずつ体現できるようになっている。また、トレーニングでも調子を上げている選手が多く、指揮官も選手層が厚みを増しつつあることに好感触な表情だった。この手応えをさらに確かなものへと繋げていくために、やはり求めたいのは勝点という結果だ。
 
ただ、試合内容が上向いている一方で、克服が急務とされる課題は大きい。チャンスビルディングやシュートの数は徐々に増えているが、現在、枠内シュート率がリーグ最下位。いい形で決定機を築くことも出来ているので、あとは当事者の課題でもあり、今週のトレーニングではより実戦に近いかたちでシュート練習が行われた。
 

よくオーガナイズされている、石丸監督3年目の愛媛

今季、3シーズンぶりにJ3からJ2へと戻ってきた愛媛は、2022年から8年ぶりに愛媛で指揮を執る石丸清隆監督のスタイルが浸透し、よくオーガナイズされた組織的なチームとして、開幕から好調を維持。現在は大分とまったく同じ5勝5分4敗の勝点20、3戦無敗状態だが、得失点差でわずか1上回って大分よりひとつ上の10位につけている。
 
前節のいわき戦はニンジニアスタジアムの強風の影響を強く受け、十分にスタイルを発揮できなかった中でスコアレスドロー。前々節のアウェイ徳島戦もスコアレスドローで終えているが、徳島戦では3本、いわき戦では4本とシュート数が少ないことが喫緊の課題となった。GK徳重健太の安定感のある好セーブが勝点1の獲得に貢献しており、そういった事情も似通ったチーム同士の対戦となる。
 
2013年、特別指定選手として大分に在籍していた松田力がここまで3得点で石浦大雅と並び現在のチーム得点ランク首位。突出してゴール数が多い選手がいるわけではなく、多彩な選手が得点している。ちなみに2010年夏から半年間、大分でプレーし、その後は栃木や愛媛で“大分キラー”として活躍した河原和寿が、コーチを務めている。
 
粘り強く勝点を積みながら、組織を熟成しチームスタイルの練度を高めていきたい現在。まずは直近の試合に勝利し、今季ホーム2勝目を挙げたい。
 

試合に向けての監督・選手コメント

■片野坂知宏監督
 
愛媛さんは組織的にやってくる。チームとして戦術がしっかりしているし、石丸監督が求めるものが表現されている。選手がフレッシュに、ひとりひとりがハードワークして、いいチャレンジをしていると思う。上手い選手が多い。技術も高いし、立ち位置をずらしたり相手の嫌なところにボールを運んだり。先発が取ったり交代の選手が取ったりと、いろんな選手が点を取っているところも強み。いろんなところからいろんな選手がゴール前に絡んだり得点に繋げている。戦術として浸透していて、誰が出ても同じようなゴールが出来ることを証明しているのではないかと思う。立ち位置を微妙に変えてきたり流動的になったり、スペースと時間があると仕事が出来る選手がいるので、前節のようには行かないところが出てくるのではないかと予想している。
 
でもトレーニングのゲームでも選手たちはよくトライしてくれていた。いい状態だと思う。長崎戦でひさびさに試合に出た選手を含めチャレンジしてくれている。そういう姿勢が出て競争があることが大事。成長してチーム力も上がっていく。
 
■MF 18 野嶽惇也
 
守備はどこもマンツーマン気味に前から来るので、どこでズレを作るかを見極める。あとは相手との兼ね合いのところで、どこを選んでいくか。相手がどこでもそれはあまり変わらない。最近、チームで「ここがこうだったらここが空くよね」というのがちょっとずつ共有できてきた感触がある。ただ、僕たちはまだ11位で、満足できる順位ではないので、過信せず練習から突き詰めていきたい。

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