TORITENトリテン

今節の見どころ

3連勝+九州ダービー3勝目を期して、前指揮官の率いる強豪を迎え撃つ

 

前節のアウェイ甲府戦から中2日という厳しい日程で迎える九州ダービー。相手は“シモさん”率いる11戦無敗中の長崎だ。

 

戦術体現の手応えを掴みはじめている

前節、アウェイでの甲府戦を終えたあと、チームはすみやかにJITスタジアムを出発し、日付が変わってから大分へと帰り着いた。強い陽射しが照りつけた中でのタフなゲームから中2日でのホームゲーム。前節のダメージからどれだけ回復できているかが気になるところだ。一方で、これまで出場していた伊佐耕平や梅崎司、松尾勇佑らは甲府戦に帯同せず。中川寛斗やペレイラも甲府戦でのプレー時間が短く、また、キム・ヒョンウ、木本真翔、有働夢叶ら若手も絡んでくる可能性がある。
 
片野坂知宏監督が変則的な連戦にあたりどのようなマネジメントによるメンバー構成とゲームプランで臨むかも楽しみだが、なにより前々節の熊本戦と前節の甲府戦のアウェイ連戦で今季初の連勝をものにしたことが、ここからの期待感をあおる。復帰した野村直輝と茂平が存在感を発揮しており、特に野村が入ったことで布陣全体が上手く繋がり、戦力個々の特長が生きるようになった。
 
前節は状況を見ながら巧みに立ち位置を取ることでリズミカルに前進し、継続的に相手を押し込む時間帯も作れていたので、この質を高めてシュート数をもっと増やしていきたいところだ。
 

強豪を率いる敵将としてシモさんを迎える日

そんなタイミングでレゾナックドーム大分へと乗り込んでくるのは、現在11戦無敗で清水と首位争いを演じている長崎だ。前節、秋田と2-2で引き分けて連勝は5でストップしたが、エジガル・ジュニオにフアンマ・デルガド、マテウス・ジェズスにマルコス・ギリェルメまで加わって、パワフルな外国籍選手たちの猛威はとどまるところを知らない。古巣戦となる増山朝陽と笠柳翼の両翼も脅威的存在だ。
 
彼らを率いるのは、昨季まで2シーズンにわたり大分を率いてくれた下平隆宏監督。強力な矛たちを手に入れ、愛弟子の秋野央樹にゲームの組み立てを託して、得意の3トップで気持ちよく戦っているように見える。選手層も厚く前節の秋田戦では中盤から前のメンバーをターンオーバーしていた。
 
前節に続き今節も、相手攻撃陣の強烈なパワーと対峙することになるが、前節同様に連動した守備から攻撃へと切り替え続けることが出来れば、こちらの時間も作ることが出来るはずだ。相手の状態を見極めながら立ち位置を取って繋がり続けること、相手の攻撃に粘り強く対応することが求められる。
 
前指揮官と増山との対戦が楽しみだが、もう一人の古巣組・岡野洵は残念ながら4月30日に右前十字靭帯を断裂して長期離脱となった。オカジュンにエールを送りつつ、今節は全力で勝ちに行く。ちなみに大分は今季、鹿児島、熊本との九州ダービーで2勝しており、是非とも長崎も下したい。過去、いろんなチームで実現したカタさんとシモさんのマッチアップは必ず好ゲームとなってきた。今節はいかなる名勝負が繰り広げられるか。