相手を見ながらの駆け引き。前節の敗戦から切り替えペースを取り戻す

今季初の3失点で今季ホーム初黒星を喫した前節の秋田戦。コイントスでエンドを入れ替え、立ち上がりから得意の攻撃の形を繰り出してきた相手の勢いに飲まれて早々に2失点を喫すると、その後1点は返したものの、退場者を出し10人で構える相手を攻略できずに1-3で敗れるという結果になった。
　
こちらのストロングを出せずに終わった感の強い衝撃的な敗戦ではあったが、失点は崩されてのものではなく、ジャッジも含めて事故的な要素が強いものなので、引きずらずに前々節までの堅守を取り戻したいところ。攻撃に関しては引いた相手の攻略法を、映像を使って確認・共有しグラウンドで実際にプレーして落とし込んだ。
　
今節は前節からの立て直しをピッチで実感したい。スタイルが全く異なる前節の秋田とは違って、今節の千葉は互いに相手を見ながらプレーするチーム同士の対戦。ハイプレスからの速攻とポゼッションしての攻撃を織り混ぜながら戦うスタイルで、共通点も多い。こちらのストロングも出しやすいはずだ。
　

千葉はここまで4勝1分4敗。第4節から4戦白星なしと少し苦戦していたが、第8節の栃木戦で持ち前の攻撃力を存分に発揮して8-0で大勝すると、前節の徳島戦もアウェイで1-0と完封勝利している。
　
指揮2シーズン目を迎えた小林慶行監督の戦術も浸透し、昨季から緻密かつ丁寧に築いてきたポゼッション志向のスタイルに今季は前線のタレントを生かしたシンプルな攻撃も織り交ぜながらゴールへの矢印を強めている。小森飛絢や椿直起、田中和樹にドゥドゥとスピードとテクニックのある特徴的な攻撃陣が並ぶ中に、かつて大分でプレーした呉屋大翔と風間宏矢も名を連ねる。
　
前線のみならず全域に力のあるプレーヤーが揃っているのが千葉の強み。攻撃時には可変し幅を取って攻める中で、相手との駆け引きに長けクオリティーでも上回る様子が多々見られる。そういう相手にも臆することなく、こちらもハイプレスからリズムを掴んでいくことが肝要だ。フクアリの完全アウェイな雰囲気も楽しむくらいの気持ちで、自信を持って戦いたい。
　

■片野坂知宏監督
　
千葉は前線に強度とスピードがありクオリティーの高い3トップが2セットいる。そういうところをしっかり掴みながらセカンドボールを拾いたいが、千葉は相手がそれで引いたら動かしてくるチーム。動かし方もトライしている感じがあり、小林監督が選手の良さを引き出しながら戦っている。僕らも同じようにハイプレスで行きたいし、ボールを保持しながら前進してゴールを目指していきたいので、志向するフットボールややろうとすることは似ている感じがある。
　
前節からの今節なのですごく大事。前節、ホームでああいう負け方をしたので、負けたあとのゲームは連敗したくないし、選手もそういう思いで切り替えて取り組んでくれている。フクアリはあの雰囲気も含めて簡単な試合にはならない。千葉は力がありホームで力を出せるチームなので簡単ではないと思うが、われわれも勝って次に繋げていきたい。
　
■DF 2 香川勇気
　
前節は敗れたが、今節に向けても自分たちのやるべきことは変わらない。前節を引きずるよりも前に進んでいったほうが成長できると、僕自身考えている。しっかり前からプレッシャーをかけてボールを奪ってというところで相手を上回れれば、チャンスは増えると思う。
　
千葉は攻撃にシフトしているチームなので、ディフェンス陣としてはそこをしっかり抑えていかなくてはならない。千葉戦はボールの奪いどころがカギ。しっかり限定して奪えるところで奪って、素早くゴールに迫りたい。あとは決めるべきところでしっかり決め切ること。剥がされればピンチになるし奪えればチャンスになるので、そこの勝負になる。
　
■GK 32 濵田太郎
　
秋田戦はいままでああいう相手がなかったのでやりづらい感じがあった。自分の弾く場所もよくなかったので立ち上がりに失点して苦しい展開になってしまった。まず入りに失点しないことは、ゲームを作っていく上でも大事。ただ、前々節まで無失点が続いていて、チームとしてもどこかで「取られないだろう」という空気が流れていたので、前節の3失点で気持ちが引き締まったと捉えていく。
　
千葉は前からハイプレスで来る。前節のように繋ぎすぎて失点するようなことが起きないよう、はっきりしたプレーが必要。相手は攻撃力が高く、J2でいちばん点を取っているチームなので、先に点を取られないことも大事になってくる。攻撃は前節は足元ばかりになっていたので、相手の背後を取ってゴールに迫っていく選択肢も持っておく。