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今節の見どころ

セカンドボール対応は抜かりなく。主導権を握って相手のストロングを封じよ

 

前節は新たなオプションとゲームプランもハマっての今季ホーム初勝利。中3日で迎える今節は、アウェイで今季初の連勝を狙う。

 

戦力のチョイスにより多彩に変化するチームに

試合運びの課題は残しつつも3得点無失点でホーム初勝利を遂げた前節・鹿児島戦。それから中3日、3連戦の3戦目となる今節は栃木戦だ。今季初の連勝を目指して、アウェイの地へと乗り込む。
 
第3節・藤枝戦、第4節・清水戦のタフな静岡アウェイ連戦から都度、コンディション回復を優先させながらの戦い。今節に向けての22日のトレーニングも鹿児島戦出場組は軽い調整のみで、栃木戦に向けては室内でのミーティングとグラウンドでの立ち位置確認のみにとどめられた。
 
ルヴァンカップを挟んでリーグ戦5試合を終えたが、J2リーグ全体を見渡すと、早くもカオスな状況。地力のあるはずのチームが意外なところで勝点を落としていたり、前節いい内容で勝利したチームが今節は大敗していたりと勝敗予想も難しい。組織が成熟しきっていないシーズン序盤、強度の高いハイプレス戦術の流行の影響もあって、相性もあるのか。強烈な外国籍ストライカーが猛威を振るって“殴り勝てる”チームが一歩リードしているが、そういうチームも含め、ここからは徐々に組織の完成度で競う要素も増えてくる。
 
前節の鹿児島戦では薩川淳貴と小酒井新大が初先発したことに加え、長沢駿と渡邉新太の2トップという新しいオプションも試し、それが見事に奏功した。たとえば伊佐耕平や中川寛斗が起用されたときとは攻守両面で全く異なるニュアンスとなる中で、「シームレス」のコンセプトは貫きつつ、戦力のチョイスにより多彩なゲームプランを組めることになる。負傷離脱中のメンバーが復帰してくれば、さらにその幅は広がることだろう。
 

高く強いFW陣がストロングポイントの栃木

栃木は今季から新体制。現役時代に磐田や福岡で活躍した田中誠監督は現役引退後に磐田アカデミーの指導者やフロント業務に携わり、昨年はキム・ヒョンウの母校である常葉大学でコーチを務めて、Jリーグ監督キャリアのスタートを切ったばかりだ。その新人監督の脇を固めるのが昨季まで金沢を率い、独特のスタイルを培ってきた百戦錬磨の柳下正明ヘッドコーチ。ここからどのような栃木を作り上げていくのかが楽しみな首脳陣だ。
 
ここまで5試合のフォーメーションは3-5-2。矢野貴章や宮崎鴻、奥田晃也にイスマイラと長身で体の強いFWを前線に並べ、そのストロングを存分に生かす戦いを繰り広げる。ロングボールにクロス、そしてセットプレーで得点を狙い、守備は5バックで固めるというはっきりした戦いぶり。最後の砦としてゴールを守るのはかつて大分でプレーした丹野研太だ。
 
開幕から岡山と山形にそれぞれ3失点して敗れたが、その後は甲府と横浜FCに連勝。前節のアウェイ秋田戦は0-3での黒星という結果になったが、冷たい風の吹く気温0.4度、雪の降りしきるソユースタジアムという環境を踏まえれば、ホームチームである秋田のほうがよりパワーを出せたのも頷ける。不完全燃焼だった前節を受けて今節のホームゲームにはいつも以上に強い思いをもって臨んでくるに違いない。
 
香川勇気は「相手にボールを持たれさえしなければ、相手の怖さも出にくくなるので、自分たちがボールを持てれば」と話した。相手が前線に当ててくるセカンドボールを拾い主導権を握って進めたい。片野坂知宏監督以下コーチ陣が今節はどのようなゲームプランで挑むのかも楽しみだ。
 

試合に向けての監督・選手コメント

■片野坂知宏監督
 
栃木戦はセットプレーとセカンドボールがカギになるのではないか。相手は5-3-2で守ってくるので堅い。それをどうこじ開けるか。どうやって点を取るかを合わせていかないといけない。栃木はクオリティーと強度がある相手に対しても粘り強く戦えるチーム。栃木と前節戦った秋田はあの環境の中でよく3点取ったと思う。徹底しているあたりはさすが吉田監督。
 
■FW 11 渡邉新太
 
(前節のゴールについて)ああいうのは結構狙っている。ああいうのは「ごっつぁんゴール」と一般的によく言うけど、ああいうのはめっちゃ大事。点を取る選手はやっぱりああいうところを逃さない。先制点が取れたのもよかった。先に取られると余計パワーを使うことになるので。守備が安定していて失点が少ないのもいい。
 
今季は昨季よりも時間をかけずに効率的に攻めるサッカーだが、前節の鹿児島戦は2トップの感触がすごくよかった。幅と深さを取った中でターゲットに収まるのがいい。相手が困るような立ち位置を取りながら隙を突いていきたい。栃木戦はセカンドボール対応が多くなると思う。
 
■DF 2 香川勇気
 
守備の部分と、攻撃での意思統一はキャンプからやってきたことを継続している中で、試合を重ねながら個々の判断や試合状況においての経験の蓄積は出来ているが、まだ微々たるものという感じ。守備は、中を固めるところや前から行くところは継続していて、高さもあるのでサイドからのクロスはしっかり弾き返せるようになっている。最悪、上げさせても大丈夫という信頼感がある。
 
栃木は前線に高さのある選手がいて、長いボールやサイドからのクロスなどある程度はっきりしているので、そこの部分でまず負けないこと。相手にボールを持たれさえしなければ、相手の怖さも出にくくなるので、自分たちがボールを持てればと思う。結局は相手どうこうよりも自分たちがどれだけ相手を攻略できるかというところ。

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