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今節の見どころ

2週連続静岡アウェイの2戦目は日本平で清水と。高い攻撃力をいかに封じるか

 

今季初白星を挙げた前節の藤枝戦に続き、今節も静岡アウェイ。移動の負荷はありながらも、「攻守シームレス」なスタイル浸透の手応えはチームに活力をもたらしているようだ。

 

清水は前節4失点で今季初黒星

前節のアウェイ藤枝戦で待望の今季初勝利を挙げたチームは大分に帰って2日間のオフを挟み再始動。3日間の準備を施して再び静岡県へと移動し、今節は清水と対戦する。
 
強力なタレントを多く擁しJ1昇格候補筆頭に挙げられる清水だが、昨季は監督交代後に勝点を伸ばしながらシーズン終盤のいくつかの試合を勝ちきれず、4位フィニッシュ。J1参入プレーオフ1回戦は5位の山形と0-0で分けて勝ち上がったものの、2回戦を東京Vと1-1で終え、あと一歩のところでJ1昇格を逃している。
 
オフにはチアゴ・サンタナや岸本武流、中山克広、鈴木義宜らが去り蓮川壮大や松崎快、中村亮太朗らが加入。その新戦力も出場しつつここまでの3試合は2勝1敗だ。開幕のアウェイ熊本戦を2-1、第2節のホーム愛媛戦を2-0で連勝スタートしたが、前節はアウェイで長崎に1-4と大敗している。序盤はボールを握ったものの間もなく長崎にペースを明け渡し、後半のギアアップも1点を返すにとどまった。
 
大量失点での今季初黒星からの今節。優れたモチベーターとして知られる秋葉忠弘監督が燃えてしまうシチュエーションだ。秋葉監督が水戸を率いていた2022年のJ2第28節に対戦した際、大分が0-2で敗れ、敵将の「ディス・イズ・ホーリーホック!」の勝利の雄叫びを聞かされた屈辱は記憶にあたらしい。今回はそんなことにならないよう、こちらも全力で勝点を取りに行く。
 

乾をどう抑えるかが大きなカギ

北川航也やカルリーニョス・ジュニオら個々の力量の高いプレーヤーが揃う清水の攻撃力は脅威的で、やはりその中心である乾貴士をどうケアするかが最大の焦点となる。だが、こちらもここまでリーグ戦は1失点のみに抑えて守備は安定しており、今節もその堅守を継続できるかが見どころのひとつだ。
 
藤原優大は「相手はタレントが多いのである程度アバウトに攻めていてもなんとか出来てしまうところがあると思う。こちらももう一個レベルを上げて守備をしていく」と表情を引き締めた。一方で「1点取ってくれれば勝ち切れるという気持ちを持って戦っている」と守備陣としての気概を語る。
 
今季から目指す「攻守シームレス」の境地に、まずは前線から連動した守備と切り替えの早さから迫りつつ、そこが徐々に浸透してきたところで、今度は攻撃の練度も高めていきたいところ。今週は片野坂知宏監督も選手に攻撃のアイデアを助言しながらトレーニングを行った。野村直輝はここまでの試合を振り返り「相手によって僕も試しながらやっているところがある。時間が経てば選手間の意図も合ってきて、こうしたらこうなるよねというのがわかってくると思う」と前進への道筋を話した。
 
アイスタに鳴り響くサンバのリズムが醸し出すアウェイの雰囲気に気圧されることなく、こちらも青いサポーターたちの声援を感じながら堂々と戦いたい。「思い入れのあるスタジアムだし慣れ親しんだ場所なので、アイスタに行くのは非常に楽しみ」と闘志満々の清水育ち・長沢駿も、勝利だけを目指している。
 

試合に向けての監督・選手コメント

■片野坂知宏監督
 
清水は個人の能力もパワーも高く、守備もアグレッシブ。前節アウェイで長崎に負けているので日本平では負けられないと、多分、激しく来ると思う。乾くんをどう管理するかがポイント。自由を与えると何でも出来てしまう選手。
 
いまわれわれがやりたいこととして、シームレスにゴールを目指してやっているので、それが清水のような強い相手に対しても表現できるかどうか。相手が清水だからといってドレスアップするのではなく、普段着だけど強い意志をもって戦えるかということを選手に提示したい。その中で選手もまた新たに課題が見えたり収穫があったりという、そういうところにつながる試合にしたいし、いいゲームが出来れば自信になると思う。
 
■DF 34 藤原優大
 
いまは簡単にゴールを破られることはないという感触がある。攻撃の精度がまだ十分に高まっていないところで奪われ方が悪かったりして攻め込まれる時間帯も結構あったりするのだが、前節の藤枝戦でも最後のところでは体を張って守れていたのは、チームとしてプラスに捉えられる。リーグ戦3試合で1失点という結果だけ見るとまずまずだが、もっと詰めなくてはならないところがあるし、もっとよく出来る。
 
清水戦でも前線から連動してプレスをかけて潰しに行く戦い方はこれまでの試合と変わらないと思う。ただ、清水にはクロスの質やラストパスの精度の高い乾選手やカルリーニョス選手もいるし、ひとつ上のレベルのパスが出てくるのではないかと警戒しながらプレーしたい。相手は前節の結果から引き締めてくると思うが、絶対に守備の穴もあると思うので、奪った直後のスペースを見極めて攻めたい。
 
■MF 10 野村直輝
 
失点率が低くなっているのはすごくいいことだと思う。守備のほうは整理されていて、誰が出てもやらなくてはならないことがはっきりしているので迷いがない。今節は個の能力の高い選手が多い清水に対してどれだけ守れるかが試される。
 
攻撃は出る選手によって全然変わってくるところもある。相性などもあるし、攻撃の練度が高まるには少し時間がかかると思う。清水はオーソドックスな守り方なのである程度ボールは触れると思うが、最後の局面のところで誰かが一人剥がしたりしなければ、多分崩れない。北爪健吾とは横浜FC時代に仲が良く、お互いの癖もわかっているのでマッチアップが楽しみ。
 

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