積み上げつつあるスタイルをどちらがより表現できるか。静岡アウェイ2連戦の1戦目、藤枝に挑む
ルヴァンカップを挟んでの3連戦。チームは3月10日、静岡アウェイ2連戦の1戦目、J2第3節・藤枝戦に挑む。
ここまでの手応えと課題を生かしたい
開幕からホーム2連戦。1戦目は仙台に1-1、2戦目は横浜FCに0-0と勝点1ずつを積んで、今節は今季初のアウェイゲーム。6日に行われたルヴァンカップ1stラウンド1回戦・北九州戦はメンバーを入れ替えて臨んだ中で延長戦まで戦い、一部リーグ戦メンバーも出場した。そこから中3日での今節。とはいえナイトゲームからのデーゲーム、J2の中でも移動負担の大きい静岡での試合とあって、藤枝戦に向けてはコンディション重視の準備が施された。
天候も不安定で寒暖差が大きかったが、チームはミーティングで対藤枝の狙いを共有し、グラウンドで確認。負荷の高いゲーム形式までは行えなかったようだが、狙いを合わせることは出来た。ここまでのリーグ戦2試合とカップ戦1試合で得た手応えと課題を、今節にどう生かしていくか。攻撃はまだ構築中でシュート数やチャンス構築数も物足りないが、守備や切り替えに関しては意識が浸透し表現できている感触がある。今節こそ今季初白星を挙げたいところだ。
ビルドアップ部分を浸透中の藤枝
藤枝のほうも、開幕の長崎戦で0-0、前節の千葉戦で0-4と今季未勝利。ルヴァンカップもアウェイで琉球と戦い1-2で敗れている。メンバーはターンオーバーしており、連戦のリーグ戦への影響は少なそうだが、やはり一試合でも早く勝利がほしいのは大分と同じだ。
須藤大輔監督がJ3時代から丁寧に培ってきたのは、流動的なパスワークを交えてゴールに迫る躍動感満点のスタイル。勢いに乗せれば食い止めるのが難しくなるが、ハイプレス志向のチームが増えた今季、現時点では新チームでのビルドアップがまだ成熟しきれていない。前節の千葉戦も相手のハイプレスに攻撃を阻まれ、自陣でボールを奪われると立て続けに失点を重ねた。
大分も藤枝も、独自のスタイルの練度を高めている最中。それぞれに積み上げつつあるものをピッチでぶつけ合い、どちらがより表現できるかの勝負になる。アウェイの地ではあるが、欲しいのは勝点3だ。
試合に向けての監督・選手コメント
■片野坂知宏監督
ルヴァンカップ北九州戦は、あのクロスをもう一回上げろと乾くんに言っても無理なくらいの、本当にスピードがあってピンポイントで、デルランにしても(薩川)淳貴にしても対応が難しかった部分があるかと思う。ああいうことが起こり得るのが公式戦だし、そういう一瞬のところで勝負は決まるもの。負けて悔しいし、勝つことの喜びと成功体験が欲しかった。
藤枝はボール保持を得意としているチームで、GKを含めて繋げる選手、繋げる仕組みを準備されてきていると思う。そういうチームカラーでJ3からJ2に上がり、昨季もブレずにやってきて、今季はさらにトライしているところがある。そこを自分たちが守備のところでしっかり管理できて、いい奪い方が出来ればチャンスに繋げられるのではないか。繋ぐチームに対してわれわれも守備の部分を合わせていきたい。
■DF 25 安藤智哉
相手が前から来ているなら剥がせるところは剥がしたいが、そこで食われて失点という事態は避けたい。でも全部が全部、縦に蹴っていても得点はなかなか生まれないので、探りながらやっていきたい。守備は、前から奪いに行くことにはリスクもあるが、剥がされたら戻ればいいというカタさん(片野坂監督)の言葉が僕はしっくり来ていて、チャレンジしやすい。
今治で一緒にやっていた中川風希選手はテクニックもあり、相手の嫌なポジションばかり取ってくる。相手も流動的にやってくるので、ディフェンスラインでコミュニケーションを取りながらマークを外さないようにするコーチングが大事になる。
■FW 13 伊佐耕平
いまコンディションは非常にいい。藤枝戦では、まず守備のところでチームとしてやっていることをやりながら無失点に抑えることをベースにしつつ、得点しなくては勝てないので、そういうところで自分の色を出していきたい。
藤枝は監督が「見ていて面白いサッカー」と言っているとおり、細かく繋いで流動的に動く。上手いチームなのでこちらの守備がどこまでハマるか。動く相手をどう捕まえるかがポイントになる。守備の意識は全員が強く持っているし、チームで共有できている基準もある。こちらの攻撃に対しては相手はほぼマンツーマンで来ると思うので、ボールを収めれば時間は作れるはず。