望みを繋ぐには勝利あるのみ。秋田の特徴的な攻撃を抑えつつ決定機を仕留めよ
J2第40節第1日目を終えて、J1昇格プレーオフ圏内をめぐる争いは白熱の度合いを増す。昇格争い最後尾から追撃する大分にとっては、シンプルに勝点3を狙うのみだ。
第1日目に6位・長崎が敗れる狂熱の展開
シーズン最終盤のJ2第40節。第1日目は2位・清水が熊本に1-3で敗れ、3位・磐田と4位・東京Vが勝点1を分け合う結果に。そしてJ1昇格プレーオフ圏内を争っているすべてのチームが凝視していたに違いない6位・長崎は、残留を確定したい徳島に1-2で痛恨の逆転負け。
第2日目に試合のある7位・甲府、8位・山形、9位・群馬のいずれかが勝利すれば、長崎はプレーオフ圏外へと弾き出されることになる。そして山形と群馬は今節、直接対決だ。甲府は残留に向けここに来て4連勝中の大宮との対戦。10位・岡山はホームに栃木を迎える。
昇格争い最後尾の大分は、なんとしても勝点3を積まなくてはならない状況だ。今節勝利して、わずかながら残る可能性を少しでも濃厚にして最後まで粘りたい。長崎を下した徳島を率いるのは下平隆宏監督と柏でともに仕事をした吉田達磨監督。そしてその逆転決勝弾を決めたのは下平監督の教え子・白井永地で、われらが指揮官に運が向いてきていると思いたい流れだ。
独特のスタイルを誇る秋田にどう挑むか
今節、レゾナックドーム大分に迎えるのは、第1日目に勝点1を積んだ仙台に抜かれ暫定14位となっている秋田だ。ここまで11勝14分14敗の勝点47。第37節・栃木戦と第38節・金沢戦に2連勝したが、その後は天候の影響で日程変更となっていた第26節・町田戦、それに続く前節の仙台戦で2連敗を喫した。
吉田謙監督の構築した独特のスタイルで、J2昇格後3シーズン目。毎年、最終的に中位に収まっているが、今季も3連勝を含んで開幕から6戦無敗と好調に滑り出すなど、サッカーでも存在感でもクセの強いところを見せた。得点数は現在リーグ最少の33点だが、同サイドに人数をかける縦に速い攻撃は力強く、またセットプレーに強いのが特徴だ。守備は41失点と、東京V、清水、町田、群馬という上位陣に続くリーグ5位の堅さを誇る。
そういう秋田に対し、勝たなくてはあとがない大分が今節、どういう戦い方を選択するか。前節の栃木戦から下平監督が最も得意とする4-3-3システムを採用し、ボールポゼッションにおいては一定の手ごたえを得ているが、セットプレーも含めて多くの決定機を築きながら前節も1得点のみと、肝心の結果はまだ物足りない。今節の秋田は栃木とはフォーメーションやスタイルが大きく異なる中で、それを継続するのか変化を加えるのかも注目ポイントだ。ペレイラが出場停止明けで戻ってくることもあり、最終ラインの顔ぶれが気になるところ。
シーズン折り返し後は片手で数えるほどしかサポーターを笑顔に出来ていない。結果で応援に応えてプロの矜持を見せたい。
試合に向けての監督・選手コメント
■下平隆宏監督
ミーティングで選手たちにも言ったが、前節の栃木戦は本当に悔しくもったいない試合だった。なかなか結果が出ていないぶん、リードしても少し自信がなくなったり、勇気を持ったプレーが減ってくると、相手はそこにつけ込んでくる。トレーニングから自信を持たせるようにして、ピッチに立つときには自信を持ってプレーできるよう準備していきたい。
秋田の守備はオーソドックスでハードワークして堅い。攻撃は特徴的で非常に嫌なチーム。同サイドから押し込んできてロングスローやクロスで強みを出してくる。しっかり対応しなくてはならない。
■FW 11 渡邉新太
前節の栃木戦のように今節対戦する秋田もゴール前のところはしっかり守ってくると思うので、おそらくサイドが空いてくる。そこで時間があるので、質のいいクロスと中への入りで得点を狙っていければと思う。前節も後半最初に自分のところでチャンスがあったが、あれを決めていれば追加点でもっと有利な状況になっていた。チャンスはあるのでしっかり押し込んでいきたい。
■MF 7 梅崎司
前節の栃木は前から守備に来なかったが、今節の秋田は前から守備をしてくると思う。そうなったときのポジショニングや精度が大事。食われればカウンターを食らうので、そこをどう決定機まで繋げていくのかというところがポイントになる。僕たちはもう3連勝するしかないので、まずはとにかく目の前の相手に勝つことだけにフォーカスして戦いたい。