前節の勢いと好材料を今節のホームにつなげたい。好調・いわきを迎え撃つ
攻撃陣の調子が上向いてきた中、前節はアウェイで3得点を挙げての逆転勝利。今節はその勢いをホームへと持ち帰り、6戦無敗と好調のいわきを迎え撃つ。
自信につながる前節の3得点
前節はアウェイで難敵・熊本を制し、5試合ぶりに勝点3を積んで上位争いに食い下がった。今季初の逆転勝利で第19節・甲府戦以来の複数得点で連敗をストップし、もう一度、上昇気流をつかみたいところだ。
なによりもみんなが待ち望んでいたサムエルの今季初得点が好材料と言える。昨オフのコンディション調整に失敗して開幕から大きく出遅れたエースストライカーが、ここ数試合はようやく調子を上げてきた様子を見せていた中で、前節はシュート2本を放ち、そのいずれもが左からのクロスに合わせたダイレクトボレー。うち1本を見事に沈め、それがチームに勢いをもたらす同点弾となった。
左膝内側側副靱帯損傷により2月に手術し、長い調整期間を乗り越えて復帰した渡邉新太がめきめきと調子を上げていることも心強い。前節は後半あたまから出場して間もなく、相手の間にスペースを見つけてデルランからボールを引き出すと藤本一輝の逆転弾へとつなげた。本人も「だいぶ近づいてきている」とゴールへの感覚を高めており、そろそろ得点が期待できそうだ。
前節のダメ押し点は上夷克典のプロ5年目にしての初ゴール。自身の得点よりもチームとしての攻撃のクオリティーが気になるクレバーな右SBの活躍が光る。その得点を呼び込んだのはこの試合で途中出場した伊佐耕平だ。出場後に早速攻撃を組み立てて自ら放ったシュートで左CKを獲得し、迫力のダイビングヘッドで会場を沸かせた。
いわきの勢いを受けずに戦いたい
攻撃陣の好調を今後の得点量産へとつなげたいところ。トレーニングを見ていると離脱していたメンバーも少しずつ復帰に近づく様子を見せているが、選手層が回復するにはもう少し時間を要しそう。気がかりなのは前節、負傷により途中交代した野村直輝のコンディションだ。今季はゲームコントロールの部分でも卓抜した能力でチームを牽引しており、野村が出場できないとなれば戦い方そのものをまた工夫しなくてはならなくなる。
今節、ホームに迎えるいわきは現在、7勝7分12敗の勝点28で19位。田村雄三監督体制になった第21節の千葉戦以来、6戦無敗で着々と勝点を積んでいる。第22節の大宮戦は5-1、第25節の水戸戦は4-3と大量得点で勝利を挙げており、ハマれば大勝する力を誇るチームだ。
もとよりフィジカル面の強化に力を入れて個々のプレー強度を高めているいわきだが、田村監督はその特性を引き出しながらアグレッシブに走らせ、ゴールへと向かう勢いを増幅させている印象。失い方が悪ければたちまち鋭いカウンターにさらされそうだが、その勢いを受けてしまわず、こちらもしっかりとボールを握ってゴールを目指す姿勢を表現したい。
第24節・町田戦、第25節・清水戦とホーム連戦で連敗しており、直近のホーム戦勝利は第21節の岡山戦。隣県での九州ダービーに約3000人が駆けつけたサポーターの熱意に、ホームでも応えたい。
試合に向けての監督・選手コメント
■下平隆宏監督
前節勝ったことでチームの自信が少し戻った。サポーターの方々にとってもまた次に向けて期待感を持てるような試合だったのではないか。選手がハードワークして一体感を持って戦ってくれたことがいちばんの収穫。前節はひさしぶりにセットプレーからダメ押し点が取れたこともよかった。サポーターも多く来場してくれていて、本当にありがたかった。
いわきは非常にアグレッシブで前への推進力がある。監督交代後は負けておらず自信を持って戦っていると思うので、そういうところでわれわれは後手に回らずに、しっかりと跳ね返すパワーを持って準備したい。トレーニングではいろんな武器を持って戦い方が出来るよう準備している。ここからしっかり上位に食らいついて最終的に自動昇格できるよう勝点を積んでいく。
■DF 19 上夷克典
前節は2-1でそのまま行くよりも1点多く取ったほうがチーム全体としてメンタル的にも余裕が持てたと思うのでよかった。10年くらい公式戦でゴールを取れていなかったので、喜び方を忘れてゴールパフォーマンスを忘れていて、動揺がすごかった(笑)。個人的にミスも多かったので、初ゴールよりもそっちに頭が行っていた。守備はよかったのだが、守備に追われていたぶん攻撃のクオリティーでパスミスが多かったので、もっと技術を上げたい。
最近ホームで勝てていないし、今節はまずはしっかりと勝利を届けることを考え、その中で内容にこだわっていきたい。