4試合ぶりの歓喜を目指し、強度の高い秋田に挑む
独自のスタイルを浸透させながら着々とチーム力を培っている秋田。吉田監督体制でのJ2での3シーズン目は上位に食い込んできそうな勢いを見せている。その勢いに圧されることなく勇敢かつクレバーに戦って、4試合ぶりの白星を掴みたい。
突破口を開くカギを握るのは誰だ
3連戦を2分1敗で終えたチームは1週間の準備期間を経て、アウェイでの秋田戦に臨む。4月29日の第12節・仙台戦、5月17日の第16節・山形戦に続く、1ヶ月間で3回目の東北アウェイゲームだ。その中でも秋田は最も移動の負荷が高い敵地となる。
前節の長崎戦で出た課題も踏まえ、今週は攻守の強度と精度を高めるポイントを押さえたトレーニングが行われた。攻撃では相手を動かすポゼッションとゴールへと向かうプレー選択、そのトランジションからの守備では隙を見せないカウンター対応。球際での強度や切り替えの早さは、今節も重要な要素になる。
複数の負傷者も出ており、チーム状態は決していいとは言えないが、いまこそ、これまで出場機会に恵まれなかったメンバーの奮起が今後の好転を引き寄せるはずだ。トレーニング2日目のゲームは、指揮官がフラットな視点で戦力を見極める目的で、メンバーをシャッフルして実施された。そこでアピールできた戦力が、今節のメンバーに食い込んでくるか否か。
攻守に強度の高い秋田に立ち向かう
J2で3シーズン目を戦う秋田は、就任したシーズンにJ3優勝へと導いた吉田謙監督の徹底したサッカースタイルをますます浸透させながら、着々とチーム力を培ってきた。2021年は13位、2022年は12位と中位でフィニッシュし、今季も多くの戦力を抜かれながら的確な補強を行なって、上位争いへと食い込んでいる。
サッカーのベース部分の強度が高く、ゴールに向かうベクトルが強い。アグレッシブな守備から繰り出すショートカウンターも、長いボールを前線に当ててからの攻撃も、ひとたびスイッチが入ると人数をかけて迫力を醸し出す。対戦相手がポゼッションスタイルであればあるほど、そのストロングポイントが出やすい。
そんな秋田に対し、いかに守りいかに攻めるか。直近3連戦のチームとはフォーメーションが異なるため、戦術の細部は攻守で変わってくる。前節の長崎戦で採用した4-2-3-1を今節も継続するのか、あるいは前々節までの3-4-2-1に戻すのか。いずれにしても、複数システムを選択できる幅がもたらされたことはチームとしても大きな武器になりそうだ。ソユースタジアムで4試合ぶりの歓喜に沸きたい。
試合に向けての監督・選手コメント
■下平隆宏監督
今日のゲーム形式のトレーニングは、メンバー選考をフラットにしてまたみんなで競争させると選手たちに伝えてから行った。新しい刺激が入るといい。秋田戦で勝機をつかむためには選手一人ひとりのレベルアップが必要になる。
秋田の攻撃は厄介で、跳ね返したあともコンパクトにボールサイドに寄せてくるのでそれをどう広げていくかが攻撃のところでのポイントになる。ゴール前のクオリティーも、つねにブラッシュアップしていかなくてはならない。
■MF 28 野嶽惇也
前節は大幅な変更を施して臨んだが、それによってゴール前のところに課題がクローズアップされたことはよかったと思っている。単調なクロスではなく、まずそこに人がいることと、相手をどうやって動かすかというところ。それを全員がチームとして理解できたときに、また多彩な攻撃が繰り出せるようになる。
僕が出場すれば秋田とはJ2で対戦するのは初めて。まず芝の状態に馴染むことが難しい。いつも同じ感覚でビルドアップすると、また相手の術中にハマってしまいそうなので、そういう状態も整理しながら頭をクリアにして臨みたい。