TORITENトリテン

今節の見どころ

3連戦ラストは3試合ぶりのホーム。金沢のしつこい守備を攻略せよ

 

苦しかったトンネルを2試合かけて抜けた感のあるチーム。前節の藤枝戦で4試合ぶり勝利を掴み、中3日で3連戦のラストに挑む。

 

苦しみながらも収穫を得て今節の戦力起用は?

前々節の仙台戦で掴んだ、閉塞感に風穴のあく手応え。前節の藤枝戦では10試合ぶりのミラーゲームにおける対相手戦術を中3日で落とし込み、ほとんどの時間帯で相手を上回って2-0勝利。9試合ぶりのクリーンシートで4試合ぶり白星を挙げ、連敗を3でストップした。タフなアウェイ連戦を終えたチームは藤枝戦後に大分へと帰り、5日には1週間ぶりに全員が揃った。今節は3試合ぶりのホームゲーム。前回、第11節の水戸戦で今季ホーム初黒星を喫しており、今節はなんとしても勝ちたいところ。
 
仙台は4-4-2、藤枝は3-4-2-1と異なるフォーメーションの相手との対戦だったが、高木駿を組み込んだビルドアップとボランチの立ち位置、メンバーのチョイスと配置などによってどちらのゲームでも好感触を得た。今節の相手・金沢は4-4-2。柳下正明監督が構築した特徴的な守備からリズムを作り、鋭いカウンターでゴールを目指すチームだ。そんな相手に対しても、直近2試合での手応えをもとに立ち向かっていきたい。
 
この連戦中、高木の今季初出場や香川勇気の11試合ぶり出場のほか、開幕から3バックの中央を務めてきた上夷克典が右CB起用されてユーティリティ性を披露し、宇津元伸弥や保田堅心が存在感を示してきた。デルランも守備で強度を見せ、ペレイラも今節には戻ってくる。戦力のチョイスにあたり指揮官が頭を悩ませるのはいいことだ。
 

金沢の特徴的な守備をどう攻略するか

金沢は前節、先発10人を入れ替えて栃木戦に臨み、0-4で敗れている。前々節の藤枝戦から中2日でのアウェイ戦ということで、大幅なターンオーバーを敢行したようだ。おそらく今節は、前々節までのメンバーで乗り込んでくると予想される。
 
マンツーマン気味のしつこい守備で相手に自由を与えない金沢を、どう剥がしてゴールを奪うかが今節の焦点になるだろう。だが、そちらに意識を割き過ぎてうっかりボールを失えば、たちまちにして鋭いカウンターを受けることにもなる。そのスタイルがハマれば5ゴール、3ゴールと大量得点して圧勝するのが金沢だ。ただ、「ボールを保持して攻め続けていればそもそも守備の心配はない」というのがラディカルなところでの下平隆宏監督の考え方で、それに関しては野嶽惇也の言葉が心強い。
 
「バランスがいいとボールを失ったときも取り返しに行きやすい。選手の距離感が自然とよくなる戦い方だったからこそ、前節は相手を押し込めたのではないかと思う。攻撃が課題だと取り上げられがちだったが、守備でいい形で奪えていたのが大きかったかなと個人的には思う」
 
昨季は金沢とは1分1敗。スタイル的にも決して相性がいいとは言えないが、J1昇格のためにはいかなる相手も倒さなくてはならない。GW3連戦のラストを連勝で飾りたい。