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今節の見どころ

3連敗の3戦目で見えた光明。その手がかりを結果につなげたい

 

3連敗となったが、その最初の2戦から大きく修正された感触も得た前節の仙台戦。そこから中3日でのアウェイ連戦となる今節の藤枝戦では、見えてきた浮上の契機をしっかりと掴み、勝点という結果を手に入れたい。

 

野村が仙台戦のピッチで感じた確かな手応え

3連戦の2戦目はアウェイ藤枝戦。前節の仙台戦から中3日でのアウェイ連戦で、チームは仙台戦の翌日、静岡県内に移動すると、1日からの2日間でコンディション調整と戦術確認を行った。前節の仙台戦で34分に退場となった香川勇気と試合後に退場したペレイラを欠いて、今節は大分に残っていたメンバーから2名を合流させての準備。天候にも恵まれ、天然芝のグラウンドでの攻撃練習はのびやかだった。
 
野村直輝は仙台戦について「負けはしたが収穫がかなりあった。やりたいことがちゃんと見えたし、10人になってからも失点しないように試合を運ぶなど、みんながちゃんと考えながらプレーした。相手を見てポジションを取ることが出来ていて、やっとこういう感じでやれるんだと思いながらの退場だったのだが、あのビルドアップが続けられれば得点チャンスはもっと作れる。僕的には非常に手応えがあった試合だった」と前向きに捉える。
 
前半途中で10人になった試合であるにもかかわらず、GPSデータを見るとそれほど個々の走行距離は伸びていなかった。「いままではとにかく前からプレスに走るという戦い方を続けていたけれど、前節は賢く戦うということが出来ていたからではないか」と野村は分析する。これまでは内容がともなわなくても勝っていたことで課題が埋もれていたが、それが噴出して連敗。だが、その3連敗目は、あらわになった課題を乗り越える道が見えたゲームだった。
 

超攻撃サッカーの藤枝とも賢く戦いたい

それを踏まえた上で下平隆宏監督は「だけど結果を出さなくてはダメだ」と選手たちにハッパをかける。試合終盤に築いた2つの決定機は仕留めなくてはならなかった。「勝たなくてはサポーターに喜んでもらうことは出来ない」と、攻撃精度の向上を厳しく求めた。
 
仙台戦で掴みかけているものを、勝点に結びつけることが出来るかどうかが、今節の最大のテーマだ。ただ、メンバーが代わるだけでなく、藤枝のシステムは3-4-2-1でこれまでとは異なる。ここまでずっと4バックの相手との対戦が続いており、3バックのチームと対戦するのは第3節の栃木戦以来だ。そうなればプレスの様相も変わってくる。自分たちがどういうフォーメーションで戦うか次第でミラーゲームになるか否かも決まる。
 
須藤大輔監督体制3シーズン目の藤枝は、その超攻撃的スタイルを存分に発揮して、初めてのJ2で旋風を起こしている。ここまでリーグ最多の9得点を挙げている渡邉りょうを頂点に、チームとしてもリーグ最多の22得点。失点数は18と多いが、須藤監督の標榜する「3点取られても4点取って勝つサッカー」を体現して現在5戦負けなしと好調だ。
 
勢いあふれる相手との敵地での戦いは、決して簡単なゲームにはならない。それでもこの流れで勝利すれば、大分はふたたび上昇気流へと近づける。大事な山場が、今節も続く。