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今節の見どころ

首位で迎える頂上決戦。Gスタをアウェイジャックして4連勝に歓喜せよ

 

6連勝で首位を走っていた町田が2試合連続で失速し、3連勝した大分が順位を入れ替えて挑む首位攻防戦。チームの地力が抜群に高く、ここまでリーグ最少3失点の相手をどう攻略するか。ここ3試合で攻撃に手応えを得ているチームの腕の見せどころだ。

 

上位に立って迎える首位攻防戦

3連戦の3戦目は、アウェイで町田に挑む戦いだ。第7節H磐田戦を2-1、第8節Aいわき戦を3-1、そして前節のH山口戦を3-1と3連勝中のチームは、第8節H秋田戦を0-1で今季初黒星、前節のA磐田戦を1-1でドローに終えた町田を勝点2差で上回り、上位に立って首位攻防戦を迎えることになった。
 
第6節のA大宮戦に0-3で初黒星を喫した後、下平隆宏監督以下コーチ陣が攻撃面で選手たちをサポートして以来、それまで抱えていた課題は大きく修正された。ただ、戦術を整理はしたものの、選手たちがピッチで判断する余地は大きく残されており、「その匙加減がいまは上手く行っている」と指揮官。その後の3試合は相手を見ながら立ち位置を取り、フレキシブルに攻め手を探りながらゴールを目指すことが出来ている。前節の山口戦でも可変システムで対応してきた相手に困惑することなく、グループで組織的に立ち回れていた。そこにはいわき戦で苦戦した時間帯の経験も生かされていると、選手たちは口を揃える。
 
攻撃的な立ち位置を取り続けることで守備に関してはリスクを負うことになるが、トランジションの素早さと守備陣の個々の強度によって、ピンチになる前にかなり防げている印象だ。とはいえ3連勝中も各試合1失点は続いており、そこを無失点に抑えられれば今後の得失点差勝負にも有利になってくる。
 
3連戦の最初の2試合を同じ先発メンバーでスタートしたチーム。今節は同じ中3日でもナイトゲームからのデーゲームで準備に充てられる時間は半日短く、アウェイへの移動もある。十分にコンディション回復して向かいたい。
 

相手の堅守のどこをどうやって綻ばせるかがカギ

今季から黒田剛監督が指揮を執る町田。多額の予算を投入して大型補強を行い、いわゆる“ムキムキ”状態でシーズンインした。開幕はホームで仙台に0-0とドロー発進だったが、第2節からは群馬、金沢、水戸、山形、いわき、藤枝に6連勝。首位を走り続けていたが、ついに前々節、秋田に0-1で敗れ、前節も磐田と引き分けに終わって2位に転落している。
 
秋田戦ではゴール判定の誤審騒動、磐田戦では乱闘を伴う退場ありと、2試合連続でトラブル続きという状況。今節はホームですっきりと大分に快勝してここ2戦の流れを断ち切りたいと、本腰を入れてくるはずだ。
 
何よりもここまでわずか3失点の堅守が光る。両SHが最終ラインまで落ちて6バックを形成するまでに自陣での守備を徹底。そのSHのスピードと運動量に支えられる戦法で、前線のエリキが単独で起点を作る間に攻撃参加してゴールを狙う。群馬戦と金沢戦ではそれぞれ2得点、水戸戦と山形戦でそれぞれ3得点を挙げているが、その後は無得点と1点のロースコア勝負となった。
 
いずれにしても戦力個々の強度が高く、守備意識が高い。その最後の砦となるのは古巣戦となるポープ・ウィリアムだ。今季大分から移籍し開幕から攻撃の要となっていた下田北斗は第3節の金沢戦で全治約5週の左ヒラメ筋肉離れを負っており、クラブ公式ツイッターの練習動画では“らしさ”全開のコントロールシュートを決めてみせたりしていたが、おそらく全治期間を考えればまだ完全合流はしていないのではないか。前キャプテンと対戦したい気持ちも山々だが、代わりに出場している稲葉修土は野嶽惇也の福岡大の1学年上で、その本職と今季からコンバートされた新鋭の先輩後輩ボランチ対決も見どころのひとつとなる。
 
前節はS級ライセンスの国内集中講習で不在だった金明輝ヘッドコーチも、13日までのプログラムを終えて次は17日からということで、今節はベンチに戻っているはずだ。下平監督が柏アカデミー時代から親交のある黒田監督と、鳥栖にポゼッションサッカーを落とし込んだ金明輝ヘッドコーチの強力なコンビが揃い、ピッチだけでなくベンチの顔ぶれも、かなり手強い。
 
ホームで全勝中の勢いをアウェイでの3勝目にもつなげるべく、下平監督の一声を皮切りにチームはGスタでのアウェイジャックを扇動中だ。強い相手を上回るには、サポーターの後押しが大きな力になる。ピッチとスタンドで熱を高めあって、総力でこの大一番をものにしたい。
 

試合に向けての監督・選手コメント

■下平隆宏監督
 
町田のプレッシャーは激しい。その中にテクニシャンもかなりいて、特にエリキなどは変化を起こせる選手。失点も3と少なく守備が堅い。守っていても前線の選手でカウンターで仕留められるので得点も取れていて、チームとして勇気を持てる。そういう強さがあるチーム。構図としてはこちらがボールを持って攻めあぐねたときにカウンターを受けるというかたちになるのではないかという気がしている。
 
■DF 19 上夷克典
 
連戦で多少の疲れは残っているが、出来るだけ回復したい。試合に入ってしまえばやるしかないので大丈夫。町田には速い選手が多いイメージなので、いかにエリキ選手に仕事をさせないか、いかに相手をスピードに乗らせないかが大事。守備に関しては、前からプレスがしっかりかかっているぶん、パスコースが限定されたり前線で奪ってくれる回数も増え、後ろへの負担も昨季より減っている。相手も嫌だと思う。攻撃陣の守備のスイッチが効いている。
 
■MF 28 野嶽惇也
 
3連戦の3戦目だが、なによりも勝っていることが体を動かしてくれる。いいかたちでの首位攻防戦。ここまで積み上げてきたもので力のある相手に対してどれくらいやれるのかが楽しみ。町田は何でもないところから決定機に持っていけるイメージ。攻撃の部分は積み上げたものを出すことがもちろんだが、守備はもう一度集中し直したい。ゴールキックなどからやられたら本当にもったいない。いわき戦から意識を強めている球際や攻守の切り替えをもう一度徹底した後に、相手との駆け引きがついてくる。だからまずはベースの部分。
 

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