今季初の連戦スタート。強度の高い相手を倒しに初めての敵地へ
今節から3連戦。今季初の連戦だ。最初はJ2第8節、アウェイいわき戦。初めての敵地へと、強度の高い相手を倒しに向かう。
攻撃のクオリティーは高まりつつある
今季初黒星を喫した前々節・大宮戦からの前節・磐田戦は、ソリッドな相手に対して目指すスタイルを体現しつつ、2-1で勝利した。2点リードしながら終盤に失点し、相手の追撃に脅かされるという課題は残したが、茂平のドームでの念願の初得点、伊佐耕平の今季初得点とチームが勢いづく要素もあり、今節からの3連戦へと弾みをつけたいところだ。
今週も4-4-2システムの相手。ゴール前を固められた際の攻略法など主に攻撃戦術の確認を行ったトレーニング後に下平隆宏監督は「少しクオリティーが上がってきている」と手応えを口にした。前節の磐田戦でもいい崩しがいくつかあり、伊佐による2点目に結実した一連の攻撃のスタートとなった野嶽惇也の攻撃参加について本人に確認すると、選手個々の特長を踏まえ攻撃の形をイメージして走ったとのこと。藤本一輝も、昨季までの三竿雄斗や下田北斗が抜けた左サイドに今季新たに入ったデルランをどう生かすかなど、細部の意思疎通が徐々に深まりつつあるようだった。
今節のいわき戦が終われば中3日でホーム山口戦、さらに中3日でアウェイ町田戦。強度が高かったりアグレッシブだったりという相手が続く中で、新たに調子を上げて試合に絡んでくるメンバーが出てくるか否かも楽しみだ。
守備強度の高いいわきを攻略したい
クラブヴィジョンのひとつに「日本のフィジカルスタンダードを変える」を挙げるいわきは、トレーニングのみにとどまらず栄養管理やサプリメント供給などフィジカル強化に主眼を置いてチームを構築しており、それをもって選手たちは高い強度でプレーを続けている。2021年にJFL優勝してのJ3昇格を掴むと、昨季は1年目にしてJ3優勝を遂げ、今季からステージをJ2に移した。
開幕の藤枝戦は3点ビハインドから1点差まで追い上げながら追いつけず、第2節の水戸戦は2-2のドロー。以降はウノゼロで4試合が続き、うち仙台と徳島に勝利している。前節はアウェイで岡山に1点リードして迎えた試合終盤、微妙な判定によりPKで失点して1-1のドローとなった。
大分にとっては高い強度の守備をいかにこじ開けるかが問われるが、カウンターへのリスクマネジメントも重要だ。今節は初めてのスタジアムで、スタジアムの形状やロッカールームの使い勝手、気象も含めてのピッチコンディションなど、さまざまな面で想定外のことが起こる可能性もある。試合前夜時点での天気予報は小雨からの弱雨。風速は2〜4mとなっている。
ホームでは4連勝中と全勝しているが、アウェイでは1勝1分1敗。ゴールを奪って勝利を掴み取りたい。
試合に向けての監督・選手コメント
■下平隆宏監督
いわきはフィジカル的に強いチームで、よく走るし守備のところも戦ってくるので、難しいゲームになると思う。攻撃のところでは得点を奪うために相手の守備をどう崩していくかということが課題になるし、失点のところもゼロに抑えたい。ここで連勝できればチームとしても勢いがつくし、いわき、山口、町田という強いチームとの3連戦はすごく大事になる。
いわきは攻撃も上手く、狭いところでもよく攻めている。いわきの堅い守備を攻略しながら、カウンターへのリスクマネジメントも徹底したい。ここのところ失点も続いているので、守備の意識を緩めないようにする。
■FW 13 伊佐耕平
いわきは強度の高いチームなので、簡単には行かないと思うが、自分たちも切り替えの早さなどをもう一段階上げてプレーすれば圧倒できる。うちはまだミドルシュートが少ないのだが、そこを打つことによってまた変わってくると思う。
アウェイでまだあまり勝てていないので、しっかり勝ちに行きたい。今季初の連戦になるが、いわき戦までは1週間の準備期間があるので先のことは考えずにトレーニングに取り組んでいる。
■MF 5 中川寛斗
いまはみんなが今季課題としていることに対してトライしている。相手にとって怖いプレーとか、どういった形で点を取るかというところ。トライ&エラーの繰り返しでよくなっていくものなので、手応えもある。相手にとって脅威になるプレーをどれだけ選択できるか。そこは全員が意識することだと思う。
いわきはパワーの出しどころがはっきりしているチームなので、そこにはしっかり対策して臨む。僕らは僕らで、今節のいわき戦に向けてだけでなく、J1昇格してJ1に定着するために、そしてまた上を目指すために、このサッカーを少しずつ突き詰める必要がある。