相手は9連戦中ながら好調の磐田。前節を払拭して2試合ぶりの勝利を掴め
前節の今季初黒星から気持ちを切り替え、あらためて集中し直したチーム。攻撃面の課題を克服すべく意思統一して、今節の磐田戦に臨む。
攻撃戦術を整理して共有。得点力向上へ
相手に圧倒されたわけではないのに、現実は0-3での敗戦。どこかモヤのかかったまま進んでしまった前節・大宮戦の初黒星。アンラッキーな面もありながらの試合開始早々の失点と、そこからの立て直しを期した矢先の後半立ち上がりの失点に引きずられ、終始ペースを損なったままだった印象だ。
今節はその敗戦からリバウンドする力が試される。オフ明け初日のミーティングでは大宮戦の映像を示しながら、安井聡志コーチが「絶対に隙を与えてはいけない。むしろこちらが突いていくんだ」と引き締めるメッセージ。それを受け、チームは集中し直して今週のトレーニングに取り組んだ。
守備に関しては前々節まで5試合2失点に抑えていた堅守を取り戻すこと。デュエルやトランジション、最後に体を張るところなどが復活すれば、特に問題はないはずだ。「それよりも根深いのは攻撃面の課題」と下平隆宏監督。今季は「共創」をキーワードに選手たちの自主性を引き出すマネジメントを貫いているが、今週は得点力不足の課題を克服すべく、戦術的整理をもって攻撃面をアシストした。ミーティングで共有した攻撃の大まかな形をグラウンドで確認しつつ、相手の出方を見ながら臨機応変に攻略できる態勢を整えていく。
前節2-0快勝の磐田は9連戦の3戦目
「今年は他人事みたいに言ってるけど」と下平監督は苦笑いしたが、磐田は目下、ルヴァンカップを含めた9連戦の真っ最中で、今節はその3試合目。変則的に29日に開催されたJ2第6節のホーム栃木戦から中2日で、アウェイの大分へと乗り込んでくることになる。
その前節の栃木戦に2-0で快勝して過密日程を乗り切る勢いへとつなげたい磐田が、今節、どういうメンバーで臨むか。横内昭展監督も今季就任したばかりで連戦中のマネジメントが見えず、大分としては予想に基づいた対策が難しい状況になっている。
開幕から4節まで1トップで先発してきた杉本健勇が3月21日に横浜FMへと期限付き移籍し、第5節と第6節は17歳の後藤啓介でスタート。本来ならばまだU-18在籍中のところ、飛び級で今季からトップチーム昇格を果たした逸材で、第1節・岡山戦でJリーグ初出場にして2得点。17歳260日でクラブ史上最年少ゴールを挙げて勢いづくと、ここまで3得点でチーム得点ランク首位に立っている。
その後藤と肩を並べるのが前節、3得点目を挙げた松本昌也だ。中津市生まれで大分でプロデビューし、2016年J3優勝を支えた生え抜きの一人。2019年以来の故郷での古巣戦を前に2戦連続得点中と調子を上げている。
昨季までJ1で戦っていたチームだけに戦力個々のポテンシャルは高く、現時点では2勝2分2敗で中位に甘んじているが、波に乗れば順位浮上は待ったなしの地力はある。今節は今季初の連勝を目指すシチュエーションとなっている。
大分としては、前節に続き4-4-2の相手。ここからしばらく4バックのチームとの対戦が連続することもあり、戦い方を整理しながら練度を高めていきたい一戦でもある。前節終了後に敗戦にもかかわらず前向きに応援してくれたサポーターの思いに応えるためにも、今節はしっかりと勝ち切りたい。
試合に向けての監督・選手コメント
■下平隆宏監督
磐田は9連戦中で、どういうメンバーが出てくるかも予想が難しい。前節から中2日で、連戦させるかもしれないし休ませるかもしれない。後藤選手は練習試合をしたときも裏への抜け出しなどのタイミングがすごくよかったので気になるプレーヤー。磐田は基本的に穴がなく、ボランチも強くしっかりしているチーム。
攻撃でいい形を作り、ちゃんとアタックして点を取りたい。今日は通常は行わないミーティングを行なって攻撃戦術を整理し共有した。そういうものは最初から押しつけてはいけないと思うが、選手たちの状況を見ながら落とし込んでいく。優先順位など頭の中で整理はしていると思うので、あとは体がどう反応していくかというところになる。
■DF 19 上夷克典
前節は3失点したが、ひとつの要因としては1失点目を引きずったところもあったかもしれない。前半、自分たちの時間帯で攻め込んだときにひとつでも点が取れていれば全然違う展開になっていたと思う。今日の攻撃練習では全体のイメージとしてひとつ形は出来た。それを実戦にどう表現できるかが次の試合で試される。そこは楽しみのひとつでもある。
今節のポイントは、まずは失点しないこと。いい守備からいい攻撃につながれば、自分たちのゲームに持ち込めると思う。
■MF 16 茂平
今日はミーティングで攻撃のイメージを共有してからグラウンドでトレーニングした。僕としては、いろいろ動くことで糸口を見つけることが出来そうな手応えが得られたと思う。
攻撃の形は、大体は臨機応変に出来るよう共有できている。前節も映像で見返すと、意外と結構惜しいシーンがあった。あの失点以外はピンチもなかった。技術を持った選手がいるので、トライしてペナの中に入っていく回数が増えれば絶対に得点できると思う。