今季初のミラーゲーム。真っ向勝負を制して3連勝スタートへ
アウェイとホーム、それぞれの開幕戦で2連勝。1万5705人に後押しされた前節に続きホーム2戦目となる今節は、栃木を迎えての今季初のミラーゲームだ。
3連勝を目指す大分と今季初勝利を期す栃木
アウェイでの第1節・徳島戦を2-1、ホームでの第2節・東京V戦を1-0と、幸先よく2連勝でスタートしたチーム。いずれもポゼッションの巧みな相手に対して激しい守備で先手を取り、苦しい時間を耐えながら泥臭く得点して勝利を掴んでいる。
下平隆宏監督は「勝ったからこそ出来る反省」と前置きしつつ、前節の振り返りミーティングで、後半途中から運動量が落ちて攻撃が単調になったため相手の時間帯が増えてしまった課題を指摘。選手たちにさらなる向上を求めた。
今節の相手・栃木のフォーメーションは大分と同じ3-4-2-1。大分にとっては公式戦今季初のミラーゲームとなる。栃木も昨季までに比べるとポゼッションの意識を高めているようには見えるが、徳島や東京Vとは異なり、攻撃はダイナミックで縦に速い。そういう相手に対して大分としては、ここまでの2戦と戦い方を変化させるのかどうか。指揮官は「あくまで真っ向勝負」と宣言し、プレシーズンから浸透させてきた球際やトランジション、ゴールを目指す意識を前面に押し出す構えのようだ。
栃木は栃木で、ホームでの開幕戦で熊本と辛くも引き分け、前節はアウェイで仙台に0-1負け。今節はアウェイ連戦だが今季初勝利を期し、意気込んで乗り込んでくるに違いない。
ガチンコのミラーゲームをどう支配するか
ピッチ全域でマッチアップが白熱しそうなミラーゲーム。中盤でのボール奪取とセカンドボール回収が主導権を左右することももちろんだが、やはり3-4-2-1同士となればサイドの攻防は見応えのあるものになりそう。前節決勝点を挙げたほか、個人技による突破でいくつもの好機を演出した左WBの藤本一輝は、スピード自慢の黒﨑隼人と対峙することになる。右WBの茂平も好調で、こちらは個での仕掛けに加え野村直輝や野嶽惇也とのコンビネーションも魅力。対する栃木の左WBは、おそらく今節も大森渚生になると予想される。
昨季の堅守を維持する栃木の守備陣を、どう攻略して得点するか。今週の攻撃陣の練習では選手たちにそれをイメージさせながらプレーさせ、時折、下平隆宏監督がボールを止めて指導する場面も見られた。守備陣のほうは栃木の迫力ある攻撃への自陣での対応をシミュレーション。上夷克典がミラーゲームにおいてペレイラとデルランを上手く動かしながら、自らも根本凌に起点を作らせない仕事を求められることになるだろう。今季加入した高萩洋次郎には注意したい。
前節・東京V戦の翌日に行われた山口とのトレーニングマッチでは、ここまでメンバー外が続いていたサムエルが2得点。前節終盤に実戦復帰した町田也真人も得点しており、ベンチメンバーを含め攻撃陣の選択肢が幅を広げれば、指揮官のゲームプランも自由度を増しそうだ。
今節も前節に続き最高の雰囲気に包まれたレゾナックドーム大分で戦いたい。試合後に1万人超のサポーターと勝利の歓喜を分かち合えるよう、チームは万全の準備を続ける。
試合に向けての監督・選手コメント
■下平隆宏監督
前節は疲労した選手もいて、そのときの状況で引いて守る選択をしたことは理解できるが、実際に危ないシーンもあったので、あそこで失点していたらそこから盛り返すのは結構しんどかったと思うし、下手したら逆転されてもおかしくない流れだった。ここからもっと意識を高めていきたい。それが出来るようフィットネスをシーズン通して上げていかなくてはならないが、むしろマインドのほうが大きいかもしれない。勝ったからこそまたそういう反省が出来た。
栃木は守備ではハードワークしてくるし、攻撃は縦に速い。前でボールを収めて周囲がサポートしながら迷いなくダイナミックに戦ってくる難しい相手。堅い相手だが点を取りたい。
■DF 19 上夷克典
今節はミラーゲームでボールを持つのは難しいとは思うが、自分たちで工夫しながら上手く攻撃できればとイメージを描いている。根本選手は体が強い1トップだが、ボールが来る前の駆け引きやトラップ際を狙うなどして収められないようにしつつ、相手の攻撃につながることがないように、しっかり芽を潰していきたい。
ミラーゲームのほうが人にはっきりつけるのでいいのかなと思うが、そこでサイドから走られたときの受け渡しが難しくなると思うので、上手くフォローできればと思う。東京V戦の前半のように自分たちでボールを保持しながらゲームを支配して、相手を抑えつつ1点、2点と得点して勝利したい。