みんなで準備して臨むホーム開幕戦。前節の劇的勝利の勢いのままに突き進め
アウェイでの劇的逆転勝利から1週間。26日のJ2第2節はいよいよホーム開幕戦だ。いくつもの難しい状況を一体感をもって乗り越えた第1節の勢いのままに、レゾナックドーム大分でも躍動したい。
今季のチームは一味違うと感じさせた開幕・徳島戦
前節の徳島戦は雨まじりの強風に苛まれ、スタイルを表現できずに苦しんだ。さらには一度は獲得したPKの判定が経緯不明で覆るというアクシデントも生じ、サッカーに集中するのが難しい状況でもあった。
その中で、チームを精神的に牽引したのがシャドーで先発したキャプテンの梅崎司だ。「絶え間なく声をかけようと思っていた。一瞬隙を見せたらやられるような相手で、それを狙ってきていたので絶対に隙を与えないように」と、キャプテンとしての公式戦初陣に臨んだ。ジャッジ転覆の場面では「まずはレフェリーの意見をしっかり聞こうと思っていた。感情的になることも大事かもしれないが、好戦的にするよりは好意的に接したほうがいいかなと。リードした展開でもあったので、上手くコミュニケーションを取りながらと意識していた」と明かす。前半は向かい風、後半は追い風と強風の影響を受けながら、選手たちがそのときどきでの立ち位置をピッチの中で工夫していたことも好感触だった。
デルランや安藤智哉、茂平ら新戦力のストロングポイントが組織の中で生かされ、途中出場組が活躍して先発組の勢いを維持しながら状況に対応したこと、最後に宇津元伸弥と高畑奎汰が劇的勝利を演出したことも、次なる展開へとつなげたい材料だ。
相手にペースを握らせずに完封6連勝中の東京V
一方で、前節終盤の失点と攻撃精度には課題が残った。攻撃に関しては、風に流されたり押されたりするボールの進み具合が予測しづらく奪った後のトランジションに迷いが生じたことも要因のひとつだったが、相手の激しいプレッシングに遮られた場面も多かった。
それを踏まえて今週の基礎練習では相手のプレスをかわして前進することが主なテーマとなっていたようだ。ゲーム形式では目指す場所として必ずゴールやミニゴールが置かれており、つねに得点からの逆算が意識づけられていることはプレシーズンから一貫している。
今節ホームに迎える東京Vも、球際に厳しく寄せてくるチームだ。その激しいプレッシングをどうかいくぐってゴールを目指すかは今節の攻撃の焦点となる。逆に守備ではこちらのプレスでいかに相手のビルドアップを阻むかがカギ。東京Vのハイレベルなポゼッションは非常に手強い。前節の東京Vは巧みな立ち位置と足元のテクニックで金沢が得意とするマンツーマンディフェンスをほとんどハメさせることなく、ほぼ一方的に主導権を握る展開をものにしていた。
相手にペースを握らせずに相手陣でサッカーをすることを目指すスタイルで昨季終盤から6戦無失点勝利を継続中の東京Vに、なんとかして土をつけたいところ。セットプレーも含めいかなる手段でも勝ち切って、サポーターの声援が反響するレゾナックドーム大分で、連勝スタートを切りたい。
試合に向けての監督・選手コメント
■下平隆宏監督
東京Vは上手いチーム。簡単な試合にはならないと思うが、前節の徳島も上手いチームで苦しめられた。今節も思い切って戦いたい。いよいよホームで試合が出来る。開幕2連勝すればいいスタートにつながる。今季初めてレゾナックドーム大分でも練習し、芝は先週のラグビーの影響で少し傷んでいるが、いい雰囲気でトレーニングできた。
「ホームゲーム入場者数1万人超え」を目標としている中で、選手たちに開幕の徳島戦はすごく大事だよという話をして、それを勝つことが出来た。今節はホームに来場してくれる人たちに、どんなサッカーをしてみせて、また次につなげていくか。そういう意味で今節の東京V戦も大事。もちろん勝つこともそうだし、自分たちの戦う姿を見せることで次の観客動員につながっていくと思うので、単なる一試合ではなく次につなげる一試合だよと選手たちに話した。
■MF 16 茂平
今節、初めてドームのピッチに立つ。高校生のときから夢見た舞台。ユースのときもここでプレーしたことがなくて、スタンドから見ていただけだった。ここで勝ってみんなで勝利の喜びを分かち合いたい思いでいっぱい。気持ちが入ると思うがリラックスして試合に臨みたい。今日、練習でも初めてプレーしてみて、すごくいいなと思った。芝の感触も悪くない。今日でも声が響いたりしているので、これで1万人観客が入ったらどうなるんだろうと。僕が高1の頃は2万人くらい入っていて、そのときの記憶がすごくある。応援もすごかった。勝利で期待に応え、あのときのような「あるべき姿」に戻せたらいいなと思う。
東京Vは個人でテクニックのある選手がいるイメージ。そこは対人で強く行けば問題ない。怖がることなく守備でも攻撃でも押し出して行ければと思う。ホーム開幕戦なので、前節から連勝してスタートダッシュできるようにやっていきたい。個人的に徳島戦は硬かった部分もあったが、いい感じでほぐれてきたので引き続き自分のよさを出してチームの勝利に貢献したい。
■MF 7 梅崎司
東京Vは相当上手いなという印象が強い。前節対戦していた金沢よりももっと連動して強度を高めていったときにどうなるかというところは楽しみ。それがうちの今季のひとつの生命線にもなると思う。ここでどうプレッシングを強めて相手を壊すかというのが重要なので、高めていきたい。
（ホーム開幕戦の集客のためにチラシ配布なども行ったが）すべての行動は勝つため。勝って人を呼ぶため。自分たちの目標を達成するためだと思うので、勝たなくてははじまらない。結果にこだわらなくてはならない。どんな形でもいいので勝つ。もちろんいいサッカーをして熱い試合をしてというのもあるけど、やっぱり勝つことにこだわるのがすごく重要。そこにこだわっていけば自然とそういうものもついてくると思うので、結果にこだわりたい。みんなで「今季は行ける」「もっと見たい」という期待感を生み出したい。
