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今節の見どころ

今節勝利すればプレーオフ圏内確定。自動昇格王手の横浜FCを下せ

 

新潟が自動昇格を決め、熊本も岡山に続きプレーオフ1枠を埋めた。大分は今節、横浜FCに勝利すれば6位以内確定という状況。相手は自動昇格に王手をかけているが、こちらはシンプルに勝ちに行くだけだ。

 

いろいろと状況の動いた第40節1日目

J2第40節1日目の結果をもって、新潟のJ1自動昇格が決定。熊本はJ1参入プレーオフ圏内を確定し、岡山に続いて4枠のうち2枠目を埋めた。
 
仙台が敗れたため、大分は今節、横浜FCに勝利すればプレーオフ圏内が決定する。一方の横浜FCも、この試合で大分に勝てば自動昇格決定。ただ、18時キックオフの試合に先駆けてこの日の13時にはじまる甲府対岡山で、現在3位につける岡山が引き分け以下でも横浜FCの自動昇格が決まる状況でもあり、JITスタジアムの試合が終わらなくては横浜FCのステータスが決まらないということになる。場合によってはすでに自動昇格が決定した後での試合になるかもしれない。
 
その結果が試合にどう影響するかは蓋を開けてみなくてはわからないが、弓場将輝は「相手のほうが難しい状況なんじゃないですか。こちらは熊本を抜くためにシンプルに勝ちに行くだけ」と迷いなく、この大一番が古巣戦でもある下平隆宏監督は「相手がガチで来てくれたほうがいい試合が出来る」とそのときを待つ。
 
そういった順位にまつわる条件はあるものの、どう転んでも大分として目指すのは勝利のみ。そんな状況が知らず知らずのうちに心に拍車をかけるのか、報道陣に公開された今週初日のトレーニングでは、選手たちが非常にいいテンションを見せた。
 
半面コートで行ったゲームではこれまでに比べて明らかにゴール前のシーンが増えている。実際にネットが揺れる回数も多かった。そう言うと守備面が不安になるかもしれないが、決して守備が緩かったというわけでもなく、それを上回って得点が生まれていた印象だ。好調の井上健太は公式戦さながらの突破を披露していた。下平監督もゲーム全体について「活気があった。以前はすぐに下げたり、前につけるチャンスを見逃したりということがあって、それはずっと言ってきたのだが、確実によくなっている」と手応えを感じている様子だった。
 

個が強力な横浜FCは無失点で3連勝中

前々節の甲府戦は相手に主導権を握られ内容的には課題満載ながら、あきらめずに劇的勝利を掴んだ。前節の長崎戦はほとんどの時間帯でゲームを支配しての圧勝。このホーム連戦連勝の勢いをもって、今節は敵地へと乗り込む。
 
今季就任した四方田修平監督が率いる横浜FCは、シーズン当初はミシャ式による戦いを展開していたが、徐々に現実的な方向へとシフト。5枚のブロックで守りながらマルセロ・ヒアンや小川航基、長谷川竜也といった決定的な仕事の出来る攻撃陣を前線に並べ、サイドにはスピードのあるアタッカーを配置して攻撃を託す。前々節の長崎戦で負傷した守護神スベンド・ブローダーセンが今節戻ってくるか否かはわからないが、代わりに出場した六反勇治も安定感抜群。大分アカデミー育ちの岩武克弥が右を司る最終ラインも堅固な守備を継続しており、ここ3試合は無失点で3連勝中だ。
 
攻守両面で強度が高く、自動昇格に王手をかけた横浜FCを、こちらも好調の大分がどう上回るか。9日の横浜の天気予報は雨となっており、それも含めてタフなゲームが予想される。三ツ沢のスタジアムでは今節まで声出し応援も封印中で、大分にとってはひさびさの“声なし応援”での試合となる。
 
いろいろな要素が絡み合う一戦だが、弓場の言うとおりシンプルに勝つことだけを目指せばいい、それだけはブレない。三ツ沢での歓喜は次節に持ち越してもらうとして、こちらが先にJ1参入プレーオフ枠を確保したい。