リーグ戦ラスト5。プレーオフのその先へと弾みをつけたい一戦
リーグ戦残り5試合と、その先のJ1参入プレーオフ、そして入れ替え戦に向けて、勢いに乗りたいシーズン最終盤。次節からの上位直接対決3連戦に弾みをつける内容と結果を求めたい。
ここからは右肩上がりの勢いがカギになる
開幕前から波乱万丈だった今季もリーグ戦は残り5試合。目標としてきたJ1昇格のためにはJ1参入プレーオフを勝ち上がり、さらにJ1の16位チームとの入れ替え戦に勝たなくてはならない。ここからは右肩上がりの勢いがカギになる。前々節・大宮戦、前節・金沢戦と、中3日でのアウェイ連戦はいずれも勝点1に終わり、取りこぼした感も残るが、チーム状態が悪化したという印象もない。調子を上げていた坂圭祐の負傷離脱という痛いアクシデントもありつつ、これまでどおり、総力で上を目指すのみだ。
台風14号の影響で前節・金沢戦からの帰りの便が欠航となり、チームは試合後に予定どおり金沢に1泊したが、翌日は陸路で都内に移動し、1日遅れの20日午後、大分へと帰ってきた。スタッフと帯同メンバーはオフが飛んでしまったかたちになったが、21日に報道陣に公開されたトレーニングを見るかぎり、個々の回復度合によってメニュー調整しているメンバーもいながら、チームコンディションは悪くはなさそう。ゲーム形式のメニューでは球際激しくぶつかり合い、トレーニングながらデュエルに負けて本気で悔しがる表情も見られた。
3試合ぶりにホームに帰って行う今節の甲府戦は、勝点3がマストであるとともに、次節からの長崎、横浜FC、山形と続く上位直接対決に向けて弾みをつける内容にもしたいところ。現在勝点57で6位の大分を、ともに勝点55で7位・山形と8位・長崎が追っており、今節の甲府戦に敗れればJ1参入プレーオフ圏外へと弾き出される可能性がある。逆に勝利すれば5位・仙台と順位が入れ替わる可能性もあるという緊迫した状況。ちなみに今節、山形はアウェイで東京Vと、長崎はホームで横浜FCと、そして仙台はアウェイで岡山と対戦する。激しい潰し合いの様相を呈してきた昇格争いに、下平隆宏監督は「サバイバルレース」と表情を引き締めた。
基本フォーメーションを変更した甲府
天皇杯をベスト4まで勝ち上がっている甲府だが、リーグ戦のほうは現在4連敗中。その前は4連続ドローと、第30節・琉球戦以来、白星がない。現在は勝点42で16位につけており、現実的にJ1昇格プレーオフ圏は狙えそうにないと同時に、J3降格の心配もないという状況だ。
それもあってすでに来季に向けての土台作りに着手したのか、吉田達磨監督は第36節・新潟戦から基本フォーメーションを変更。開幕以来続けていた3-4-2-1ではなく、ここ2試合は4-3-3で戦っている。大分も今季の立ち上がりにチャレンジして苦戦したが、4-3-3は個のポテンシャルの求められる難しいシステムだ。メンバーはほぼ変わっておらず、セットの立ち位置を変えたのみだが、おそらく3試合目となる今節、それがどのくらい浸透してきたか。
エドゥアルド・マンシャら夏に加入した新戦力のフィットも進めつつ、甲府としてはより前向きに新戦術浸透に取り組むためにも、そろそろ勝利という結果が欲しいはず。J1昇格を目指す大分としては、思いの強さで負けることなく対峙したい。
三平和司がメンバー入りすれば、移籍後初の昭和電工ドーム大分への“帰還”。第2節の前回対戦時はコンディション不良から復帰したばかりでメンバー入りできず、スタジアムで大分サポーターに挨拶だけしていた。今節は挨拶がわりの得点も狙っていそうだが、それを許さないのもこちらの意地。ここぞというときに仕事の出来る強い気持ちを持つ男なので、ゴール前に飛び込んでくるアフロヘアーには重々、要注意だ。
試合に向けての監督・選手コメント
■下平隆宏監督
前節はわれわれの立ち位置から考えると勝点3が絶対に欲しいゲームだったが、前半があまりよくなく、後半にも追加点を上げられて2点ビハインドになった。ゲームの中でしっかり追いついて、さらに逆転の雰囲気まで作れたのはポジティブなことだったが、やはりわれわれの立ち位置としては勝点1は物足りない。
もちろん他チームの結果も気になるが、J1昇格争いはサバイバルレース状態な感じになっているので、一試合でも勝点を取りこぼすとそこから外れてしまう。逆にしっかり勝点を積み上げていければ、結果はついてくる。残り5試合で過酷なシーズンの最後をいかに閉めていくかがすごく重要になる。
ここ2試合引き分けが続いたので、ここでホームで戦えるのは心強い。9月最後の試合で勝って10月に勢いをつけたい。一戦一戦を落とせないサバイバル状態なので、必死で食らいついて勝っていく。甲府もしっかりポゼッションしてくるので守備もハメに行かなくてはならない。われわれもずっと攻撃したいのだが、相手に持たれる時間帯もあるので、しっかり守備の強度も上げていきたい。
■FW 40 金崎夢生
前節は2点ビハインドを追いついて逆転できそうなところまで行ったが、もったいない試合だった。前半からしっかり試合に入っておけば3-0で勝てたゲームだった。改善するべきところは多々ある。(台風で前節のアウェイから帰ってくるのが遅れオフがなくなったことについて)多少の影響はあると思うが、3日間しっかり練習できるので大丈夫。
今節はホームで戦えるのでもちろん勝利という結果にこだわるが、90分間通してしっかりした内容で勝つことがその次の試合にもつながると思うので、内容もしっかりある勝利を狙っていきたい。甲府もこちらに勝つ気でくると思うが、しっかりと戦って攻守に圧倒するゲームにしたい。個人的な得点の部分でも結果を求めたいが、それ以上にチームの勝利にこだわって頑張る。