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今節の見どころ

コロナ禍の中、総力で立ち向かう終盤戦。アウェイで2位・新潟に挑む

 

タフな3連戦を終え、3戦連続で今節も敵地戦。移動の負荷やコロナ禍の影響もありながら、チームは総力を挙げて、首位争い中の新潟に挑む。

 

安定したメンバー選考は難しい状況だが…

第32節H岩手戦、中2日での第28節A水戸戦、中4日での第33節A秋田戦と、長距離移動を伴うハードな3連戦を、チームは2勝1敗で乗り切った。水戸戦後に3日間にわたり選手3人のコロナ感染が確認され、秋田戦は急造布陣での戦いを強いられたが、第2節A甲府戦以来の出場となった吉田舜をはじめ、急遽抜擢されたメンバーを含めて、チームは組織的な戦いぶりを披露して無失点勝利を遂げた。
 
複数のファインセーブでピンチを救った吉田の安定感だけでなく、累積警告で出場停止だったペレイラに替わって3バックの中央を務めた羽田健人の守備組織統率、右CBでフィット感を増していた伊東幸敏など、アクシデントと引き換えの収穫も多々。急な出場となった選手を交えての連係も悪くなく、それについて弓場将輝はこう話す。
 
「ルヴァンカップがなかったらぶっつけ本番になっていたはずの選手もいたが、前半戦の連戦のおかげで選手が入れ替わっても誰がどういう特徴を持っているかが公式戦で経験できていたので、スムーズに対応できたと、秋田戦が終わってからあらためて感じた。急に起用された選手は驚くこともあったかもしれないが、それをチャンスと捉えて活躍できれば次にもつながる。みんなそういうハングリー精神を持っていると思うので、誰が出てもしっかり仕事できているのかなと思う」
 

5戦無敗、3連勝中で2位につける新潟

下平隆宏監督にしてみれば選手のコロナ罹患による離脱はまったくの想定外なので、試合に向けての準備は難しそうだ。「ここ1週間は毎日のように感染者が出ていたので、次のメンバー構想を練っている中で『あれ、そこが来たか…』みたいな感じになったりしていた。今後もアクシデントがあるものだと考えて、瞬時瞬時に判断してしっかり対応できるように考えていないと難しいシーズン。ただ、これはどのクラブも抱えている問題で、自分だけではないので」と気丈さを見せるが、対戦相手のチーム状態も含めて予測が出来ない状況では、通常とは明らかに異なるマネジメントが求められる。
 
秋田戦で好感触だったメンバーの離脱もあったようで、今季は本当に安定した選手起用が出来ない。ただ、コロナ感染による隔離から復帰してきたメンバーもいるはずで、今度はまた異なる構成で、このチームのポテンシャルを確認することになりそうだ。
 
新潟は前半戦の対戦相手の中でも、特に地力の高さを感じたチームのひとつ。現在は3連勝中、5戦無敗で2位につけ、首位の横浜FCを勝点1差で追っている。アルベルト前監督の確立したポゼッションスタイルが松橋力蔵監督体制へと受け継がれ、力量ある選手たちが攻守にハイクオリティーなゲームを展開するチームだ。
 
生え抜きの本間至恩はブルージュへと移籍したが、2019年に大分でプレーした伊藤涼太郎をはじめ、2列目のタレントには事欠かない。正守護神は大分から完全移籍した小島亨介。大分時代まではアタッカーだった星雄次は新潟ではボランチで戦術的才覚を発揮している。
 
間違いなく手強い相手だが、こちらも勝利が必要な状況。ポゼッションを志向する同士のマッチアップで、主導権を握るのはどちらか。
 

試合に向けての監督・選手コメント

■下平隆宏監督
 
コロナ感染者が相次いでいる中で、選手の人数は足りているのだが、ポジションバランスが悪く、薄くなっているポジションがある。意図しない事態がどんどん起きているのでなかなか大変。残り試合でも何が起きるか予想できないが、われわれの目標ははっきりしていて、まずはプレーオフ圏内に入り、プレーオフを勝ち上がって入れ替え戦まで行くこと。そこに向けて一戦一戦を大事に戦っていくことは変わらない。メンバーもそうだが、今後もアクシデントがあるものだと考えて、選手全員の誰が18人のメンバーに入りどの11人がピッチに立ってもいいように準備していく。
 
新潟は攻守にしっかりしていて攻撃力が高い。守備も、おそらくいちばん堅いのではないか。非常にバランスがいいチーム。そういう相手に対し、われわれも同じように攻守両面で取り組んでいる中で、システムは違えど目指しているスタイルは似ているところもある。そこはしっかりやり合いたいと思っている。
 
勝利するためには攻守すべてが必要になってくる。戦術的な部分も選手のコンディションも大事だが、最終的にはやはりメンタル的なところ。ここを落としたら後がない、本当に勝ちたいという気持ちをどれだけ前面に出せるかがいちばん重要になる。
 
■MF 43 弓場将輝
 
新潟は前線の得点力が高いチーム。いかに失点を抑えることが出来るかが勝利へのカギになると思っている。ボールを持たれる時間もあるとは思うが、自分たちがボールを持ったら大事にしてシュートで終われるような形を作りたい。相手がボールを持っているときにはしっかり守備を固め、声を出しながら連動して守りたい。
 
伊藤涼太郎くんは怖い選手だし、ここ数試合は出ていないが鈴木孝司さんには前回対戦でも苦しめられた。出てきたら厄介な選手だと思う。自分たちのラインを越えて相手FWに収まったらしっかりプレスバックして潰していきたい。
 
シモさん(下平監督)は練習では狙いの大枠を指示してくれるが、試合になると「自分の判断で思い切ってやれ」と言ってくれるのでやりやすい。自分の役割としては、中盤でのセカンドボール対応など、強度を出してボール保持率を高めたいと思っている。岩手戦ではゴールを決めて、こうしてチームを助けることも出来ると実感したので、ゴールを取ることも大切だと考えている。
 
新潟もボールを大事にするチームで、その対峙の中でどちらが上回り決め切るところを決め切れるかで勝敗が分かれてくる。難しい試合になると思うが、勝ちたい。
 

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