厳しい8月の初戦はアウェイ町田戦。ともに前回対戦とは異なってのマッチアップ
日程的にも状況的にも大きな山のひとつとなった8月。今節はその初戦だ。前回対戦では3発快勝した相手だが、現在はともにチームが変化している。目標達成に向けて、シーズンダブルを狙いたい。
コロナ禍でどのチームも状況が読みづらい
コロナ禍の影響で中止になった第28節のアウェイ水戸戦が8月23日にリスケジュールされたため、大分にとって今月はかなり難しい日程となった。今節の町田と次節の徳島はいずれもアウェイ。1週間後のホーム岩手戦から中2日でアウェイ水戸、そこから中4日でアウェイ秋田、翌週の9月3日にアウェイ新潟という変則的なスケジュールで、第28節のリスケジュールだけでチームマネジメントの難易度は一気に高まった。
サッカー界も第7波の煽りは避けられず、全国各地のクラブで感染者が続出している。カタールW杯に合わせてコンパクトに設定された日程をこなすために、3日に行われたルヴァンカップでも、多くのチームが戦力のやりくりに苦心している様子が明らかになった。
大分は、一部のメンバーはすでに練習に合流したようだが、今週も新たな罹患者が確認され、負傷者も含めてメンバーの離脱や復帰が繰り返されている。直前でメンバーが変更になる可能性も否めず、他チームと同様、気の抜けない状態だ。
こちらのメンバーが入れ替わる可能性もあれば、相手のメンバーも読めず、通常の準備はしづらい。どういうメンバー、どういう状況になっても意思統一して戦えるか否かは、日頃の積み上げにかかってくる。ゲームメーカーの下田北斗は「基本的にはボールを持ちたいが、いろんな戦い方が出来ることもチームの強み。チームとしてどういう狙いをしていくのかは監督が決めることだが、そのベースの中で、試合中に相手を見て判断しながら少しずつマイナーチェンジし、その都度で状況判断していけるのがいいと思う。そこは試合をやりながら見極めてやっていけるようにしたい」と準備する。
町田の強烈な攻撃陣を抑えることがカギ
現在29試合を終えて12勝6分11敗で勝点42の町田は7位。大分は28試合を終えて10勝11分7敗の勝点41で8位につける。試合数にバラつきはあるものの、ともにプレーオフ圏内を目指し勝点3が欲しい状況だ。
町田との前回対戦ではサムエル2発、渡邉新太1発が飛び出し3-1で勝利したが、現在は当時とは両軍とも戦い方が異なっている。前回対戦時は3-4-2-1のミラーゲーム。いまは大分が3-5-2、町田が4-2-3-1あるいは4-4-2と、ベースのフォーメーションも変わった。町田は佐野海舟が腰痛で離脱している一方で、元日本代表SB太田宏介が加入し今節にも出場の可能性がある。町田の基本的なスタイルはそのままで、強烈な攻撃陣が多彩に揃う点も変わらないが、大分のほうは戦い方にいろいろと変化をきたしている。その対戦がどうなるか。
ちなみに長谷川アーリアジャスールは累積警告により出場停止。すでに一度、第25節に累積警告でベンチ入り停止となったランコ・ポポヴィッチ監督は前節の山形戦でも終了後にイエローカードを受けたが、今節は無事に指揮を執ることが出来る。前節はメンバー外だったポープ・ウィリアムがゴールマウスに戻ってくるかどうかも気になるところだ。
ここ最近、攻撃面では手応えを感じつつある大分だが、守備面には課題を残しており、今週もその修正に力を割いた。町田は攻撃に切り替わった瞬間にゴールへの矢印が強まり、遠目からでも貪欲にゴールを狙ってくるため、特にラインコントロールや守備の連動には留意して臨みたい。
今節は町田にとってはホーム初の「声出し応援の段階的導入運営検証試合」。前節の大分がそうだったように、ホームチームにとっては力の入る一戦となるだろう。こちらも負けずに一丸となって戦うのみだ。
試合に向けての監督・選手コメント
■下平隆宏監督
まず守備を修正しないと、われわれのゲームを見た対戦相手は「大分は裏に弱い」と思っていると思うので、そこはしっかり修正したい。攻撃のところは形になりつつコンビネーションもだいぶいいし、前節も意図を徹して攻撃していたので浸透してきていると思っている。
町田戦は暑さで消耗戦になると思われる中で、コンディションを含め準備したい。理想としてはしっかりボールを握りたい。ボールを持っているほうが有利だと思うので、攻撃する時間を長くしたい。守備も整えながらやっていきたい。失点シーン、ゴール前に関わる部分はもっとアラートにならなくてはならないので要求していく。
■MF 11 下田北斗
攻撃では点は取れているといえば取れているが、チャンスはあるのでもう少し決め切りたい。守備は無失点で終わることがなかなかなく、少しもったいない失点が多い。セットプレーや裏に一発でというのはチームとして課題にしているところなので、僕自身も改善していかなくてはならない。でもまず、僕としては攻撃が上手くいかないと守備も上手くいかないと思うし、いい攻撃からいい守備というリズムのほうが僕自身は出しやすいので、バランスを見ながらやっていきたい。
シーズンはあと3分の1というところで、現状、満足できる状況ではない。今週もミーティングで自分たちの立ち位置と、これからどうやって戦っていくかというところを、シモさん(下平監督)から話があった。みんなしっかり頭に入れて、まずは勝利を目指してやっていきたい。
■MF 25 小林成豪
治ったと思った怪我が何度かぶり返してリハビリ期間が長くなったが前節、復帰できた。離脱していた間、チームは勝てていなかったし、戦い方もメンバーも変わったなーと思いながら見ていた。いまは中も使って攻めているが、やりやすく、いい感触でやれている。コンディションもよく、新しいポジションにもチャレンジしている。
町田戦については、もう後がないので個人的にもチーム的にも勝たないといけない。個人としても試合に出て結果を出さないと、後がない。まずはしっかりチームが勝つというところを意識してプレーし、結果を出したい。コンビネーションは今節もカギになる。