10戦勝ちなしの相手。難しいシチュエーションでの対戦に心して臨む
今季初と言っていいほど、相手のほうがディスアドバンテージを負っての一戦。なりふり構わず勝利を目指してくるであろう相手を、隙なく上回っていけるか。
勝ち切るための容赦なき詰めが必要
夏の3連戦の結果は1勝2分。シーズン後半戦に入ってから2勝3分と無敗で勝点を積んではいるが、取りこぼしている感の残る試合も目立つ。
前節の岡山戦は2度のリードを追いつかれて引き分けた。1度目は先制の2分後で、2度目は終盤の80分。2度目のリード後、次々に強度の高い攻撃陣を投入して前線へと圧をかけてきた相手に押し切られたかたちになったが、その背後を突いて3点目を奪うか時間を使うかといった試合運びが出来なかった課題が残った。
2日間のオフ明けのミーティングで下平隆宏監督は「選手を選んだのもそのタイミングでピッチに入れたのも僕の判断で僕の責任。だけど正直、物足りなかった」と厳しい言葉を伝えた。「途中出場した選手たちは悔しかったと思う」と言いながら、選手たちのさらなる奮起を求める。「前節のメンバーは僕の頭の中ではもう解体されていて、また新たに準備が出来ている選手を使っていくよ」と競争も促した。前節は町田也真人とサムエルが、途中出場で待望の復帰。心強い戦力が公式戦のピッチに帰ってきた。
粘り強さや集中力を維持して勝利した熊本戦と千葉戦のように、今節もしっかりと勝ち切るところまで走り続けたい。
群馬にとっては5連戦の5戦目
そんな今節、ホームに迎えるのは群馬。現在リーグ戦10戦白星なしで5連敗中と苦しい戦いを続けている。13日には天皇杯ラウンド16・広島戦(0●1)も戦い、戦力をターンオーバーしたとはいえ、リーグ戦と合わせて今節が5連戦の5試合目の敵地戦だ。
そういう状況に「はたから見ればそんな相手には楽勝かと思われるかもしれないけれど」と、下平監督は警戒を強める。「絶対に何かやってくるはず。あの前節の内容を見て、群馬の立ち位置を考えたら、こちらが準備しているものではないもので来る可能性もあると予想している」。たとえば5バックでゴール前を固めてくるかもしれない、と公開練習後の取材で言った日の夜、群馬は天皇杯・広島戦で途中から5-4-1のブロックを築いた。
勝てない日々の中で、4-4のブロックを構えることが多くなっていた群馬は、重心が低いままシュートチャンスの少ない試合が続いている。前節の町田戦では微妙な判定で退場者を出すことになり、運もなかった。だからこそ、今節はなりふり構わず勝点を取りにくるに違いない。数は少なくとも決定機は作れており、相手の好守に阻まれて得点を逃している印象だ。前節は10人になったあと、また天皇杯・広島戦ではJ1チームを相手に、それぞれ無失点でしのいでいる。
そんな群馬の出方も読みづらく、大分にとっては非常に難しいシチュエーションの一戦。あるいはキックオフ後に戦い方をアレンジする必要が生じるかもしれない。ピッチで考え対応していく力も試されることになりそうだ。