上り調子で迎える首位との対決。勝点差を縮め、巻き返しへと弾みをつけよ
今季初のリーグ戦3連勝を懸けて上り調子のチームがホームに迎えるのは、このタイミングで首位を走る新潟。攻守にバランスよく戦う好調なチームとの現在の勝点差は11だ。
リーグ折り返し地点にて、首位との勝点差は11
3ヶ月間にわたる大型連戦を終えて、ようやく今後はほぼ週1試合ペースとなったチーム。前節終了後に2日間のオフで心身を休め、8日に次なる戦いへ向けて再始動した。
報道陣にトレーニングが公開された8日は週の初日から強度の高いメニューだったが、いい緊張感がみなぎっており、あらためて明確にした今季の戦い方で結果が出始めていることが、いい効果をもたらしていると感じられた。
これまで負傷者が多く、試合ごとにコンディションの整ったメンバーをかき集めるようにして、その組み合わせで最大値を出せる戦い方を続けてきたが、つねに攻撃志向を貫いてきたことでゲームモデルも浸透してきた。ここまで基本フォーメーションは4バックと3バックを使い分けつつ、最近は攻撃時に3トップとなる可変システムを採用。選手たちも柔軟に対応し、徐々に得点や勝点に結びついている。
この上り調子のタイミングで迎える、シーズン前半戦ラストゲームの相手は新潟。前節、勝点で並ぶ仙台と横浜FCを得失点差で上回って、5試合ぶり2度目の首位に立った。大分との勝点差は11。大分にとっては勝てばその差が8に縮まり、負ければ14に広がるという重要な局面だ。シーズン後半戦の巻き返しに勢いをもたらすためにも、ここでしっかり上位を叩いておきたい。
アウトサイドが本職の星雄次がボランチで存在感
首位に立つだけあって、個々の能力の高い選手を組織的に戦わせている新潟は手強い。開幕当初は4-3-3だったシステムを第5節以降は4-2-3-1に変更して波に乗った。ここまでリーグ2位の34得点、そしてこちらもリーグ2位の17失点と高い水準でバランスも良好。“元大分組”も揃って主力として出場を重ねており、守護神・小島亨介、トップ下・伊藤涼太郎、そして第16節以降、まさかのボランチでいい仕事をしている星雄次がピッチに並ぶ。
前節の徳島戦は1-1と引き分けたが、その前は3連勝。前節、10試合ぶりに得点を挙げた谷口海斗に鈴木孝司と強力な1トップを擁するが、やはり最も警戒しなくてはならないのは左SHに入る本間至恩だろう。下平隆宏監督も名指しで彼を要注意人物に挙げている。自由にプレーさせれば危険きわまりない本間について、一家言あるのが、新潟の生え抜きの先輩で、一昨季はコンビを組んでいた渡邉新太だ。「彼には自由にボールを持たせてはいけない。守備をやらせてそこで体力を削れば攻撃でクオリティーを出しにくくなる。守備で押し下げ、入る前に潰してボールを触らせないようにと、マッチアップする選手に言っておく」と“対処法”を公言した。
その渡邉自身も古巣戦を前に調子を上げている一人だ。「岡山戦でヘディングでの決定機を外したのが悔しくて」と、岡山一成コーチに助けてもらい、ヘディングシュート練習に励んだ。その成果が早速、前々節の群馬戦と前節の町田戦での頭で決めた2戦連続弾につながっている。いまも新潟サポーターに深く愛される存在なだけに、今節の初めての対戦には、渡邉自身も新潟サポーターも、格別な思いがあることだろう。
好調な新潟だが、実はアウェイでの勝率は芳しくない。昭和電工ドーム大分を青く染めて、アウェイ感満載のスタジアムで迎え撃ちたい。
試合に向けての監督・選手コメント
■下平隆宏監督
新潟は非常に攻撃的で組織的にもしっかりしているチーム。いまは順位的には向こうが上にいて、首位のチームをどうやって叩いていくか。前半戦の最後の試合で、シーズン折り返しでいま11ポイント離れているが、こちらが勝てば8ポイント差。そういった意味で重要なゲームになる。
攻撃陣だけでなく後ろからしっかりビルドアップするのがわれわれの形。全員でハードワークして、攻撃だけでなくいい守備からも得点が出来るようにしたい。前節、いい形で勝利できてサポーターと喜びを分かち合えたので、今節もしっかり新潟を叩いて、また喜び合いたい。
■FW 16 渡邉新太
古巣戦ということはあまり意識していない。どこが相手でも自分がやることはあまり変わらないので、自分のいいところを出してチームにゴールで貢献したい。いまは点も取っているし、チャンスにも絡んでいるので、ゴール前にどんどん顔を出してクオリティーを出してしっかり点が取れれば、またいい結果につながると思う。新潟に勝てば勝点8差、負ければ14差。大事な試合になる。
——新潟番記者の野本さんから「古巣戦を前に調子を上げないで」とメッセージが届いているが。
まだまだこんなもんじゃないと言っておいてください(笑)。