勝点で並ぶ相手とは共通点多し。勝利への飢餓感を結実させよ
今季から指揮を執る大槻毅監督のスタイルにより、これまでの戦い方とは一変した顔を見せる群馬。いまだ戦術浸透中なのは大分と同じだ。勝点でも並ぶ相手に、5月最後の試合で勝利を遂げたい。
7連戦の5戦目に1ヶ月ぶりの勝利を
今節は7連戦の5戦目。コロナ禍で第2節からスタートした2月27日以来、実に3ヶ月間にわたりほぼほぼ連戦という過密日程だったが、それも今節と天皇杯2回戦、次節を終えれば、ようやく一息つける。遠方の多いJ2アウェイへの移動も含め、この3ヶ月間の選手やスタッフにかかる負荷は、大分にとっては想像を絶する未体験ゾーンだった。
負傷者が多発する中で戦力をやりくりしながら戦ってきたが、5月はここまで3分2敗と白星がない。そのときどきで戦えるメンバーを組み合わせながら戦術的なオプションを増やし、ある程度ボールは運べているが、勝ち切れていないのが現状だ。連戦で戦術の浸透や選手間の意思疎通も十分に育ちきれていないのかもしれないが、蓄積疲労によってパスやトラップや判断の精度、走力やあと一歩の粘りなどの低下につながっていることも考えられる。離脱者が多いことにより出場できる選手への負荷が高まっている状況で、連戦はあと3試合。なんとか踏ん張って、5月最後の試合で勝点3を積みたい。
新スタイル浸透中の群馬
群馬とは昨年8月18日に天皇杯ラウンド16で対戦。リーグ戦でのマッチアップは2017年J2以来となる。
ただ、群馬も昨季までとは全く異なるチームへと変貌。今季から大槻毅監督にテクニカルエリアを任せ、これまでの堅守速攻スタイルからポゼッションスタイルへと大きく舵を切った。いまはその戦術浸透の途上だ。4月には第8節・水戸戦、第9節・岩手戦、第10節・琉球戦で3連勝と波に乗ったかに見えたが、その後5戦未勝利、第16節で岡山に勝利して、現在は2連敗中。とはいえ前節の熊本戦では、3点ビハインドから2点を追い上げる粘りも見せた。
大分と同じく後方からビルドアップするスタイルの練度が課題で、攻守のバランスに苦心しているようにも見える。失点を抑えれば得点が少なくなり、複数得点した試合では複数失点して敗れたり引き分けたり。フォーメーションは多くの試合で4-4-2を採用しているが、第9節・岩手戦と第14節・甲府戦は3-4-2-1。第13節の横浜FC戦のスタートは5バック気味の布陣を採用している。
相手の立ち位置の変化を把握して駆け引きする試合展開が予想される中、決定機をどれだけ濃厚にし、その回数を重ねることが出来るか。互いに勝利に飢えている同士、その飢餓感を上手くコントロールして多くゴールに結びつけたほうが、歓喜に沸くことになる。
そういえば大槻監督の右腕として、大分のナビスコカップ優勝メンバー・小林 亮コーチもベンチ入りするはずだ。再会を楽しみにしたい。