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今節の見どころ

相手の戦術を無効化するかのような「秋田一体」。クセの強い難敵にどう立ち向かうか

 

4-2-3-1ベースの可変システムに手応えを感じつつあるタイミングで、今節ホームに迎えるのは秋田。徹底した両ゴール前重視の戦法に巻き込まれれば、こちらのやりたいことが出来なくなる危険性もある。そんな相手にどう立ち向かい、攻略するか。

 

フィニッシュとクロスの確認で精度UPを継続

前節・岡山戦では複数の好機や決定機を築きながら得点できず、87分に失点して敗れるという無念の結果となった。高畑奎汰と伊東幸敏の両SBが負傷して交代するアクシデントもありながら、個々の特長が生きていい攻撃の形も作れたのだが、最後のところで相手の守備を上回ることが出来なかった。
 
それを受けて23日のトレーニングでは、攻撃の課題克服に取り組んだ。「まずはミーティングで、決定的なシーンを作りながらも得点できなかったところ、またグループ間、コンビの間でちょっとズレていたものがまた合うようにと、映像を使って確認した。トレーニングではクロスにもうちょっと合うようにすり合わせた」と下平隆宏監督。
 
それを受けて藤本一輝は「前節は最後の失点場面が印象に残りがちだと思うが、ミーティングではそこにフォーカスするのではなく、それ以前の決定機や、攻撃でいい形を作っているがその先をどうするかというところに焦点をあてた。同点になるかどうかというギリギリの戦いではなく、やはり決めるところで決めてしっかり自分たちの形で勝ち切るところに重きを置いているのだと思う」と指揮官の意図を汲む。
 
ルヴァンカップ第6節・C大阪戦とリーグ前節・岡山戦で採用した4-2-3-1のフォーメーションをベースとする可変システムには、手応えが感じられた。このスタイルを継続しつつ、負傷者たちの復帰を待ちながら辛抱強く勝点を積んでいければ、巻き返しへの道も拓けてきそうだ。
 

3連勝からの前節は3点ビハインドを追いついた秋田

ただ、今節の相手・秋田はJ2の中でも極端なまでにスタイルを徹底しているチーム。ハードワークで守りながら攻撃では長いボールを強度の高い前線に当て、スピード自慢の選手が絡んでゴールを脅かす。ポゼッションやショートカウンターでの攻撃構築を志向するチームの多い中で、相手の戦術を無効化するかのように中盤を省略し、両ゴール前の力強さに懸けるシンプルな戦法は、なかなかに手強い。第14節からは琉球、横浜FC、千葉を相手に3連勝。前節の東京V戦では3点ビハインドの状況から終盤にセットプレー絡みで3得点して勝点1を得ている。
 
そんな秋田に対し、大分は前節のようにスタイル体現できるか。下平監督は「あのダイレクトな攻撃を仕掛けてくるので、守備に回らざるを得ない状況、たとえば前からプレスに行ってもどうせ蹴られてどうしてもゴール前まで持ってこられてしまう、もしくはセットプレーをとられるというかたちは当然出てくると思う」と警戒しつつ、「なるべくそういうシーンを作らせないように、われわれが攻撃する時間を長くするようにと考えている」と話した。
 
2014年に大分でプレーした増田繁人は両足関節変形性足関節症で昨年末に手術し、いまだリハビリ中。大分アカデミーOBの茂平は今節、メンバー入りするか否か。
 
こちらは現在4戦白星なしで2連敗中、ホームでは第9節・徳島戦以来勝利していない。秋田は難しい相手だが、ゴールネットを揺らして勝点3を積みたい。