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今節の見どころ

“消化試合”には終わらせない。リーグ戦につながる多くの収穫を

 

グループステージ敗退は決まっているが、これまでもそうであったように、今季のルヴァンカップ最後の一戦でも多くの収穫を得たいところ。何よりもリーグ戦につながる底上げを進めたい。

 

高畑、弓場に続きリーグ戦に絡む戦力の台頭に期待

すでに敗退が決まっている今季のルヴァンカップだが、下平隆宏監督は「ただの消化試合にはしない」と意気込みを述べた。
 
コロナ禍の影響で第2節・G大阪戦からスタートしたグループステージ。初戦を2-2で引き分けた後、リスケジュールして開催された第1節・鹿島戦で3-3と、勝点2を積んだ。連戦の中、リーグ戦とメンバーを入れ替えながら戦い、チームの底上げも進めたそれが、11連戦の2戦目と6戦目。だが、次第に負傷者が増え、戦力のやりくりに苦心しながら、9戦目の第3節・C大阪戦はプレーできるメンバーを集めて5-3-2のフォーメーションで戦って1-6の大敗。第4節・G大阪戦は7連戦の2戦目で、0-2で敗れると、5戦目の第5節・鹿島戦も0-3負けを喫し、ここまでの結果をもってAグループ最下位が決定した。
 
ただ、その中から高畑奎汰や弓場将輝が頭角を現し、現在はリーグ戦のポジション争いに食い込むまでに成長。エドゥアルド・ネットのフィットも主にルヴァンカップの実戦を通じて進められた。今節はおそらく、徐々に日本のサッカーやチームに馴染みつつ自身のストロングポイントを垣間見せはじめたサムエルのフィットが進むことだろう。
 
負傷者多発に加えて今節は羽田健人が出場停止。公開練習時には姿の見えなかった選手が公式のトレーニング写真で確認できたりもするので、選手たちのコンディションもタフな連戦の中で読めない部分がありそうだ。今節の後は中2日でアウェイ岡山戦なので、リーグ戦とのメンバーの兼ね合いも考え、2種登録選手も招集することになると指揮官は明かしている。
 

C大阪も7連戦中。2種登録選手の出場もありそう

一方のC大阪も、5月14日のJ1第13節・名古屋戦(0●1)を起点に7連戦がスタートしたばかり。今節から中2日で迎える第14節はG大阪とのダービーで、譲れない勝負が待っている。
 
ルヴァンカップについては鹿島とともにすでにAグループでの勝ち抜けが決定しており、プレーオフステージ進出という意味では消化試合という位置付けになるが、今節、現時点でグループ1位の鹿島が引き分け以下かつC大阪が勝利すれば、現在の勝点2差をひっくり返してC大阪がグループ首位の座を奪うことになる。ともに同じ勝点を積む結果となれば、レギュレーション上、鹿島とC大阪の直接対決で鹿島が勝点2差をつけているため、順位は変わらない。
 
グループステージで快調な滑り出しを見せ当初は全勝突破を目指していたC大阪としては、意地を示したいところでもあるが、今節は大分と同様、2種登録選手も帯同させ若手に経験を積ませる場としても考えている旨を、小菊昭雄監督は明かしている。
 
大分にとっては、第3節のアウェイでの屈辱的な大敗のリベンジを期す一戦でもある。直近のリーグ2戦の不甲斐ない内容を受け、15日のミーティングで指揮官にいままでになく厳しい言葉をかけられた選手たちが、このC大阪戦と週末のリーグ岡山戦で、いかなる変貌を遂げてみせるか。期待を込めて見守りたい。
 

試合に向けての監督コメント

■下平隆宏監督
 
敗退が決まっていて言ってみれば消化試合だが、われわれはリーグ戦で勝てていない中で、いいゲームをして必ず勝ちにいこうといい準備をしている。リーグ前節の熊本戦で手痛い敗戦をしてしまったので、試合に出ていないメンバーは次こそ自分が力になりたいと思ってくれている選手も多い。C大阪戦で自分をアピールすることがチームの底上げにつながってくれれば。いまは本当に競争が必要なので、そういった意味で、僕自身もリーグ戦のメンバーを固めているつもりはないし、しっかりアピールしてもらいたいし、そういうゲームになればと思う。
 
C大阪さんとのアウェイでの前回対戦は6失点し、雨の中を大阪まで来てくれたサポーターの方々にも本当に申し訳なかった。その話も選手たちにして、とにかくただの消化試合には終わらせないという強い気持ちを持って準備してもらうように促している。