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今節の見どころ

積み上げが成果へと結実しはじめた感触。今季3度目の連勝を目指す

 

今節の相手は、やはりシーズン序盤に苦しみながらここ2戦で調子を上げている大宮。勢いを出してきそうだが、こちらも巻き返しのために譲れないものがある。前節・千葉戦での快勝の手応えを、ここからも継続していきたい。

 

主導権を握って快勝した前節の手応えを継続したい

下平隆宏監督も「いままででいちばんいいゲームだった。当初から掲げてきた主導権を握って戦うというところで、攻守のトランジションのところもそうだし、いちばん手応えがあった」と振り返る前節の千葉戦。これまで連戦の中でルヴァンカップでプレーしていたり負傷から復帰したりといったメンバーがリーグ戦の戦力に加わることにより、新たなオプションが増え、それが機能した試合だった。
 
それから中3日で迎える、今節はホームゲーム。やはり中3日で次節・アウェイ山形戦が控えており、9連戦はそこで終わる。連戦終盤で疲労も蓄積してくる頃だが、ルヴァンカップが第6節を残して小休止中の現在、リーグ連戦に総力を充てて、選手起用の幅は増している。
 
前節の内容からも、苦しい連戦の中で組織力が育っていたことが確認できた。リーグ戦とルヴァンカップでメンバーを分けて戦ってきた中で、全員が揃ってトレーニングすることが出来ずにいたが、その間にもチーム全員の共通理解を深めるために、指揮官たちコーチングスタッフはこまめなミーティングでの戦術確認に注力。リーグ戦とルヴァンカップで試合ごとに2回ずつミーティングを行う中で、当事者ではない同じポジションの選手に対しても、意識づけを継続してきたという。その成果として、準備期間が短くとも“リーグ組”と“ルヴァン組”を混在させて戦った千葉戦で、スムーズな連係を生み出すことが出来たようだ。
 

システム変更後2連勝と浮上の兆しを見せる大宮

そんな難しい状況の中でも、少しずつ成熟を感じさせるチームが今節ホームに迎えるのは、やはりシーズン序盤から勝点を積めずに降格圏で苦しんできた大宮だ。大分と同じく4-3-3のフォーメーションでスタートしたが、結果が出ずに4-4-2に変更し、今季初の2連勝中とここに来て調子を上げている。
 
「システムを変え、戦い方をはっきりさせた中で、シンプルに選手たちの役割を明確にした。そのぶん選手たちのパワーが出やすくなっているのかなと思う」と下平監督は大宮の印象を語った。
 
大宮は直近の2戦をまったく同じメンバーでスタート。いわゆる“勝ち流れ”で実際に勝点6を積んだが、前節の金沢戦から中2日の大分でのアウェイ連戦で、メンバーがどうなるかは気になるところだ。最重要人物はチーム得点ランク首位の河田篤秀。チーム不調時から得点を重ねており、徳島でチームメイトだった頃から親交の深い野村直輝も「意味わからないところからシュートを打って入っちゃったりもするし。たまに下りてきたり、ハイボールを追いかけてガチャガチャゴリゴリ行ったりとFWじゃないような動きもするので、つねに気をつけておかなくてはならない存在。『え、いま行くの?』みたいなところで行って、それがゴールにつながってしまったりする。とにかく右足を振らせないこと」と注意喚起する。その河田がどの時間帯に出てくるかで、ゲームプランも変わってきそうだ。
 
やはり野村が親しくしている守護神・南雄太は、下平監督とも深い関係。下平監督が現役時代に柏でチームメイトだった時期もあり、その後は監督とキャプテンとしてともに仕事をしたこともある。そんな南からゴールを奪うために、今節も大分の攻撃力を全開にしたいはずだ。
 
いまだ大混戦のリーグ。勝つか負けるかで大きく順位が変動する状況が続いている。一喜一憂せず、着実に勝点を積み重ねていきたい。