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今節の見どころ

前節の教訓を生かして戦いたい栃木戦。9連戦の6戦目からはリーグ4連戦

 

前節の金沢に続き、今節も堅守からのカウンターを得意とする栃木との対戦。攻めながらなかなかゴールを割れずに焦れてバランスを崩した前節の教訓を生かし、今節は落ち着いて巧みに戦いたい。

 

ルヴァンカップでの収穫をリーグにも

ルヴァンカップは23日に行われた第5節の結果をもって、グループステージ敗退が決定。残る第6節、ホームでのC大阪戦は5月18日。それまではリーグ戦が続くことになる。
 
これまではリーグ戦とルヴァンカップで選手を入れ替えながら戦ってきたが、ここからはこれまでのルヴァンカップメンバーにもリーグ戦に絡んできてもらいたいところ。ルヴァン第4節・G大阪戦で負傷から復帰した上夷克典が調子を上げているほか、同第5節・鹿島戦では高畑奎汰が先発、梅崎司も途中出場で戦線復帰。リーグの第10節・岩手戦が復帰戦となった野村直輝とともに、負傷離脱していたうちの複数名が戻ってきたことは好材料だ。
 
さらにルヴァン鹿島戦では高畑や弓場将輝、西川幸之介ら若手が存在感を示した。リーグ戦にしばしば途中出場している宇津元伸弥や屋敷優成も含め、今後への期待を感じさせている。エドゥアルド・ネットも89分間プレーする中で、弓場との関係性の深まりなど新たな収穫が見えた。
 
今後は気温や湿度が上がる中で、タフなゲームが続くことになる。選手層を厚く維持することが、巻き返しへの最大のカギだ。
 

激しい守備からのカウンターを狙う栃木

今節ホームに迎えるのは3勝4分4敗で18位の栃木。9位につける大分と順位こそ離れているが、勝点差はわずか2で、シーズンの4分の1を終えたJ1はいまだ1試合の結果で大きく順位が入れ替わる混戦状態にある。
 
前節対戦した金沢と細部は異なるが、堅守からのカウンターを得意とする点では栃木も同じ。後ろは構えて守り、前は激しく奪いに出るという厄介な守備で、前節は首位・横浜FCを初の無得点に抑えている。
 
金沢を押し込みながらゴールを割れず逆にカウンターから先制されてバランスを崩した前節を教訓に、今節はリスクマネジメントの意識を維持した状態で、相手の守備網をこじ開けにいきたい。下平隆宏監督は「今節は前節の反省点を生かすゲームになる」、高木駿も「金沢戦がいいシミュレーションになった」と、同じ轍を踏まないよう気を引き締める。
 
大分から期限付き移籍中の福森健太が契約上出場できないため、左WBに誰が入るのかも気になるところ。右WBは前節もスピードとアグレッシブさで光った黒﨑隼人に要注意だ。
 
9連戦の後半はリーグ4連戦。栃木のあとは千葉、大宮、山形と難しい相手が続く。弾みをつけるためにも好ゲームで勝点3を積みたい。
 

試合に向けての監督・選手コメント

■下平隆宏監督
 
今週初日の練習では選手たちからフレッシュな印象を受けた。ルヴァンカップは残念な結果だったが、何人か手応えをつかんだ選手もいたし、大分でそれを見ていた、もしくは一緒に戦っていた選手もすごく刺激を受けたような感じがあって、いい競争意識が生まれていたようだった。ここからリーグでの連戦が続くので、選手層が厚くなるのはすごくいいこと。
 
前節の金沢戦ではわれわれがボールを持って攻撃していたところからのカウンターで失点してしまった。今節はその反省点を生かすゲームになる。栃木は金沢とシステムこそ違うがおそらく同様にしっかり守備しながらカウンターで刺してくると思うので、攻撃で点を取り切るところも、リスク管理した中でのゲームコントロールも必要になってくる。
 
■GK 1 高木駿
 
前節の金沢戦はだいぶダメージのくる試合だった。決められず相手の思うツボでカウンターを決められ、自分たちで苦しい展開にしてしまった。やはり追いかける展開になると疲労も来る。ああいう負け方をしたので疲労もあるが、切り替えて次にどうするか。また引いてくる相手も多いと思うので、同じ過ちを繰り返さないよう切り替えてみんなでトレーニングしている。金沢戦の負けをいい教訓にしたい。
 
攻撃に関してはとにかく最後のクオリティー。攻撃中の失い方にも気をつけなくてはならない。相手に攻撃される前に奪い返せれば理想だが、やはり攻められることもある。守って守ってカウンターというスタイルのチームは攻めに転じたときにものすごい勢いが出てくるので、その勢いを受けすぎず、いつもに増してウラの対応に気をつけたい。自分たちが後ろ向きで下がりながら守備をしているときの隣同士でのコミュニケーションなど、守備の選手が見えないところは僕が後ろから声でコミュニケーションを取る。