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今節の見どころ

底上げを進めたいルヴァンカップ。“あの場所”でもう一段階の奮起を

 

9連戦の折り返し地点となる5戦目は、ルヴァンカップグループステージ第5節、アウェイで鹿島に挑む一戦だ。メンバーを入れ替えながら厳しい日程を戦う中で、チームは戦力の底上げという収穫にも飢えている。

 

グループステージは残すところ2試合

ここまでリーグ戦11試合とルヴァンカップ4試合の計15試合を戦い、そのうち1週間かけて準備できた試合はリーグ第9節の徳島戦のみ、という事実の重さをあらためて感じる。
 
今節はリーグ第11節・ホーム金沢戦から中2日でのルヴァンカップグループステージ第5節・アウェイ鹿島戦。先週はミッドウィークがルヴァンカップで週末がリーグ戦だったが、今週は逆だ。大会ごとにメンバーを入れ替えて戦っているため、ざっくり言ってリーグ戦メンバーは中3日での連戦、カップ戦メンバーは10日ぶりの試合ということになる。
 
先週のリーグ第12節・アウェイ岩手戦メンバーは13日のルヴァンカップ第4節・アウェイG大阪戦後に大阪でチームに合流し、トレーニングしてから岩手入り。相手の怒涛の追撃をどうにか振り切ってホームに戻り、中3日で戦った金沢戦では、試合展開もあいまって途中から疲労があらわとなり、カウンター対応で戻りきれないなどして1-3で敗れた。
 
連戦で選手間の意思疎通や共通理解をじっくりと深める時間が確保できないことを考えると、リーグ戦とカップ戦で分けて戦ってきたメンバーをシャッフルするには難しさもある。だが、ルヴァンカップグループステージも残すところあと2試合、ここからはリーグ連戦が増えてくることも考えれば、現在ルヴァンカップに出場しているメンバーは今後の出場機会確保のためにも猛アピールしたいところ。それにより戦力の底上げが進めば、選手層が厚くなりオプションも増して、選手個々がいいコンディションでプレーできるようになるはずだ。下平隆宏監督も金沢戦後の会見で「リーグ戦に絡んでくる選手が出てくることに期待している」とハッパをかけた。
 

本気の強豪を相手に底力を見せたい

グループステージ第4節にここまで3勝していたC大阪を下した鹿島は、2勝1分1敗となって勝点を伸ばし、Aグループ2位に浮上した。G大阪に敗れた大分は2分2敗で最下位となり、今節、鹿島に勝たなければグループステージ突破の可能性は潰える。今節勝利すれば、他力もありながら、予選結果はグループステージ最終節にまで持ち越されることになる。
 
鹿島との前回対戦は3月15日に開催されたグループステージ第1節。当初は2月23日の予定だったが、新型コロナウイルス禍の影響でリスケジュールされた。その試合は鹿島にとって、急遽予定を早めた新指揮官の初陣。実際には岩政大樹コーチと相談しながら戦力を見極めるという感じだったようだが、話題性も高く、鹿島からも報道陣が多く昭和電工ドーム大分までやって来た。
 
以後、レネ・ヴァイラー監督の戦績は公式戦5勝2分1敗。個々の強度の高いプレーヤーが揃っているので連戦でもタフに起用できる強みがある。直近の試合はJ1第9節の名古屋戦で、中5日のホーム連戦だ。次は29日のJ1第10節・アウェイC大阪戦となる。
 
鹿島としては大分に取りこぼすことなく勝点3を積んでグループリーグ勝ち抜けへと王手をかけたいところ。大分に勝ち、C大阪がG大阪に勝つか引き分けで決定する。
 
本気の強豪を相手に、大分の“ルヴァンカップ組”がどれだけの底力を見せることが出来るか。前回対戦時とはチームの基本フォーメーションも戦い方も変わっている上に、負傷者多発で戦力が限られる中、戦えるメンバーでのフォーメーションや戦術を採用せざるを得ない状況にある。厳しい戦いになるとは思うが、昨季J1第36節にJ2降格が決定したあの場所で、自分たちの目標を胸に、もう一段階、奮起してもらいたい。