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今節の見どころ

9連戦の4戦目は3試合ぶりのホーム。アウェイ無敗の難敵・金沢を迎える

 

中2日でのアウェイ連戦を終え3試合ぶりのホーム。とはいえそれも10日ぶりという過密日程でもある。今節迎えるのはJ2の中でもいわゆる“クセが強い(褒め言葉)”タイプの難敵・金沢。アウェイ無敗の相手だが、上回って今季初の3連勝を遂げたい。

 

手応えを感じるいま、狙うは今季初の3連勝

前節の岩手戦はルヴァンカップグループステージ第4節・G大阪戦から中2日でのアウェイ連戦。戦力はターンオーバーし、大阪に集合してトレーニングしてから岩手へと移動したが、20℃近い気温差や長距離移動の負担もあり、試合終盤には疲労があらわになって相手に押し込まれ、なんとか逃げ切るかたちで終えた。
 
今季2度目の連勝を手にし、今節は初の3連勝を狙う。チームは岩手戦当日の深夜に大分に帰着して1日のオフを挟み、18日に今週をスタートした。今週は先週と異なり、ミッドウィークがリーグ戦で週末がルヴァンカップというこれまた変則的な日程で、選手たちのコンディションマネジメントも難易度を高める。
 
連戦による蓄積疲労が気掛かりだが、前節、長いリハビリから復帰して野村直輝が今季初出場したことは大きな好材料だ。27分には早速、コンビネーションからの個人技で得点も挙げた。町田也真人や増山朝陽が負傷離脱する中、野村が戦列に加わるのは心強い。
 
第6節・琉球戦で今季初勝利してからはリーグ戦4勝1敗と勝点を積むペースを上げているが、10試合を終えてJ2は混戦模様で、まだ1節ごとの結果で順位が大きく入れ替わり、一喜一憂するような状況でもない。
 
下平隆宏監督は「一戦ごとに課題が出るし、よくなっているところもある。少し結果が出つつあるのと、特に守備のところなどで確実に成長している実感や手応えは、僕も感じているし選手も感じてくれていると思う。積み上げが出来ていて、いまは勝点という結果もついてきているので、成長と結果の両面を合わせながら、いい状況になりつつある」と、上昇気流は感じつつもまだまだ途上という表情を崩さない。
 

新戦力も躍動中の“ヤンツーサッカー”6年目

今節ホームに迎える金沢は、大分がルヴァンカップに参戦している影響による連戦。前節の甲府戦は幸先よく先制したものの前半に3失点し、修正して追撃したが振り切られて2-3で敗れている。いまだホームで未勝利だが、アウェイではここまで挙げた秋田戦、長崎戦、栃木戦の3勝を含め無敗の強さを発揮中だ。
 
指揮6シーズン目の柳下正明監督の戦術も浸透しつつ、今季は豊田陽平や林誠道ら、強力な攻撃陣を獲得。2019年8月から半年間、大分でプレーした嶋田慎太郎も加わった。中盤では松本大弥が広島から期限付き移籍加入。守備陣では作田裕次が昨季かぎりで現役引退し、庄司朋乃也が完全移籍へと移行。毛利駿也や松本大輔ら今季のニューフェイスも並ぶ。
 
柳下監督の特徴的なマンツーマンディフェンスについて下平監督は「アタックに入ったところではかなり人についてくるので、そこで中間ポジションでフリーになるといったことは起こりづらい」と分析。その上で「逆に人についてくるぶん、自分たちで動きを入れてスペースを作り出し、そこを使うという作業が必要になる。そのへんの意識の統一感が大事になってくる」と攻略のポイントを挙げる。
 
守備については「金沢は中盤の形がわからないが、インサイドに人数をかけてきて、かなりテクニックのある選手がコンビネーションを駆使して中央もしっかり使ってくるので注意しなくてはならない。まずはわれわれの守備をコンパクトに保ち、スペースを与えないところが大事。いまチームとして取り組んでいるコンパクトなゾーンの守備というところで、われわれの課題にぴったりな相手。いままでやってきたことがしっかり出せれば金沢の攻撃も防げると思っている」と、選手たちへの期待と信頼をにじませた。
 
今節も、明確なスタイルを標榜するチーム同士の対戦。それぞれの狙いをぶつけ合う中で、上回って勝利を掴みたい。