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今節の見どころ

11連戦ラストは味スタで好調の東京Vと。連勝を「3」に伸ばしに行く

 

ハードだった11連戦もようやく今節で終了。チームはいろいろな状況の中でフレキシブルに対応しながら調子を上向け、リーグ戦連勝してこの試合を迎える。この後に続く9連戦に勢いをつけるためにも、気持ちよく勝利したいところだ。

 

タフな連戦の中で地力を養っていく

前節の仙台戦は攻守に積極性を発揮して2点リードした後、1点を返されて一度は相手に傾きかけた流れを、ほどなくエドゥアルド・ネットの直接FKによる得点で引き戻して快勝。前々節の琉球戦に続きリーグ戦2連勝とした。今節はそれから中3日でのアウェイ連戦。仙台と同様、開幕から好調の東京Vに挑む。
 
これが長かった11連戦の11戦目。ルヴァンカップでは戦力をターンオーバーしていたとはいえ、十分な準備期間なく紅白戦も組めないままで試合に臨む繰り返しを過ごしてきた。なかでも中2日での4連戦中はさすがに、選手もスタッフも疲労の色を隠せなかった。
 
そこから持ち直したのは、まずはFW陣の貢献あってこそ。呉屋大翔、長沢駿、渡邉新太、伊佐耕平らが献身的な守備を続けながら、それぞれの特長を発揮して得点という結果を出してきたことが大きい。当初はプレシーズンに準備した4-3-3システムで戦っていたところを、連戦での蓄積疲労や戦力の状態を見極めて4-4-2へと変更した首脳陣の早目の決断も、現状のチームの最大値を引き出すことにつながった。FW陣の働きに絡んで小林成豪も今季3得点と躍動中だ。
 
おそらく今後も過密日程が続く中、負傷離脱者やそこから復帰する戦力が入れ替わり立ち替わりという状況になるだろうが、ルヴァンカップで戦力の底上げも進めつつ、そのときどきで柔軟に戦えるようになっていければ、自ずとチームとしての地力が高まるはずだ。
 

無敗の東京Vに主導権を明け渡すな

今節の相手・東京Vは今季無敗で現在3位。ここまで無敗なのは6勝1分で首位の横浜FC、4勝3分で3位の東京V、1勝6分で8位の徳島の3チームだ。上位に並ぶチームはいずれも攻守にアグレッシブで攻撃力が高く、それぞれのチームスタイルを表現して勝点を積んでいる。
 
東京Vは個々に確かな技術を持つプレーヤーたちがスピードに乗って流動的に攻めるスタイル。基本フォーメーションは4-3-3だが、特に前線の5枚は出入りが激しく、そこに中盤や最終ラインからも攻撃参加してくるので粘り強い対応が求められる。新井瑞希やバスケス・バイロンら足元のある選手への対応を誤ると、危険な位置でのFKやPKを献上することにもなりかねない。組織としてどう守るかが、今節のチームの戦い方の見どころのひとつになりそうだ。
 
ルヴァンカップのないチームも第6節からは3連戦で、東京Vは前々節にアウェイで山形と3-3のタフなゲームを戦った後、前節は湿度84%の敵地で琉球を相手に大逆転劇を演じている。両試合ともに2点ビハインドからそれぞれ勝点1と3を掴み取っており、劣勢になっても細部を修正しつつコンセプトを貫く戦い方でじわじわと試合の流れを手繰り寄せていく印象だ。琉球戦では連戦の疲労も見えながら、終盤まで積極的に攻めてPK獲得、さらに最後までハイプレスを続け相手GKのミスを誘ってトドメを刺す形で、最終的に5得点を挙げ相手の心を折るような勝ち方をしている。
 
攻撃力の高い相手だからこそ、ポゼッション率を高めて自分たちの時間を増やしたいところ。こちらのビルドアップや攻撃力も決して引けを取ってはいない。
 
杉本竜士や森田晃樹、阿野真拓らアカデミーOBが多く主力として活躍する東京V。さらに佐藤凌我と長沢祐弥は明治大OBで、小林裕紀と高木駿にとってはどちらも後輩にあたる。先輩たちの面目躍如にも期待が懸かる一戦だ。